CX
公開:
2017.04.17
西武鉄道株式会社
鉄道本部運輸部スマイル&スマイル室 分析・マーケティング担当 課長補佐
西武 旅するレストラン「52席の至福」、「西武トレインフェスティバル」など イベントのNPS®調査から、タイムリーに施策の企画・運営を改善
エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
サマリー
課題
・紙のアンケートからWEBへシフトすることで集計・分析業務の効率を改善したい。
成果
・各種イベントのアンケート結果をタイムリーに関係者に共有し、次回イベントの運営の改善に反映することができた。
・お客さまの声を定期的に全体共有することで、お客さま起点のイベントの企画、運営のPDCAサイクルを強化できた。
導入のきっかけを教えてください。
西武鉄道を利用するお客さまは、沿線にお住まいで定期券等を利用して日々ご乗車いただく方と、休日や休暇のおでかけの際にご利用いただく方に大別されます。
スマイル&スマイル室では、後者の定期券以外で西武鉄道をご利用されるお客さまを増やすべく、様々な企画やプロモーションを実施しています。具体的には、特別企画電車の運行や、車両基地の公開をはじめとした様々なイベントを展開しています。
これらのイベントを実施した際には、従来もアンケートを実施していました。しかし、紙媒体でのアンケートであったため、お客さまの回答のしやすさや集計・分析の効率化の観点からWEBへのシフトを検討していました。
そのような時に、EmotionTech CXのNPS®(ネット・プロモーター・スコア/推奨度)の調査サービスを知り、導入を決定しました。
イベントは単日の場合もありますが、複数日で実施することもあります。一般的には、複数日程のイベントの振り返りは、全イベント終了後に行うことが多いですが、タイムリーにお客さまの声を把握できたら、翌日のイベント企画にその声を活かすことができます。
こうしたPDCAサイクルのスピード感を高めるために、既に多数の調査を実施しています。
アンケートはどのように実施されていますか?
西武線沿線の代表的な観光地である秩父をモチーフにした独特な内外装で、著名シェフの監修する料理を楽しめる西武 旅するレストラン「52席の至福」、西武線の車内で同窓会ができる「西武線 同窓会電車」、新「銀河鉄道999デザイン電車」の運転および展示などを行った「西武トレインフェスティバル 2016 in 横瀬」などのイベントの際にアンケートのご協力をお願いしています。
カードを配布して、QRコードでアンケート回答ページにアクセスのうえ回答をいただいています。
参加したツアーやイベントを親しいご友人やご家族にどの程度勧めたいかというNPS®の項目に加えて、西武鉄道のNPS®をお伺いしています。
他にも年代などの属性や認知媒体、ご自宅の最寄駅、西武線沿線の魅力に関する項目なども設定しています。
西武鉄道沿線の代表的な観光地である秩父をモチーフにした独特な内外装で、
著名シェフの監修する料理を楽しめる西武 旅するレストラン「52席の至福」
調査の結果はどのように活用されていますか?
お客さまに寄せていただく声には、お褒めの言葉もお叱りの言葉もあります。しかし、いずれも「そこまで書いてくださるのか」というほど、びっしりと書いてくださるお客さまが多いのは、心からありがたいと思っています。
当初は、スマートフォンでの回答の場合、フリーワードの回答量が少ないのではないかという懸念もあったようですが、杞憂でした。しっかり回答いただいているからこそ、そのお声は速やかに確認して、スピード感を持ってイベントの運営に活かしています。
イベントの現場で、企画担当やスタッフが「もしかしたら、イマイチだったかな」と感じたことは、お客さまからご指摘として届くものです。その声を知ることで、改善の方向性に確信をもてることは業務のPDCAサイクルを強化する上では大きな武器になります。
これまでも、あるツアーで受付方法や朝食の内容についてご指摘をいただいた際には、次回の企画で改善を行い、お褒めの言葉をいただいきました。また、別の企画では、複数のお客さまから「お食事の量」に関するご要望をいただいた際は、イベントの企画担当や運営を担当する協力会社とも検討を重ねて対応しております。
どのイベントにおいても一定の利益は確保しながらサービスの質を上げていかなければならない中で、すべてのご要望にはお応えできない面もあります。
しかし、調査の結果は企画担当者、協力会社にも共有することで、「お客様の声を聞いて、施策を考える」というPDCAサイクルは徹底できています。
お客さまの声を聞いて、「できる」「できない」を判断し、そのままでは実現できない場合でも別の形を模索するという意識は関係者が共通して持っています。
また、日常的にお客さまの声に触れることで、新たなイベントを企画する際にも、「その施策だと、お客様はこう感じるのではないか?」と勘所が働くようになりますので、結果的に企画の質も上がっていくと感じています。
「お客様の声」可視化イメージ
イベントごとに継続して調査を実施する意義をどのようにお考えですか?
様々なイベントでNPS®の調査を実施していますので、企画ごとのタイムリーな関係者への共有とは別に、全体概況を月次の部内会議で共有しています。
企画担当者の感覚に基づいて報告するのではなく、実際のお客さまの声を踏まえて関係者の目線合わせができることで「お客さまの声を起点」に業務を進めることが部署としてもできています。
NPS®は定量化する上での1つの指標として位置づけ、現状では一律での目標設定はしておりません。長期間にわたる施策も同じ指標で継続して測ることで、一定の傾向を導出できると考えています。
同じ施策でも、NPS®は変化しますので、中長期的にモニタリングしながら、結果的に全体のNPS®を上げていくアプローチが有効だと思います。
今後の展開について教えてください。
これまで調査を進める中でも、アンケートの回収率をあげるための改善を進めてきました。今後もイベントに来場いただいたお客さまにスムーズにかつ楽しんで回答いただけるような、アンケートの認知手段は新しい方法を試みていきたいです。
また、イベントによっては、リピートしてくださるお客さまも多くいらっしゃいますので、今後はリピート率に関する調査をすることも検討しています。
当室の取り組みの一つとしては、話題性のある施策を企画し、主に西武線沿線以外にお住いの方にも、まずは一度西武鉄道に乗っていただく「きっかけ」を提供し、西武鉄道を認知していただく機会を創っていくことを目指しています。
1回の乗車で「西武線沿線に住む」という流れは少し飛躍がありますので、就学・就職・結婚などのライフイベントのタイミングで、居住地の選択肢に入れていただけるよう、沿線の魅力を継続して発信していくことが重要だと思います。
そして最終的には、西武線沿線の居住者を増やしていくことにつなげていきたいと考えています。
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