株式会社やまと | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

株式会社やまと

株式会社やまと コンプライアンス部部長 兼 お客様サポートセンター センター長 服部 智史様

メンバーひとり一人との丁寧な対話から、顧客志向組織を育む。業界変革に挑む株式会社やまとの顧客体験マネジメントとは?

メンバーひとり一人との丁寧な対話から、顧客志向組織を育む。業界変革に挑む株式会社やまとの顧客体験マネジメントとは?

株式会社やまと コンプライアンス部部長 兼 お客様サポートセンター センター長 服部 智史様

 『きものやまと』をマザーブランドとして5ブランドを展開する創業105年を迎えた株式会社やまと(以下、やまと)。かつてきもの業界においては、産地やメーカーにある商品を借りて販売するという形が主流でしたが、昨今は、お客様の声を取り入れることが必要不可欠となっています。お客様視点での新たな価値創造に挑戦するやまとのCXMの取り組みを取材しました。


・本事例のサマリー
2020年から本格的にCX調査を始めた同社では、全店舗で顧客調査を始めたが、回答負荷の高い調査や、メンバーの意識などの壁から、回答数がうまく集まらなかった。特に、回答数向上のため店舗毎に目標設定をして改善を試みたものの「何のために調査を行っているのか」という目的がメンバーに浸透していないことから、回答数が減少してしまった。店長やメンバーとの対話を通じて、顧客の声を集めるその本質的な意味と、その重要性の理解を深めることでメンバーの意識を醸成し、好事例店舗が増えつつある。

・EmotionTech CX導入による成果
社員の意識変革により、接客品質とホスピタリティの質が向上した。


「EmotionTech CX」導入の背景を教えてください。

やまとでは、長らく「お客様評価はがき」でメンバーの接客品質を評価してきましたが、これはお客様の声を起点に店舗や商品改善に役立てようという側面もありながら、どちらかというと人事評価の一環で実施していました。

20194月に社長が交代したことをきっかけに、お客様(世の中)視点に立ち、きものを着ていただくお客様を増やしていこうという意識が強くなりました。きもの業界においては、長らくものづくりをする側に重きがおかれた商品開発が主流でしたが、現在では、お客様の声を起点とした商品提供が必須だと思っています。このように、お客様視点の組織へ生まれ変わろうという体制が整ったことから「EmotionoTech CX」の導入を決めました。

これまでの調査と、現在実施している調査について教えてください。

『きものやまと』をはじめとする関連ブランドの店頭で、定常的に調査を行っています。
開始当初は、広く課題を見つける目的で、店舗や商品に関する総合的な項目について調査をしていました。そこからしばらく調査を続けているうちに、推奨度の向上に深く関連するのが「接客評価」だということが調査結果から改めて明確になり、現在は「接客評価」に絞った深堀調査を行っています。

CX改善を進める中でぶつかった壁はありますか。

調査を始めたばかりの頃は調査対象としたい体験項目が多く、設問数が膨大になってしまったことがありました。その結果、お客様にとって高負荷な調査となり、満足にご回答いただけないという事態に陥っていました。現在は、推奨度の向上に関連する「接客評価」に絞ることで回答負荷が少ない調査となって、回答率は改善しています。

また、調査目的が不明瞭だったことからメンバーの動機付けが出来ず、回答数が減少したこともありました。

アンケート回答の依頼をお客様にするのは、お店にいるメンバーのひとり一人ですから、メンバーの意識と回答率は密接な関係にあります。そのため、回答数向上のために、店舗あたりで回答数の目標を決めるところからスタートし、最低でも1日2名のお客様から回答を頂こうなど、店舗毎に目標件数を決めました。

しかし、目標設定直後、回答数は一時的にあがったものの、ある時から急に回答数が低下してしまって…。

その原因を追求してみると、回答数を取ることの意味が十分に伝わっていないにも関わらず回答数だけ負わされているという、メンバーにとってネガティブな体験になってしまっていたことが分かりました。その結果、回答数を追いかける意味がわからなくなっていた、という状態に陥っていたのです。

難しい問題ですね。その壁は、どのように乗り越えていったのでしょうか。

まずはシンプルに、店長と対話するところからはじめました。

「何のために、このアンケートを実施しているのか?」という目的を、店長ひとり一人と話し見つめなおすことからはじめたのです。
そもそもお客様に回答を依頼するための大前提として「心からご満足いただけるお客様応対をすること」があります。つまり良い接客をするような努力をして、はじめてお客様からの素直な評価を受け取る準備ができる、という姿勢が大事なのです。お客様の声をいただくことの意味とその重要性を、店長達と話しながら、丁寧に説いていきました。

次第に、全店にとってお手本となるような店舗が出てくるようになって、そのようなお店の活動については、他の店舗へもフィードバックするようにしました。

CXを有効活用している店舗では、店長がお客様からの全ての声をフィードバックし、メンバーと共有しています。結果を店長だけに留めることなく共有している点、またお客様のポジティブな声をフィードバックすることで、メンバーの心のエンジンを灯し、それによって良い接客が創出される。すると、自然と回答数を集められるようになり、良い声がまた集まってくる…。このような一連の良い循環が生まれると、どんどん顧客ロイヤルティの向上が見込まれるようになっていきます。

このような良い循環を生み出せる店舗を一つでも創っていくことが、今後の成長の鍵だと思っています。

調査結果の共有は、どのように行っていますか。

毎月、営業ラインの部長、ディレクターを集めた「NPS共有会」を実施しています。
ポイントは、横並びでの比較ではなく店舗毎の前月対比で推移を確認している点です。NPSのスコアは立地や地域性などによっても左右されるため、店舗同士を横並びで比較するのは本質的ではない、と考えています。

また、エリアブロック内の他店舗の結果をお互い見られるようにしています。
こうすることで互いに切磋琢磨し合うことができ、良い刺激となっています。

また役員会では前月結果の報告を行い、お客様の声や優良店のノウハウ等を共有しています。営業担当役員が店舗に入店して「雰囲気がよい」と感じた店はNPSが高く、売上が上がってきているという実感値と、調査由来の定量データとが相関しているため、経営陣もこの報告をとても楽しみにしています。「NPSの高い店舗は雰囲気がよく、売上が上がってきた」ということが、徐々に見え始めてきたということだと思います。

調査の成果について教えてください。

定性的な成果としては、当初課題だったお客様の声を収集することそのものに対して、プラスに捉える店長が増え、お客様アンケートに対する社内のモチベーションが向上してきているという実感があります。またこれに伴い、メンバーの接客応対の質が向上、特にお客様をお迎えする心、ホスピタリティが向上していると思っています。実際にお客様からいただいたコメントにもありましたが、例えば売上には直接的に関係のないような着付けに関するご相談に乗って差し上げるなど、おもてなしの心が確実に育まれているという印象です。


定量的な成果としては、段々とお客様からのコメント量が増えています

接客に対して特に印象がなければ、コメント量というのはなかなか増えないと考えていますので、これは「良い接客が増えている証拠」と捉えています。

最後に、今後挑戦したいことについて教えてください。

2020年からアンケートを開始し、約2年半が経過しました。
現在は、やっとお客様の声を組織に活かすための素地がつくられてきたところだと認識しています。今後は、NPS・回答数実績が店舗収益につながっていくような店舗を一店舗でも多く創り、全店舗でお客様視点の接客応対が実現できるようにしていきます。

また、エモーションテックには、分析に必要な様々な知見があるため、まだまだこれから分析の幅を拡げていけるのではないでしょうか。
今はメンバーの接客品質向上をメインに調査を活用していますが、今後は収集している感情データを様々な事業活動へと接続し、改善活動に活かしていきたいと考えています。

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