株式会社バーニーズ ジャパン | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

株式会社バーニーズ ジャパン

(左)株式会社バーニーズ ジャパン/マーケティング担当/マネージャー/戸田 義朗様(右)株式会社バーニーズ ジャパン/マーケティング担当 /リーダー/改木 文枝 様(役職は取材時点のもの)

継続的な顧客の声の収集とポジティブなフィードバックで組織変革を推進し、顧客志向企業を目指す。CXMに取り組みはじめて5年目のバーニーズ ジャパンの取り組みとは。

米国発のスペシャリティストア、「バーニーズ ニューヨーク」を日本国内で12店舗(アウトレット含む)を展開する株式会社バーニーズ ジャパン。CXMの取り組みを開始して5年となる同社の示唆に溢れた施策を伺いました。

本事例のサマリーと成果

・サマリー
顧客の声(回答数)の収集量を意識した調査設計と、ポジティブな社内フィードバックを中心に継続的に実施した結果、従業員の意識と行動に良い変革がもたらされている。個人のNPSやお褒めの言葉を社内表彰制度の対象としたことで、従業員エンゲージメントの向上に繋がる仕組みも確立した。

・EmotionTech CX導入による成果
CX調査を起点に、従業員の意識と行動が変容している。EX(従業員体験価値)の向上がCX(顧客体験価値)の向上につながっていくという好循環が生み出される企業文化が育まれている。

バーニーズ ジャパンさんには、3年前にも一度取材をさせていただきました。現在のCX調査の実施状況がどのように変わったか、教えてください。

株式会社バーニーズ ジャパン 戸田 義朗様
戸田 義朗 様(以下、戸田氏):以前はCX調査が立ち上がったばかりの頃に取材していただきました(前回の記事はこちら)。その頃は調査対象者を限定的にして、成功事例が少しずつ増えてきている過程をお話しました。

そこからCX調査の可能性を十分に感じ、現在では全国のバーニーズ ニューヨークでお買い物をしていただいたお客様を対象に、本格的なCX調査を実施しています。

調査が定常的に実施されるようになり、お客様からの声が日々蓄積されていると思います。これらのデータは、社内でどのように活かされていますか。

戸田氏:
毎週、店舗の店長・副店長・マネージャー、本社スタッフにまで調査結果を共有しています。
この内容は、隔週で開催される営業会議や店長会議などの重要な会議の場でも共有され、次なる営業施策を検討する上での重要な情報源となっています。

調査をはじめた当初は、誰もが半信半疑で調査結果を見ていたと思いますが、今では「お客様からの貴重なご意見をいただけるもの」と認識されてきています。

改木さんは、EmotionTech CXの導入時から、データ分析をご担当されています。この3年間の社内の変化について、どのように見ていますか。

株式会社バーニーズ ジャパン 改木 文枝 様

改木 文枝様(以下、改木氏):この3年間を経て、CXM(顧客体験マネジメント)の肝とも言われている組織変革がどんどん行われてきているという実感を持っています。ただ漫然と調査をしているのではなく、持続的なCXMの活動に発展していると感じます。

CXMによる組織変革を実現するためには、正しく調査を実施し適切に分析していくことはもちろんのこと、継続することが特に重要だと考えています。そのためには「顧客の声(アンケートへの回答数)を一つでも多く収集すること」がポイントです。

顧客の声の量にこだわることで、調査そのものの価値を底上げできるばかりでなく、社内の人々の期待感を醸成してくれます。これが、継続しようとする力を創っていくと思うのです。

組織変革の鍵が調査・分析の“継続”にあり、継続するためには顧客の声の量が重要、ということですね。回答数を向上させるために、どのような活動をされていますか。

改木氏:シンプルですが、回答負荷を下げることが重要だと思います。
あれもこれも聞きたくなる気持ちはわかるのですが、それをしてしまうと貴重なご意見がいただけなくなってしまいます。現在の設問数は7問で、データ分析者としては物足りなく感じる数でもありますが、この少ない設問数にした成果として、お客様からの回答数が約5%ほど改善しました。

回答数が適切に集まれば、推奨度などの定量データ、コメントなどの定性データがどんどん蓄積されていきます。そしてそれはいずれ価値あるデータ群となり、その価値あるデータをわかりやすい形で可視化し、社内に拡散していくことで、今度はその価値にみんなが気づきはじめていく。そしてその価値について社内のあちこちで会話がはじまり、どんどん共通認識化が進む。まさにこれがCXMによる組織変革の過程ではないでしょうか。

毎週の結果を共有し続けていたことに加え、実際の売上とNPSとの連動性を明らかにしたことにより、調査そのものに対する社内の見方が圧倒的に変化したという感覚がありました。これは、継続してみなければわからなかった感覚だと思っています。

すばらしい成果ですね。具体的に社内に向けて行っている施策があれば教えてください。

戸田氏:弊社では半期に一度、全従業員を対象にした表彰式を開催しており、売上や業務改善などに関して優秀な成績を納めた方を表彰するのですが、2022年より、NPS調査でお褒めの言葉をいただいた個人を表彰対象としました。

この表彰制度を導入してからは、特に各人の接客に対するモチベーションもさらに向上したと感じます。従業員エンゲージメントは、CX向上に重要だということを改めて実感しました。
調査をはじめた当初は、全てのお客様が調査員のように感じ、接客をこわがってしまう従業員もいました。しかし、ポジティブな言葉を中心的に共有するようにしたことで、「調査はこわくない」「自分達にとってプラスの影響をあたえてくれるもの」と感じていただけるように工夫しました。

お店全体が良い雰囲気で満ち、良い接客を提供していける環境を作ることは、お店にいらっしゃるお客様にとっても非常に重要です。調査によって従業員がネガティブな感情になり、良い環境が作れなくなってしまっては、本末転倒です。
もちろんネガティブなフィードバックも時に必要ですが、伝え方は重要です。まず、ポジティブなフィードバックからはじめることから意識しています。

EX(従業員体験)とCX(顧客体験)の密接なつながりを感じる話ですね。その他、調査を継続したことで見えてきたことや、調査結果を起因として行った施策で印象深いものがあれば教えてください。

戸田氏:まず、調査を継続したことで得られた成果としては、各店舗の強みや弱み、課題などといった特色や傾向が言語化できたことです。この店舗はよくこういうポイントを褒められる、逆にこのような指摘が多いなど、お客様からいただくお褒めやお叱りのコメントにも店舗ごとの傾向が見えます。

調査結果を踏まえた施策として印象深いものは、弊社が運営しているECサイトの返品ポリシーの改訂を昨年行ったことです。返品に関する運用を変えるということなので、弊社の収益にも関わる重要な意思決定でしたが、これを顧客の声を起点に行ったという事実は、顧客志向経営が育まれはじめているなと実感しました。

この改訂によって、お客様が高額品を購入することへのハードルが下がったことで、平均単価が昨対比で二桁増と大きく伸長しました。合わせて、返品交換に関するクレーム件数が0件になるなど、副次的な効果も感じられています。
また、「商品の検索のしやすさ」や「サイズ比較が分かりやすい」といった体験にも課題が見られたことで迷うことなく機能開発に着手することができました。この結果、お客様都合の商品交換の発生件数が0件となり、在庫管理のリスク削減にもつながっています。

以上のことから、当初は懐疑的だったECチームも、実施後は収益面・運用面の両面で実施して成功だったと捉えてくれています。

このような施策に踏み出すことができるかどうかは、パンデミック以降、経営層が「お客様の声に徹底的に真摯に向き合う」という覚悟を社内に表明し続けてきたという土台があってのことだとも思っています。

NPSや売上が低迷していたA店舗が、結果にあらためて向き合い、接客を改善したことで売上が改善したと聞きました。改善要因を教えてください。

戸田氏:こちらは各店舗の売上とNPSとの関係性を調べたレポートです。
これを見ると、NPSと売上が相関しているということがわかります。

また、売上が低迷していたA店は調査後、NPSを15.9pt改善した結果、売上を28%改善しました。


改善できた理由は「自分達の接客に改善の余地がある」ということを、みんなが検証できる数値(売上)とNPSとの連動、そして他店舗との比較という部分で、納得感をもって受け止めることが出来たことが要因の一つにあると思います。こうなれば、自然と改善しようとする気持ちが湧き出てきて、A店舗にいる全員が、自分たちの接客を見直すきっかけとなったのだと思います。

改木氏:NPSは、回答者の批判者と推奨者のバランスで決まるスコアです。つまり、批判者を減らし推奨者を増やす必要があります。ここから「バーニーズ ニューヨークにいらした目の前の全てのお客様お一人お一人を大切にしよう」というマインドが自然と醸成されていった結果、お店そのものの雰囲気が次第に変わっていき、結果として売上に良い影響が及んだということだと思います。

最後に、今後挑戦したいことがあれば教えてください。

戸田氏・改木氏:NPSを経営指標の一つにして、CXMがきちんと機能した顧客志向経営を目指せる企業になりたいと思っています。また、意識改革と社内浸透、組織変革ができつつあるので、あとはこれを発展させ続けていきます。

NPS経営、顧客志向経営に向けて、お客様に愛され、支持していただける会社を目指していきます。

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