CX
公開:
2023.12.25
ミズノ株式会社
(写真左から)ミズノ株式会社 スポーツ施設サービス運営部 人事・品質管理課(兼)ミズノスポーツサービス株式会社 人事・品質管理部 品質管理課 日光 達也 様
同左 プロフェッサー 内田 紀美子 様
同左 岸川 琴美 様
全国にある100のスポーツ施設での調査と現場を巻き込んだ顧客体験マネジメントを実践して8年。ミズノグループの取り組みと挑戦とは。
エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
ミズノグループでサービス事業・運営事業を担っているミズノスポーツサービス株式会社。同社では、行政から受託した公共スポーツ施設や、直営でのフィットネス施設やスクールの管理・運営を行なっています。形態が異なる施設での定量調査実施を目指し、施設の職員を巻き込みながら顧客体験向上に取り組むミズノグループに、現場を巻き込むためのデータ活用と施策のポイントについて伺いました。
本事例のサマリーと成果
本事例のサマリー
・顧客の声を起点とした事業改善を目的として、8年前にEmotionTech CXを導入
・100を超える施設ごとで調査・分析を実施。スピード感を持ったPDCAを各施設で実行できている。
・「NPS」を統一された「品質指標」として取り入れることで、運営体系が違う中での全社で把握できる仕組みを構築
EmotionTech CX導入による成果
・ジャーニーマップ機能や真因分析機能を活用することで、良い点や改善すべき点の把握ができ、根拠のある改善活動に繋がっている
・集計や分析を自動化させることで、スピーディーに施策が打てている
・行政への報告材料として共有できるデータやアウトプットが増えている
EmotionTech CX導入の背景を教えてください。
日光様:
2015年からEmotionTech CXを導入しています。当社が管理する施設の提供価値を利用者の声を通じて把握し、サービス改善につなげることを目指し導入を決めました。
当社の扱う施設は、公共施設であることが多く、規模や特徴、お客様層もそれぞれで異なります。そのため、売上や来館者数、会員数だけでは施設の良し悪しを評価することはできませんでしたが、顧客ロイヤルティであれば、それが可能となることを知りました。
現在使っている顧客ロイヤルティ指標「NPS」であれば、施設特性にかかわらず、施設の価値をグループ全体で管理できる「統一品質指標」となり、各施設の強みや弱みを正しく捉えることができるようになります。次なるミズノグループの事業成長のためにも、EmotionTechが必要だったと考えています。
現在実施している調査について教えてください。
岸川様:
現在ミズノグループが管理している200近くの施設のうち、100を超える施設で調査を行っています。100施設それぞれで調査から分析、施策提案までができるよう、個別のシステム環境を用意しています。これによって、スピーディなPDCAサイクルを実現しています。調査頻度は施設によって異なりますが、来館者に対する調査を平均で年1−2回程度実施しています。より多くのお客様の声を聞くことが重要と捉え、QRコードを活用したWEBアンケートと紙での調査を併用しています。
調査から分かったことがあれば教えてください。
岸川様:
EmotionTechのジャーニーマップ分析では、「推奨度に影響を与えている重要な体験」がわかるという特徴があります。この分析から、利用目的によって利用者が求めるニーズが違うということがわかりました。例えば「団体利用」では、「スタッフの接客対応の良さ」や「施設の清潔さ」が、「個人利用」では「料金」が重視されているということが傾向から見えました。現在、団体利用時のスタッフ応対を改善する動きが全社的に進んでいます。
また、エモーションテックの機能の一つである「真因分析」も積極的に活用しています。
真因分析では、「改善緊急度の高い要素」と、「伸ばすべき強み」が把握できるようになっています。
例えば、「スタッフ応対」という体験については、「受付スタッフ」「教室・スクール講師」「清掃スタッフ」のどこに原因があるかという質問を重ねることで、問題の発生源を特定できるようにしています。
調査がうまく改善につながっている施設について教えてください。
内田様:
改善が進んでいる施設には共通点があると思います。
それは「お客様の声を全員で共有し、議論している」ということです。つまり、支配人だけが調査結果を確認して、対策を考えるということではなく、関係者全員で調査結果を確認しているということが重要だと思います。
「このコメントはこういうことなのではないだろうか?」「こうしたらよりお客様のためになるのではないだろうか?」というような議論から、良い施策というのはうまれると思っています。
また「単にアンケート調査をお願いします」ということではなく、「調査目的が利用者の皆様により喜んでいただける施設運営を目指すためのものである」という、こちら側の想いを利用者様に伝えていくことも非常に重要だと思います。
とある施設では毎年2月に調査を実施していて、必ず調査結果を利用者の皆様にも公表するようにしていました。すると、その施設では、2月頃になると、利用者の方から「今年もアンケートの季節がきましたね」と言われるようになったと言います。これは究極ですが、利用者様との関係性がここまでくると、すごく良いと思いますね。このような工夫をされている施設のNPSは、当然向上傾向にあります。
調査結果は社内にどのように共有していますか?
岸川様:
前述したように、調査結果は、それぞれの施設で見ていただけるようになっていますので、細かなコメント分析などは施設にお任せしています。しかしこれまでを俯瞰したような、全体傾向などは、私の方からは簡易レポートを作成しフィードバックしています。
私からの簡易レポートでは、今回のNPSの結果とこれまでのNPSの推移、現場の業務改善に役立つヒントとなるような情報提供を心がけています。また、前述した真因分析を活用し、どこに改善の余地があるかを特定できるようにしています。
EmotionTech CXを活用される中で、良かったポイントについて教えてください。
内田様:
システムがシンプルで、使いやすい点はメリットに感じています。集計から分析までが全て自動でできるので業務効率化に繋がっています。
岸川様:
エモーションテックでは、1社に1名カスタマーサクセスが存在しているため、伴走支援をしていただいています。困った時に気軽にご相談ができたり、ご提案をいただけるという点は非常にありがたいなと思っています。
日光様:
当社が管理する施設は、自治体からの委託管理が多く、マシン購入などの設備面については自治体の理解を得られなければ改善することはできません。しかし、CX調査によるアンケートデータを元にすることで、クライアント(自治体)への前向きな提案に活用できています。明確な顧客の声が根拠のため、提案自体の説得力が高まっていると感じますね。
最後に、今後のお取り組みの中で挑戦したいことがあれば教えてください。
岸川様:
現在実施している利用者体験の向上を今後も目指していくことはもちろんですが、より良い営業活動を行うためにも、契約してくださっているクライアントに向けた調査も実施してみたいと考えています。また、ミズノグループで主催しているスクール事業などに特化した深掘り調査も行なうことができれば、新たな課題が見出せるのではないかと考えています。
日光様:
ミズノでは、2017年頃から、CS推進をする「CS推進トレーナー」という社内ライセンスを導入しています。ここでは、標準化した接客品質や、顧客感動を生み出し顧客体験を向上するためのノウハウを教育していますが、今後、NPSや、エモーションテックのジャーニーマップ分析の読み解きができるような内容も、同カリキュラムに取り込めないかと考えています。
内田様:
今後は全施設での調査を目指し、より利用者体験の向上に向けた分析を継続的に実施していきたいと思っています。
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ただ漫然と調査をしているのではなく、持続的なCXMの活動に発展していると感じます。