沖縄セルラー電話株式会社 | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

沖縄セルラー電話株式会社 × 株式会社光貴

左から、
沖縄セルラー電話株式会社様
コンシューマ営業部 コンシューマ営業サポートグループ 當眞 百合子様、同グループリーダー垣花 直希様、同部部長 森下 保志様
株式会社光貴様
代表取締役社長 斉藤 政美様、取締役 仲座 真吾様、営業戦略本部 副本部長 比嘉 陽介様

パートナー企業の経営改善にeNPS℠を活用 沖縄セルラーがパートナー企業と推進するEXマネジメント施策とは

このコラムの執筆者
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エモーションテック 編集部

NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。

従業員体験(EX)の向上には自社の企業規模や体制、ステークホルダーとの関係性などを考慮した施策を実行していくことが求められます。特に製品の販売をパートナー企業への委託によって展開する場合、自社だけでなくパートナー企業のEX向上が顧客体験(CX)の向上につながります。そのため、販売元企業からパートナー企業への積極的なEXの理解促進やeNPS向上に向けたサポートが自社利益にもつながります。

一方で、自社とパートナー企業という関係性において、どのようなサポートや施策に取り組むべきかは悩ましいところです。 そのようななか、「EmotionTech EX」を導入しパートナー企業への積極的なEX支援に取り組むことで大きな効果を上げているのが、沖縄セルラー電話株式会社です。本記事では、EXマネジメントの考え方や具体的な取り組みのほか、実際にEXマネジメントによって大きな成果を上げているパートナー企業の声もお届けします。

本事例のサマリーと成果

導入前の課題

・2016年からよりよい顧客体験創出に向け、パートナー企業の店舗で働くスタッフに向けた調査を実施し、企業ごとの課題解決を支援していたが、積極的な働きかけができていなかった。    

導入後の施策

・年に1度eNPS調査を実施し、その結果をパートナー企業各社に共有。

・各パートナー企業が自律的に組織改善できる状態を目指し、各企業の経営層にeNPS、EXマネジメントの理解促進を図ることを目的とした合同報告会やアクションプラン研修をエモーションテックと開催。

導入後の成果

・eNPSの改善に乗り出した企業からモデルケースが現れ、各社のEXマネジメントの理解が浸透。改善に向けたアクションに乗り出す企業が増加。

・現在はパートナー企業各社の自走に向けてアクションプランの実行支援をしていくフェーズに。

顧客体験向上は、店舗で働く人々のモチベーションや定着が鍵

まずは、沖縄セルラー様がパートナー企業全体でEXマネジメントやeNPS調査の実施に取り組もうと考えた背景についてお聞かせください。

垣花氏:沖縄セルラーは、沖縄県においてモバイル通信、固定通信サービスを展開している総合通信事業者です。モバイル事業では通信キャリアとしてau・UQをブランド展開し、各店舗はパートナー企業に販売代理店として運営していただいています。

そのなかで、お客様満足度を向上させていくための指標として、まずNPS®︎を導入して取り組みを進めていくことにしました。しかし、お客様満足度や顧客体験(CX)の向上は、店舗で働くスタッフの方々がモチベーション高く業務に取り組んでいただく必要があります。そのため、従業員の満足度をしっかり調査し、現状の課題を解決していこうと考えeNPS調査に取り組み始めました。

CX向上のためには、実際に店舗で働くスタッフのEXを向上させる必要があると気づいたきっかけなどはあったのでしょうか?

垣花氏:2016年当時の離職の調査にて、店舗で働くスタッフのなかでも、特に入社半年ほどの離職率が高いというデータが出てきたことでした。そこで調査してみると、入社して半年前後のスタッフへのサポートが少ない傾向がありました。やはり人が辞めてしまうと、スキルを持った人材が育たないばかりか、店舗のオペレーションもうまく回らなくなってしまいます。

こうした調査結果からも、定着率を上げ、よりよいサービスをお客様に提供していくためには、現場で働く方々が持つ課題にしっかりと向き合う必要性を感じたことが、一番最初のきっかけになりました。

そうした意図で実際にeNPS調査を実施されてみて、パートナー企業の方の反応などはいかがでしたか?

當眞氏:そうですね。正直にいえば2、3年前までは、私たちもeNPS調査を実施して結果を共有することはやっていたのですが、積極的な働きかけができていませんでした。そのため、パートナー企業の方々もeNPSやEXの重要性について把握しづらい印象でした。そういった状況を変えるべく、改めて沖縄セルラーとしてeNPS調査を実施する意義や、パートナー企業にどのような代理店運営をしてほしいのかを話し合ったのが昨年のことです。

また、店舗のスタッフの皆さまは、現場で忙しい中、eNPS調査にて貴重な声を上げてくださっています。それらの貴重な声を「ただのアンケートで終わらせずに、しっかりと経営者に届けていこう」という話になりました。

パートナー企業全体でeNPSにしっかり取り組んでいただくためには、沖縄セルラーとしてどのような施策を重視していくことになったのでしょうか?

垣花氏:まず主要なテーマとしたのは、「どのようにすればパートナー企業の経営者の方々と共通の課題認識をもって取り組めるか」という点でした。その上で、私たちでサポートできることやパートナー企業に自走していただく点などの洗い出しを重点的に行いました。

EXマネジメントについての研修を実施する是非についても話し合われ、なかには「そもそも調査自体も意味がないのでは」という意見が出たのも事実です。そのような話も含め、数か月にわたり社内でも認識のすり合わせを進めていきました。

そのような議論を踏まえて、昨年からはエモーションテックも参加する合同報告会を開催しています。合同報告会にはどのような意義があるとお考えになったのでしょうか?

垣花氏:沖縄セルラーとしては、まずはエンゲージメントやeNPSの重要性をお伝えしたいという思いがありました。そのため、エモーションテックからは、調査結果の読み方や課題の見つけ方を説明してもらいたいという考えもありましたが、なによりも「なぜeNPSが重要なのか」にフォーカスし、それを沖縄セルラーではなく第三者の視点から伝えることに意義があると考えました。

當眞氏:具体的には、実際のパートナー企業のデータを分析してもらい、eNPSが改善することでNPSや売上向上に直結している結果を発表してもらい、また他社が従業員エンゲージメントを高めることでどのような成果が出ているかについても共有してもらいました。

「eNPSは経営の通信簿」パートナー企業が実感したEXの意義

沖縄セルラーが取り組むパートナー企業に向けたEXマネジメントの支援。現在、パートナー企業各社ではeNPS調査やEXマネジメントの重要性が浸透しつつあるといいます。今回は、沖縄セルラーのパートナー企業の一社である株式会社光貴(以下、光貴)の代表取締役社長 斉藤政美様(以下、斉藤氏)に取材。EX向上に向けた取り組みや、経営者として実感する効果についてお聞きしました。

eNPS調査では従業員が持つ現状の働き方への率直な考えがスコアや自由回答のコメントで提示されます。経営者としてはどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか?

斉藤氏:私にとって、eNPS調査の結果は「経営者の通信簿」だと思っています。中小規模の企業の経営者として率直な意見を申し上げれば、eNPS以外の数値についてはある程度コントロールが利くものだと考えています。例えば、売上や利益が思うように出せなかった場合でも、別の手段を考えれば改善できることがあります。そういった観点でいえば、NPS®︎の方がまだコントロール可能だと感じています。つまり、丁寧な接客をするように目を光らせていれば、その時々には上がるわけです。しかし、店舗スタッフが命令として指示されたことを強いられるような構図では、全く持続的ではないのです。

それに、eNPS調査自体も社員に嘘を書けとは言えません。そんなことをしたら、自社としての課題すら見つからずに衰退していくだけですから。ですから、年に1回実施するeNPS調査のタイミングはとても辛く(笑)、経営の指針や業績数値と同じくらい重く受け止めています。

eNPSのスコアをそのように重要に受け止められているのには、斉藤様としてはどのような思いがあるのでしょうか?

斉藤氏:私としての経営の原点として、「会社の利益と従業員の利益をイコールにしたい」という思いがあります。つまり、従業員全員が働くことにやりがいを感じるだけではなく、しっかりとがんばって働いた成果を給与として還元したいと思っているのです。だからこそ、eNPS調査によって得られた働き方に関する課題の解決にはしっかりと向き合っていきたいと思っています。

例えば、eNPSの結果を受けて弊社が取り組んだことの一つに、賞与を業績連動型に変えたことが挙げられます。従来の弊社の賞与制度では、会社の業績に関わらず一定額の賞与が夏と冬に支払われていましたが、逆をいえば業績が良いときでも決まった賞与額しか従業員に還元されません。そこで、業績と従業員のボーナス額を連動させることで、会社と従業員が利益を求めるベクトルを揃えるようにしました。

賞与制度以外にも、人事制度の改革にも着手されたとうかがいました。具体的にはどのような取り組みをされたのでしょうか?

斉藤氏:人事制度については二段階のプロセスを踏まえて改革していきました。第一段階では、「オフサイトミーティング」を開催し社員の意見を聞く場を設けたほか、四半期に一度、社員から働き方に関する「自己申告書」を提出してもらう仕組みを整えました。これらを通じて集めた階層・役職ごとの意見や、eNPS及び従業員満足度調査の結果等をもとに、第二段階として、本格的な人事制度の改革を行っていきました。

例を挙げると、従来の弊社の人事制度は全社員が一律で管理職を目指す「単線型」の体系でしたが、2022年6月に施行した新人事制度では、管理職を目指す「マネジメントコース」や高い専門性を目指す「プロフェッショナルコース」に、エリアを限定して勤務する「地域限定マネジメントコース」「地域限定プロフェッショナルコース」を加えた4つのコースから選択できる「複線型」の体系に変更しました。これにより、社員が自身の仕事観に合わせたコースを選択してスキルアップや昇級を目指せるようになり、人事制度に対する満足度を高めるとともに、スタッフの定着率と業務遂行力を高め、業務量の増加にも対応可能な熟練スタッフを育成する体制が整ったと考えています。

また、若手人材の育成にも注力できるよう、弊社の営業戦略部門に若手社員の教育担当、業務フォロー担当を設置し、各店舗の状況に応じて柔軟にフォローできる体制を構築しました。これにより、各店舗スタッフの業務負担軽減を図るとともに、若手社員の離職率軽減を図っています。このような取り組みの結果、eNPSは向上し、全ての属性において推奨度が上昇しました。さらに、従業員満足度調査においても、年々満足度が向上しています。なお、「オフサイトミーティング」や「自己申告書」は現在も継続して行っており、eNPSや従業員満足度につながる問題の早期発見と改善に活用しております。

御社ではEXマネジメントを導入して以降、経営的な数値にも効果が出ているとうかがいました。

斉藤氏:定量的な効果としては、離職率の低下と顧客満足度の向上が挙げられます。離職率に関しては、2021年度eNPS調査以前と比べ、調査後に先ほどお話ししたような施策を講じた結果、2022年度には低下しています。また、NPS®︎も年々向上していて、弊社は2021年度から現在に至るまで沖縄県内におけるパートナー企業で1位の実績を維持し続けています。このような結果からも、従業員の働き方を改善してエンゲージメントを向上、やりがいのある人事制度に改善していくことが、結果的にお客様の満足につながることを実感しています。

さらに、その他の効果として、採用活動の強化もあります。琉球新報社主催の合同企業説明会2025にて実施された「就職希望ランキング」では、弊社は上場企業を含む54社のうち、7位にランクインしています。採用ブランディングとしてもeNPSの向上は非常に有効です。

御社のお取り組みはまさにお客様と働く人、そして企業の三方よしのかたちになっていると思います。最後に、経営者としてeNPSにコミットする重要性や、今後へのお考えについてお聞かせください。

斉藤氏:ありがたいことに、現状ではNPS®︎、eNPSともに一定の評価を頂いています。しかし、私としては「今はまだ60点、なんとか合格点の状態」と考えています。eNPSが高い組織は、変化や困難な状況にも柔軟に対応できる強さを持ち、従業員が会社を信頼してくれて一体感をもって課題に取り組むことで、組織全体のレジリエンス(回復力)を高めることができると考えております。先行きが不透明な状況下だからこそ、経営陣は率先して従業員の声に耳を傾け、対話を重ねることで、信頼関係を築き、一体感のある組織を構築することが不可欠です。

これらを実践していくことで、従業員が会社への帰属意識を高め、困難な状況下でも前向きに仕事に取り組み、会社全体で危機を乗り越えることができると考えています。この組織としての一体感こそが、変化の激しい携帯販売業界においてなお、弊社が沖縄県内の代理店として、今日(こんにち)の地位を確立することができた原動力。しかし、まだまだ改善の余地があり、お客様にとっても従業員にとっても、そして会社にとってもよりよい状態にできると確信しています。そのような未来に向かって、努力していきたいですね。

eNPS改善に向けたアクションプランが立てられる支援を推進

光貴のように、沖縄セルラーのパートナー企業各社ではeNPSの導入によって優れた成果を上げる企業も現れ始めているといいます。合同報告会では、パートナー企業各社の経営者が一堂に会し、自社の現在地を知るとともに素晴らしい事例も共有されています。

昨年度、初めて合同報告会を開催しましたが、パートナー企業の方々からはどのような反応がありましたか?

垣花氏:やはり、自社のeNPSの数値が悪くないと考えていた方や、取り組みを進めているのに思うように数値が改善されていない方もいたので、自社の相対的な評価を見てショックを受けられた経営者もいたかとは思います。合同報告会の後に個別でヒアリングをしたところ、改善に向けて注力していく声や実際にすぐアクションに移していらっしゃる企業も多かったです。

先ほどお話をうかがった光貴様のように、モデルケースといえるパートナー企業も増えてきているかと存じます。御社としては今後のeNPS施策にどのような展望をお考えでしょうか?

當眞氏:今後の展望としては、パートナー企業の皆さんにeNPSの重要性を理解していただいた上で、従業員が抱えてる課題を把握し、 アクションプランを立てて改善していける状態になれるように支援していきたいと考えています。昨年度の合同報告会では、従業員エンゲージメントの重要性と調査結果をどのように読み取っていくかがテーマとしていました。次のステップとして、調査結果から出てくる複数の課題に対して、優先的に解決すべき課題を抽出し、どのような打ち手を立てていくのかについて、エモーションテックによる研修を実施しました。

こちらも合同報告会同様、パートナー企業の経営者の方々が集まり、各社グループワーク形式で組織課題や改善施策についてディスカッションを行いました。ワークシートに沿って課題やその原因について議論をしてもらい、最終的にはどの様な施策をいつから実施するかなど、アクションプランまで組み立ててもらいました。

アクションプラン研修は、パートナー企業の方々にはどう受け止められていましたか?

當眞氏:研修後に参加者の方々にアンケートも実施しましたが、とても満足度が高く、パートナー企業の方々の熱量の高まりを感じました。研修中のグループワークでも、どのパートナー企業も従業員の課題について真剣に議論していたのが印象的で、改めてこうした場を設けられて良かったと感じました。

eNPS調査結果を見ながら今後の施策を考えてもらうことによって、データの読み解き方や優先課題の決め方なども、改めて理解を深めてもらうことができました。

弊社の担当営業もグループワークに参加させてもらい、これからどの様な施策を実施していくべきかなどを一緒に議論したことで、パートナー企業と弊社が一体となって従業員エンゲージメントを向上していくイメージもお互いに持つことができました。

最後に、実際に弊社をご活用いただいている中で感じるメリットについてお聞かせください。

當眞氏:サービスを活用していて最もありがたく感じるのは、ただ単に調査を委託し報告書を作るだけではなく、調査の目的やそもそもの課題などを親身にヒアリングしていただけることです。それにプラスして、それをどのように設問に落とし込むのかという段階でも、ただシステム化するだけではなく、今後のアクションを見込んだ設計をしてもらえる点がありがたいです。

そのため、ただプロダクトを提供するだけでなく、担当者が各プロセスで手厚いサポートと専門性を活かした提案をしてくれる点を非常に有益に感じています。最初の目的設定・課題確認から調査の実施、最後のアウトプットまでをすべて把握した上で実行してくれるため、最後までブレずに調査を行えることや、調査・報告のみで終わらず、活用しやすい形にしてくれる点が非常に大きなメリットだと感じています。今後もぜひEXやCX向上のために協力していただきたいと思っています。

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