株式会社サンシャインシティ | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

株式会社サンシャインシティ

左から、
株式会社サンシャインシティ
コミュニケーション部 マネージャー 金子 実和子様
コミュニケーション部 リーダー 大関 眞悠子様
株式会社エモーションテック
シニアコンサルタント 澤井 伸介

お客さまの行動データ×NPS®で、愛着のある街づくりに挑む!アプリを通じた体験向上とファン化の導き方とは?

日本有数のターミナル駅である池袋のランドマーク「サンシャインシティ」を運営する株式会社サンシャインシティでは、アプリ「My Sunshine City」の運用においてNPS®を指標とするため「EmotionTech CX」を導入しました。
NPSとアプリ内行動データの分析結果からアプリを改善し、改善後のNPS調査では「改善により使いやすさが向上」という評価が50%以上得られました。さらに、アプリを通じてユーザーがサンシャインシティに愛着をもてるきっかけとなる行動変容を起こしていることが明らかになっています。なぜアプリ改善プロジェクトの中心にNPSを据えたのか、その背景と成果、今後の展望について、コミュニケーション部の金子 実和子様と大関 眞悠子様に伺いました。

本事例のサマリー

・アプリ改善に向けた仮説の裏付けとなるデータをNPS調査で取得
・NPSとアプリ内行動データの分析結果からアプリを改善し、50%以上が「改善により使いやすさが向上」と回答
・キャンペーンやイベントの参加など、体験向上・愛着につながる行動量が増加

アプリのNPSとサンシャインシティのNPSの相関関係立証が、アプリ推進の後押しに

金子 実和子氏(以下、金子氏):サンシャインシティの最新のイベント情報や各種キャンペーンをご案内したり、店舗・施設で割引が受けられたりする機能を有しているアプリです。
現在の主たるユーザーは、サンシャインシティにお勤めのワーカーのみなさまですが、ワーカーに特化しているわけではなく、今後は徐々に一般の方にもご利用いただけるように開発や情報発信をしていきたいと考えています。

金子氏:大きなきっかけとなったのはコロナ禍です。2020年当時では営業自粛などで施設が営業できない期間もありました。その期間にも毎日サンシャインシティを訪れてくださるワーカーのみなさまに、より池袋に愛着を持っていただき、地域全体を盛り上げていくため情報やサービス提供がしたいという願いからデジタル媒体、アプリというアイディアが浮上しました。
立ち上げ時、そのアイディアを具現化したいと思うメンバーが、部署の壁を超えてアプリ立ち上げのプロジェクトを組み、22年3月末に「My Sunshine City」をローンチしました。

大関 眞悠子氏(以下、大関氏):当時、私はオフィステナントの誘致や契約管理を行う営業部門に所属していました。社会的に出社が制限され、リモート勤務が広がる状況において、サンシャインシティにオフィスを構え続けていただくメリットをいかに感じてもらえるかが重要であったため、ワーカーのみなさまに様々な情報やサービスを提供できる本アプリの開発は意義のあるものであったと感じています。

金子氏:アプリリリース以前、ワーカーのみなさまには「市民証」という紙のカードを提供していました。市民証とは、サンシャインシティの商業・水族館施設などあらゆる施設・店舗でサービスを受けられるカードです。認知度も高く、店舗での利用実態があることはわかっていましたが、各店舗/全体で「何回使われた」以上の、例えばご利用になった方の年齢や性別、ご利用頻度などは何もわからない状況でした。アプリにこの「市民証」の役割を移行することで、顧客一人ひとりのデータをもとに利用状況に応じた情報をお届けすることができると考えました。
会社としても、当時は顧客データを積極的にマーケティングに活かす機会が少なかったため、CRM的な分析を回していくためには一般の方に一度に間口を広げるよりも、私たちにとって身近で接点を持ちやすいワーカーのみなさまにターゲットを絞った方が良いかと考えたのです。

金子氏:「My Sunshine City」の最終的なゴールは、「サンシャインシティへの愛着醸成」です。販売促進のツールではないため、ロイヤルティを測れるNPSこそが重要な数字だと捉え、早い段階で現在地を知るための調査に踏み切りました。エモーションテックから提案を受けた当初は、アプリのNPSとサンシャインシティへのロイヤルティの相関関係に対して、「本当に相関があるのだろうか?」などの不安を拭い切れておりませんでしたが、1回目の調査で「アプリのNPSが高いとサンシャインシティ自体のNPSが高い」という相関が出て、私たち担当者にとってアプリを推進する自信になりましたし、コンテンツを増やすにあたっての社内の協力も得やすくなりました

澤井(エモーションテック):2022年にローンチし、翌年の23年から24年、25年と年に1度のNPS調査を3回ご一緒させていただきました。アプリ改善後の第3回ではNPSが顕著に向上しました。初年度は「割引クーポンのためのアプリ」という認識だったのが、イベント情報が役立っているとか、キャンペーンを楽しみにしているとか、狙い通りアプリを通じてサンシャインシティを楽しんでくださっていることがわかるような結果でしたね。

金子氏:最初の調査ではNPSもあまり高くなく、従来の割引カード「市民証」に関するコメントがほとんどでした。この数字が現在地だと捉え、その結果から改善案を考えて、開発に反映させて、開発したものをまた調査して、というサイクルがちょうどよくできてきました。このサイクルは、アプリを一般の方に広げたあとも応用できるものだと思います。

「KARTE」で取得しているアプリ内行動データとNPSを紐づけて示唆出しをし、改善提案ができるのがエモーションテックの強み

また、「EmotionTech」のジャーニーマップ分析は、NPSへの影響度が高い課題が何かがわかりやすく出そうだなという感覚がありました。

金子氏:はい、ジャーニーマップ分析から伸び代を見出すことができました。ジャーニーマップ分析は、社内でも納得感を持って捉えられ、ネクストアクションに繋げやすかったです。一つ一つの分析も詳細で中身が濃く、勉強になりました。

大関氏:出していただいた分析レポートの利用は、アプリの改善に留まらず、各店舗にも展開し販促施策の検討等に活用しました。例えば、昨今の物価高の影響もあり、ランチに関しては「1,000円以下にしたい」という価値観をお持ちの方が多いという分析結果を踏まえ、店舗がクーポン内容を改良した結果、利用の大幅増に繋げることができました。

金子氏:そうした取り組みの結果、サイトの閲覧、クーポンの利用が増え、店舗によってはスタッフの手が足りなくなるほどの効果が出たと聞いています。サンシャインシティとして、店舗の認知拡大や運営に対して少なからず貢献できたと感じています。

金子氏:そうですね。加えて、24年の調査の設計でもエモーションテックの大きな価値を感じました。
その頃、少しずつアプリの位置付けが、従来の割引サービスを受けるためのアプリから噴水広場や展示ホールのイベント開催情報などが得られるアプリとして変わりつつありました。しかし、サンシャインシティにはもっとたくさんのコンテンツがありますし、役立つ情報をまだまだお伝えしきれてはいないということは、分析結果からも明らかでした。そこで、情報をもっと伝えられるようにUI/UXを変えていこうという話になり、エモーションテックさんにご相談したところ、すぐに「であれば、1回目の調査の形を一部残しつつ、改善に必要な調査項目を取得しましょう」と項目の検討をご提案いただきました。

大関氏:私もその項目検討をご一緒させていただきました。その結果、ユーザーの活用促進を妨げるペインを洗い出せ、アプリのインターフェースを大幅に改善するに至りました。
課題となっていたのは「情報の探しやすさ」です。改善前のUIではファーストビューで表示されるキャンペーンの件数が少なく、埋もれてしまっていたので、キャンペーン、ショップ、レストラン、イベントといったようにタブで分けて表示するようにしました。この改善によりキャンペーンの応募数も大幅に伸び、結果としてUXも向上させられたのではないかと考えています。

(アプリ画像提供:サンシャインシティ)

金子氏:改善直後に、担当コンサルタントの澤井さんから「変わりましたね!」とご連絡いただけたのも嬉しかったです。調査期間外も、私たちの取り組みを見守り続けていただけているんだなと。

澤井:改善後のUIをひと目見て、お客さまの声を改善に活かしているとわかる変化でした。私たちはNPS調査と分析の部分を伴走させていただいているので、分析結果のご報告後にみなさまが検討される具体的な改善内容や施策の具体は存じ上げないのですが。

50%以上が「改善により使いやすさが向上」と回答。ユーザーの行動変容から愛着の向上を実感

金子氏:改善に活かすために大切なのは、「仮説」を持って設問設計をすることだと考えています。どこをどのように改善するのかを探るために調査をするのではなく、CX向上につながると私たちが考えている仮説の裏付けをとるために調査をしています。
調査の結果は8割方は想定通りですので、ユーザーから「使いやすさが向上した」と評価いただいた改善も、改善前から数値は上がるだろうと見越していました。

その上で、エモーションテックには、社名の通りユーザーの「エモーション」部分を深掘りする調査設計の支援を期待していました。アンケート回答者の価値観をどれだけ深掘りできるかで、行動データとかけ合わせたときの「なぜ」がより明らかになると考えていましたので。そこを非常によく理解した上で設計のご支援をしていただいたと思っています。

澤井:ありがとうございます。期待にお応えできる設計ができたのは、やはりみなさまが本気でCXを良くしたいと考え抜いたうえでの仮説があったからだと思います。調査側の意図が不明確だと、実際に得られる回答と求めている回答のニュアンスにズレが出てしまいますから。その点で非常に設計をチューニングしやすかったです。

大関氏:仮説検証の調査が24年4月、その結果をもとに改善を行い、25年6月には改善に対してユーザーはどう感じているのか効果検証をする調査をしました。厳しいお声がほとんどなく、50%以上の方が「使いやすさが向上」と回答してくださっていたのは、ユーザーのエモーションを掴む的確な調査設計があったからこそだと思っています。

金子氏:ありがたいことに、アプリ自体のNPSだけでなく、改善項目として「この項目の評価が上がればいいな」と目標として据え置いていた項目も軒並み上昇していました。

金子氏:行動データにもユーザーの変化は顕著に表れました。お知らせを閲覧する回数やキャンペーンの参加率などが飛躍的に上昇しています。特にキャンペーン参加率は、昨年15%だったものが23〜26%になっていました。アプリご利用者の4分の1が参加してくださっているということになります。
サンシャインシティを好きになっていただきたくて企画・実施しているキャンペーンの認知が伸びているのは、アプリの大目的である「愛着を持っていただく」につながる結果だと捉えています。自由記述のコメントでも好意的なお声が多く、嬉しかったですね。

大関氏:ユーザーの行動や生活に入り込めるよう、お客さまに主体的に動いていただくアプリ連動企画も実施しています。館内のニッチな場所にスタンプを設置し、アプリでスタンプを集めていただくスタンプラリー企画や、サンシャインシティにまつわる川柳を募集する企画など。オンラインとオフラインを掛け合わせることで、より関係性・コミュニケーションを深めていきたいと考えています。

NPS×行動データに基づくPDCAサイクルでより良いアプリへの進化を目指す

金子氏:「My Sunshine City」というアプリ名には「My(私の)」とついています。改善で、ユーザーのお一人おひとりが自分向けであると感じた情報をお気に入りとしてストックできるような機能も実装しました。ユーザーのお気に入りを私たちが可視化できると、お気に入りがついていない場合に露出の仕方などを検討する材料にもなりますし、ユーザーからはこのイベントやニュースが注目されているんだということが見え、体験を広げるきっかけにもなります。
来年(26年)には、一般の方もアプリのターゲットとして門戸を広げていく段階になります。先日、そのための今後の改善に向けたアイディアソンを開催したところ、ユーザーの要望と現実に基づいたアイディアが非常にたくさん出ました。NPSと行動データをかけ合わせた分析結果をベースにしていたからこそ、アプリユーザーのペイン(課題)をどうやってゲイン(利益)にするかを捉えながら検討できました。
引き続き、NPS×行動データを軸に、よりユーザーお一人おひとりの生活に寄り添えるアプリとして改善し続けたいと思います。

大関氏:これまでに3回、仮説を確認するためNPS調査をし、改善をくり返してきました。NPS調査は、アプリをどんどんブラッシュアップするきっかけになっていますし、アプリの発展は、少なからず愛着強化につながっているという実感があります

金子氏:コロナ禍を経て、再びサンシャインシティに活気が戻り、館内にいらっしゃるみなさまが楽しくお過ごしになられている様子を見て、これが我々が提供していく「場」の価値だ、これが我々の源だと実感しています。

こうしてエモーションテックに伴走いただきながら、定期的に声を取得し、ユーザーの行動データとかけあわせ、ネクストアクションに繋げられる体制が整ってきたことで、改めてPDCAサイクルをきちんと作り、改善を重ねていくことの大切さと楽しさに気づかせていただきました。
表面的なアンケート調査と違い、「どういう感情になっているか」を知るための調査設計は非常に難しいと思います。澤井さんをはじめエモーションテックのチームのみなさんが、自分ごととして捉えて向き合ってくださったおかげと感謝しています。ぜひこれからも伴走していただければと思います。

澤井:ありがとうございます。CXマネジメントサービスを提供している会社として、お客さまの取り組みを自分ごと化することはもっとも大切にしたいと思っている点ですので、そこを評価いただけたのは嬉しいです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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