株式会社ポニーキャニオン | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

株式会社ポニーキャニオン

(写真右)檀原由樹さま(株式会社ポニーキャニオン/経営本部/経営企画部経営企画グループ/マネージャー兼働き方改革推進室)
(写真左)森ひとみさま(株式会社ポニーキャニオン/人事総務本部/人事総務部/マネージャー兼働き方改革推進室)

従業員エンゲージメントの調査結果を全社にオープン。 透明性と伝える努力で全社を巻き込む、 ポニーキャニオン式の「働き方改革」とは?

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エモーションテック 編集部

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音楽・映像映画配信、コンサート事業、書籍の出版、海外展開、自治体ビジネス、VR事業など、新たな事業に挑戦し続ける総合エンタテインメント会社、株式会社ポニーキャニオン。今回はそんなポニーキャニオンの従業員向け施策(EX)をたっぷり取材しました。

従業員のエンゲージメントを向上させる第一歩は“改善すべき従業員体験”を知ることから

―これまでの従業員向け施策(以下、EX施策)のお取り組みを教えてください。

檀原氏:
ポニーキャニオンでのEX施策が本格化したのは、2018年に成立された「働き方改革関連法案」がきっかけでした。ちょうどその少し前から、就業規則や給与・評価制度を働き方改革の観点から考える「働き方改革推進委員会」というプロジェクトチームが発足しまして、このプロジェクトが現在私たちが所属する「働き方改革推進室」の前身となるチームとなっています。

発足当時、一般的なアンケートフォームを用いた調査等は実施していましたが、本格的な従業員エンゲージメント調査と言える程のものではありませんでした。
制度改革などを進めていくにあたって、社内の課題抽出や各施策の効果検証などを定量的に測りたいと感じ、エンゲージメント調査を本格的にやっていこうという流れになりましたね。

―数多ある従業員エンゲージメントサーベイの中から当社サービスを導入した「決め手」は何でしたか?

檀原氏:
エモーションテックの従業員体験マネジメントサービス「EmotionTech EX」 (旧:EmployeeTech) を導入したのは、2019年の夏頃からです。いくつもある従業員エンゲージメントサービスの中から最終的に選んだ理由は「どの従業員体験が改善されれば、従業員エンゲージメントが向上するのか」ということが、すぐに分かるからでした。

例えば従業員に「現在の給与に満足していますか?」と尋ねて、どれくらいの人が「満足していて」どれくらいの人が「満足していない」かという事が分かるのが、一般的な満足度調査かと思います。一方「EmotionTech EX」は「給与制度を改善する必要性がどれくらいあるのか」が分かります。

「もっと給与が上がれば良いな…」と思っているから「満足していない」と回答したけれど、だからといって給与がエンゲージメントを損ねている直接的な原因になっているわけではない ということがあるんですよね。
「EmotionTech EX」だと、エンゲージメントの向上に関係している体験や、逆に低下させている体験が何かが分かるので、これが大変魅力的に感じて導入することに決めました。

―これまでの調査内容について教えてください。

檀原氏:
弊社では半期に1度のペースで全社員を対象としたエンゲージメント調査を行っていて、これまで2度調査を実施しました。

従業員エンゲージメント指標であるeNPSを計測するために「あなたはポニーキャニオンという会社で働く事をどれだけ親しい友人や知人におすすめしたいですか?」と尋ね、更にエンゲージメントを構成する従業員体験を「仕事」や「人間関係」等の項目ごとに尋ねる、というものです。

森氏:
手前味噌ですが、弊社は風通しの良い社風という事においては定評がありましたから、
「人間関係」に関する体験はマイナスに働くことはないだろうという見立てていました。
実際、調査結果もその通りに出てほっとしたことを覚えています(笑)

一方で意外だった発見がありました。
それは「世代間を超えた関係性や、横のつながりを求めている」という事実です。

サークル活動への参加や、飲みにケーションの機会も少なくなっている現代において、
まさかみんなの心にそのような想いがあったとは!と、驚きましたね。

予想外の調査結果から社員目線の全社イベントが誕生。若手のエンゲージメントが23ptも上昇。

―調査から意外な事実が見えてくる。これは非常に面白いですよね。調査結果から、具体的にどのようなことをされましたか。

森氏:
調査から分かった結果を踏まえて
「全社員が楽しく参加出来るイベントを開催してみよう」ということになりました。

元々弊社では、人事・総務主催の公式な全体総会的なイベントはありました。でも今回企画したかったのは、調査結果から改善が必要と出ていた「横の連携」と「縦の連携」を強固に出来るイベント。なので、社員目線のもので作れたら良いな、と思っていたんです。

そこで、社員会(※)の皆さんに協力してもらって主催者となってもらい、社員目線のイベントの企画・運営をしてもらいました。
※ 社員会…ポニーキャニオンには、労働組合がない代わりに「社員会」というものが存在する。各部署を代表して選ばれたメンバーで構成されている。

そのイベントの様子がこちら。ご覧の通り、大盛況で・・・!(笑)

社員会による全社イベントの様子

弊社はもともとイベントを創出する企業でもあるので、みんなの創意工夫が凄く垣間見えました。このイベントの成功がきっかけで、年始には餅つき大会なんかもしたり…。

檀原氏:
より社員同士の繋がりが生まれるよう、あえて他部署同士・世代も様々になるようなチーム構成にも工夫していました。こうした取り組みで横のつながりが実感できる効果があるということも調査結果から分かった事実です。

社長や役員にまつわる、面白いクイズ等も出したりして…(笑)イベントが終わった後も、そのときのチームで飲みに行くなんてことも起きていました。
調査結果を読み解くことで、施策の効果検証ができ、さらに良い施策を生むきっかけになっているのはとても嬉しいことです。

森氏:
その後、1回目と同様の調査を行ったのですが、2回目に実施した調査では若手社員のエンゲージメント(eNPS)が23ptもアップしていたんです。施策の効果もちゃんと出ていることが確認出来て、これには驚きましたよ(笑)

「透明性」と「納得感」が全社を変革する改善施策を育てる

―調査結果が全社イベントを生むきっかけとなるとは、嬉しいですね。全社を巻き込むコツはありますか。

檀原氏:
全社を巻き込むキーワードは、「透明性」と「納得感」だと思っています。
従業員向けの調査って、ともすると人事部が主導者となって聞きづらいことを調査して、会議室に集まり、結果を見て、対策を講じて…というように、少しジメッとした印象があるじゃないですか(笑)

でも弊社は少し違っていて、
むしろみんなに調査結果を共有してしまおうというスタンスを取っています。

もちろん、結果を共有するには「全員に正確に伝わるような工夫」もしていく必要があります。これまで行った調査の後は説明会を開催しましたし、参加出来なかった方にも伝わるよう映像も作りました。それを社内イントラネットに共有して、いつでも誰でもが見られる状態にしています。

eNPSってそもそも何だろうとか、
「EmotionTech EX」の分析結果の見方も初心者には難しいことも考えて解説付き映像も作りました。

森氏:
透明性を続けていると、良いことが起きます。
まず、新しい施策に対する社員の皆さんの納得感が高くなるんですね。

これが仮に、一部の上層部の人たちの間で決定したことだとしたら、どうでしょう。
一部の人たちからは、反発が生まれるかもしれません。
でも、全社員に調査した上で、このような結果になったのでこういう新しい施策をしますと説明すれば、従業員の皆さんは「協力しようか」という気持ちになってくれるんですよね。

コロナ禍に「テレワーク調査」を実施。ニューノーマル時代の働き方を考えるきっかけに。

―コロナ禍で、テレワーク調査も実施されていましたね。実施の経緯を教えていただけますか。

森氏:
弊社では、もともと2020年東京オリンピック・パラリンピックの交通混雑緩和や自然災害などの不測の事態に備え、テレワークの必要性を見据え「テレワークデイズ2019」に参加していました。
そのためコロナの影響で突然テレワークにならざるを得なくなっても、他社と比べればスムーズにテレワークに移行することが出来た、と言えます。

檀原氏:
とはいえ、全社的なテレワークは初めての経験ですから、今みんなの働き方や生産性ってどうなっているのか、今どんな事で困っているのだろうかという不安はありましたね。

そんな中、エモーションテックから「テレワーク調査をしないか」とご案内をもらって。
テレワーク中の生産性やテレワークという働き方の課題点を浮彫りにするための調査と聞き、是非やってみようと思ったわけです。

―テレワーク調査から分かったことは、どんなことでしたか?

檀原氏:
テレワークによって「オフィスでの業務時よりも生産性が下がった」という声はほとんど無く、むしろ「出社を前提としない働き方を今後も継続したい」という意見が多く上がりました。

しかしそれ以上に大事なことは、社員の意見を様々な角度から見ていくことだと思っています。「テレワークを推進したい」と思う方もいれば、「テレワークはあまりしたくない」と思っている方もいますよね。業務内容や在宅環境など、それぞれの意見には必ず理由や背景があります。

全体の数値だけではなく、それぞれにどういった傾向や課題があるのかを属性別に深堀って見ていくことが、このような調査では重要だと思っています。

今回の調査結果を様々な観点から分析して、今まさに策定中の「新たな働き方制度」にもちゃんと反映させていこうと考えています。

―最後に、「EmotionTech EX」を通して挑戦してみたいことがあれば教えてください。

森氏:
これまで人事という立場で学生たちに社風について質問された時、「ポニーキャニオンは人間関係での悩みが少なく、人が良いですよ」という感じで伝えてきたのですが、自分で言う時に違和感と言うか、気持ち悪さみたいなものをずっと感じていて(笑)

でも従業員エンゲージメントの調査をしてからは、客観的なデータとしてわが社の社風を学生に伝えられるようになりました。採用広報上の指標に使えるとは考えてなかったので、これは思わぬ恩恵でした。
今後も従業員エンゲージメント調査を通して、従業員の声に向き合いながら、良い社風づくり、働きやすい会社を目指していきたいと思います。

檀原氏:
今後も「透明性」と「納得感」を大事にしながら、従業員エンゲージメントの向上に努めていきたいと思っています。このシステムは、エンゲージメント調査以外にも施策の効果測定などにも応用出来そうなので、今後もいろいろな活用方法を試していきたいと思っています。

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