株式会社マイナビ | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

株式会社マイナビ

株式会社マイナビ様
事業推進統括事業部 新卒紹介事業推進部 事業推進課
課長 酒井芳浩様(画像右)、同課 國井サラ様(画像左)

「人生に一度だけ」の選択に接するサービスだからこそ、顧客体験の解像度を上げていく必要がある。マイナビ新卒紹介が取り組むCXマネジメント

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エモーションテック 編集部

NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。

「一人ひとりの 可能性と向き合い、未来が見える 世界をつくる。」をパーパスに掲げ、日本の人材業界をけん引する株式会社マイナビ。そのような同社が新卒採用向けエージェントサービスとして展開するのがマイナビ新卒紹介であり、近年急成長を遂げています。

同サービスでは、学生や企業が求めるサービスのあり方を改めて見直し、サービスブランドを再構築するために顧客体験マネジメントサービス「EmotionTech CX」を導入し、顧客体験(CX)の改善に取り組んでいます。

プロダクト導入の背景やマイナビ新卒紹介が目指すCXマネジメントのあり方などについて、同社事業推進統括事業部 新卒紹介事業推進部 事業推進課 課長の酒井芳浩様(以下、酒井氏)、同課 國井サラ様(以下、國井氏)にお聞きしました。

本事例のサマリーと成果

導入前の課題
・新卒採用エージェント市場の成長に伴い、サービスのブランド再構築が求められた。
・サービスブランドの再構築にあたり、顧客がサービスに何を求めているのかを明確にするため、CXマネジメントに取り組む必要性を感じた。

導入プロセス・施策
・マイナビ新卒紹介でのCXマネジメントのマイルストーンを設定し、同社就職媒体での使用実績をもとに「EmotionTech CX」を導入。
・当初全体での調査結果を共有していたものの、現場での理解や「自分ごと化」に課題があった。
・組織単位にデータを加工したレポートを共有したところ、現場の関心度が向上。一方で、組織規模や担当者のリソース不足に懸念があった。
・エモーションテックからの提案により、2023年1月から「CX Summary」(※)β版を試験導入。10月からは本格導入を決める。

導入後の成果
・「CX Summary」の導入により組織単位でセグメントしたレポートを同一フォーマットで共有。社内チャットツールの「NPS®︎」に関する投稿数が導入前後で220%増加。
・現場でのCXマネジメントの理解度や関心が向上し、全体としての「自分ごと化」に成功した。

(※)CX Summaryとは
全社でのCXマネジメント活動を加速するための機能。顧客アンケートの結果を組織ごとのわかりやすいサマリーレポートにまとめて届けることができるというEmotionTech CXの機能の一つ

 

早期化する新卒採用市場でニーズ高まるエージェントサービス

事業推進統括事業部 新卒紹介事業推進部 事業推進課 課長 酒井芳浩様

まずはマイナビ新卒紹介でEmotionTech CXを導入した経緯についてお聞きします。どのような背景や課題があり、導入したのでしょうか?

酒井氏:近年、新卒採用向けのエージェントサービスは大きく規模を拡大している市場です。マイナビ新卒紹介もその波に乗って大きく成長しています。一方で、組織としてもある程度の規模になり、サービスに携わるメンバーも増えてきた段階で「お客様が私たちのサービスに何を求めているのか」を改めて考え、サービスブランドを改めて構築していく必要が出てきました。

そのタイミングで、元々別の就職媒体でもEmotionTech CXを利用していたので、CXマネジメントの視点からサービスを見つめ直すために、導入したのが経緯となっています。

マイナビ新卒紹介の中でNPS®︎調査の導入当初の狙いはどのような点にあったのでしょうか?

事業推進統括事業部 新卒紹介事業推進部 事業推進課 國井サラ様

國井氏:大きくは2点あります。1点目は先ほど酒井からお話しした通り、サービスブランドを改めて構築し、サービスを次のステップに進めていくことです。そのためには、お客様がサービスを利用する上で何を求めているのか、その際の顧客体験はどうあるべきかをしっかりと明文化していくことが必要だと考えました。

2点目は、売上の向上です。弊社の他媒体でのEmotionTech CXの導入実績から、CXの改善が売上や収益性と相関があることがわかっていたので、マイナビ新卒紹介でも採用させていただきました。

近年では新卒採用も目まぐるしく変化していると聞きます。現在の新卒採用市場の傾向を教えてください。

酒井氏:近年、新卒採用市場全体で就職活動が早期化している傾向にあります。現時点(2024年5月)での2025年卒の大学生、大学院生の内々定率は74.4%(※)で、前年比で12.3ポイントも上がっています。そのため、マイナビ新卒紹介のサービスとしては早い時期から相談ベースで利用を開始する就活生が増えている傾向です。

(※)キャリアリサーチLab 大学生活動実態調査 2025年卒 大学生 活動実態調査 (5月)
https://career-research.mynavi.jp/post/reserch_cat/gakusei-katsudojittai/

要因としては、就活解禁前のいわゆるプレ期間でインターンシップに参加する学生が増加するなど、就活より先に学生と企業の接触が増えたことが考えられます。そのような活動を行った上で3月から実際に就職活動に入るため、早期に内定をもらえる就活生が増えたのが現状です。

内定の早期化に伴い、就活生に大きなプレッシャーがあると思います。そのような中で、エージェントサービスとしてCX改善に取り組むことにはどのような意義があるとお考えですか?

酒井氏:学生さん向けのアンケートの中で、マイナビ新卒紹介を利用するきっかけ」を聞いています。その結果を見ると、最初は自分だけで取り組んでみたものの、就活が進む中で思い悩むところが多く、キャリアアドバイザーに相談したいという動機が多いことがわかっています。

冒頭にお話しした通り、新卒向けのエージェントサービスは近年急速に市場が拡大した領域です。私自身は16年卒ですが、当時はまだ馴染みのないサービスでした。現在では選択肢の1つとして考慮されるほどには、就活生へのサービス認知も上がってきています。

新卒での就職活動は、人生で一度きりのファーストキャリアを選ぶ非常に重要なポイントです。マイナビ新卒紹介は、そのような人生の大事な局面に接するサービスです。だからこそ、就活生に対してどのような顧客体験が重要なのかについては、しっかりと解像度を上げてみていく必要があると考えています。

CX向上の重要性を浸透させる施策とリソース不足のジレンマ

マイナビ新卒紹介はエージェントサービスであり、企業と就活生のいずれもCXを向上させていく必要があります。NPS調査は具体的にどのように実施しているのでしょうか?

酒井氏:就活生向けには初回面談後、面談15日後、内定ご承諾後のタイミングで実施しています。企業のお客様に関しては、新卒採用のサイクルがある程度定まっていますので、年度単位でサービスの利用が終わったタイミングで毎年1回実施しています。現在で実施3年目となり、大枠に関しては経年比較のために同じ形をとっていますが、調査の設問についてはエモーションテックの担当者とも相談しながら少しずつブラッシュアップしています。

現在、CXマネジメントを導入する企業は徐々に増加していますが、一方で組織全体にCXマネジメントの重要性を浸透させることに課題感を持つ企業が多いです。組織全体への認知・浸透面で課題はありましたか。

酒井氏:まず、情報が社内の各レイヤーに伝達されていく過程の中で、情報の濃度がどんどん薄まっていっている印象がありました。 

もう1点は、現場と事業を推進する立場とでは、目標やサービスに対しての捉え方に違いがあります。現場として自身の目標やKPIも大切な指標になりますので、そのような中でCXの重要度を伝えていくことには難しさを感じていましたね。

そのような課題に対して、どのような施策に取り組みましたか。

國井氏:現場への浸透を第一に考え、組織単位で加工したレポートを作成し、共有することにしました。すると、事業部全体のデータを共有するよりも、現場の関心度が高くなりました。

やはりCXマネジメントの重要性をしっかりと浸透させるためには、自身が所属する組織でどのような課題があるのかを明示した方が自分ごと化につながり、うまく浸透していきます。そのため、より身近でわかりやすいデータを示すことが必要だとわかりました。

そのような中、マイナビ新卒紹介では2023年1月から「CX Summary」のβ版を試験導入し、10月から本格運用を開始しています。CX Summaryの導入にはどのような経緯がありましたか。

酒井氏:組織単位で加工したレポートが現場浸透にとって重要であるとはわかったのですが、現状の事業部の規模や組織の数を考えると、これを継続していくには、マンパワーが不足していることが課題となりました。

どのように取り組んでいくべきかを考えた時に、エモーションテックから提案していただいたのが、CX Summaryの試験導入でした。

CX Summaryは、実際のデータの中から各エリアのデータを抽出し、サマリーを出力できると聞き、非常にメリットに感じ導入を決めました。

CX Summaryの導入で現場の改善意欲が目に見えて改善

マイナビ新卒紹介ではCXマネジメントにゴール設定をしているとお聞きしました。具体的に、どのようなマイルストーンを達成するために、CX Summaryを導入したのでしょうか。

酒井氏:事業部として設定しているCXマネジメントのマイルストーンは主に3つあります。1つめは『NPSによってキャリアアドバイザーに求められる行動指標が明文化されている状態を目指す』。2つめは『NPSの重要性というものを現場が認識をして、自組織の状態を理解できている状態』。3つめは『ゴールとなるNPS課題を現場が認識をし、改善に向けて自走ができる状態』です。

1つめの行動指標の明文化はEmotionTech CXの導入である程度できていたので、CX Summaryでのファーストステップは、まず現場に対してCXマネジメント自体に興味関心を持ってもらうことを目標にしました。そして、興味を持ってもらったメンバーが、お客様のCX改善に向けて自走できる環境を作っていくことを次の段階としています。

CX Summaryを導入して以降、現場でのNPS調査の理解度やCX改善への意識にどのような変化がありましたか。

酒井氏:現場の中でCXへの関心度が格段に高まったと感じています。 社内で使っているコミュニケーションツールを検索してみると、NPS調査やCXに関連するワードが頻出するようになり、現場が主体的に発信する機会が目に見えて増加しています。また、私がいる東京オフィスに勤務する現場のメンバーがCXについて議論する声も聞こえるようになってきました。

(提供:株式会社マイナビ様)

そのような変化が生まれた要因として、CX Summaryにはどのようなメリットがあると感じましたか。

酒井氏:NPSやCXマネジメントを現場へと浸透させる時、現場にとって聞き慣れない用語が多く、データをどのように読み解けばいいのかわからないことがネックになると思います。 CX Summaryの場合は、データがわかりやすく抽出され、各組織がより自分ごと化しやすいフォーマットに加工された上で見られるので、実際に現場への浸透が進んだこともあり非常にメリットに感じました。

また、CX Summaryは、マイナビ新卒紹介のサービスとして現場ではどのような動きをすべきで、それに対して現在の自組織がどのような状況かが、マトリックス上で可視化されます。そのため、重要度は高いが自分たちの組織ができていない項目などを管理職だけでなくメンバー単位で理解し、改善意識を持てる環境が整ったことは非常にありがたいと思っています。

現状では、マイナビ新卒紹介でのCXマネジメントはどのようなステータスになっているとお考えですか?

酒井氏:各現場が自分たちの持つ課題を理解していて、NPSの重要性もある程度理解してくれている状態に至っています。ネクストアクションとしては、CX向上に対して自分たちがどのような行動をすべきかを考え、改善行動を自走で取り組めるようになると、ステークホルダーに対してより良い顧客体験を提供できるサービスになっていくと考えています。

エリアごとのセグメントで現場の関心度を一段階上げていきたい

マイナビ新卒紹介では、今後CXマネジメントをどのようにアップデートさせていきたいとお考えですか?

酒井氏:CXマネジメントの観点から見ると、現状は全体の傾向と、組織ごとの状況が可視化されている状況です。今後は、もう少し別の切り口からも見ていくことで、顧客解像度が上がっていくと考えています。

例えば、マイナビ新卒紹介は新卒の就活生向けのサービスなので、サービスを利用する時期によって就活生が持つ課題や、利用しようと思った動機も異なります。就活初期の自己分析のタイミングで何をしていいかわからず、相談したいと思い利用を始めた学生もいれば、ある程度業界を絞っているが応募したい企業が見つからない学生もいます。さらには、キャリアアドバイザーとともに面接対策をしたいと思って利用を開始する就活生もいます。同じサービスを使っても、入り口の悩みは多種多様です。

そういった切り口で見ていけば、それぞれの悩みを持つ就活生に対してどのような顧客体験が重要で、提供していくべきかを深く理解できます。そして、学生の想いと実際のサービス提供をセグメントごとにもつなげていく取り組みを推進すれば、マイナビ新卒紹介はより良いサービスになっていくと考えています。

今後マイナビ新卒紹介がより成長していくにあたり、CXマネジメントで課題に感じている部分はありますか?

酒井氏:新卒学生向けのエージェントサービスの難しい点は、初回面談での満足度がそのままサービス継続利用につながらないことです。満足度と継続利用との相関は確かにありますが、100%にはなりません。話を聞いてもらって満足し、「あとは自分で頑張ります」と離れてしまう就活生は一定数存在します。初回面談での満足度は、サービスのCSR的な意味合いとして大切なものですが、ブランド力やサービス規模を上げるためには、サービスの継続利用につながる工夫が必要です。そのための最適な顧客体験を分析し、実現する必要があると考えています。

そのようなサービス改善を実現するために、エモーションテックのサービスにはどのような点を期待していますか?

酒井氏:エモーションテックの方々には、私たちが実現したいことを高レスポンスで対応いただいており、とてもありがたく感じています。現在、担当者と相談を進めているのが、CX Summaryを活用し、エリア特性をより深掘りしていくことです。

國井氏:現状では、事業部全体の傾向と、それに対して自組織の状況が結果として出るような仕様になっています。しかし、新卒領域の特殊性かもしれませんが、地域によっては「地元で働きたい」や「県単位ではなく特定の市町村で働きたい」といったニーズが高くなります。有意なデータを取るためにはある程度n数が必要ではあるものの、エリアに対しての重要度と現状をマトリクス上で可視化できるようにしていければと考えています。

また、マイナビ新卒紹介では現在全国に11拠点展開しています。このような拠点ごとでも地域柄の違いは見えてきているので、現状の全国単位での状況と自エリアの状況の双方が見えるようになれば、現場の関心度ももう一段階上がっていくと思います。

最後に、実際にEmotionTech CXやCX Summaryを導入・ご活用いただいている中で感じるメリットについてお聞かせください。

酒井氏:エモーションテックが提供するプロダクトの一番の魅力は、お客様がサービスを利用する際に私たちがどのようなアクションを起こし、どのような点を魅力に感じてサービスに満足いただけたのか、または満足いただけなかったのかが可視化されることです。CS(顧客満足)に関しては自社でも取れる領域ではありますが、最終ゴールとして顧客満足が高い状態にしていくためには、どのようなカスタマージャーニーをデザインする必要があるのかは自社だけで策定することが難しいです。

EmotionTech CXやCX Summaryは、そのようなカスタマージャーニーのラインを可視化するだけでなく、サービスの改善としてどのような行動をとっていくべきかの示唆も与えてくれるものです。今後も両プロダクトの運用によって、マイナビ新卒紹介をより良いサービスにしていきたいと考えています。

國井氏:先ほど酒井が話した内容と似ている部分もありますが、NPSスコアやサービスの評価向上にどのような行動が重要なのかは、地域や統括事業部ごとに異なります。また、就活生が求めている将来のキャリア像も多様化している中で、CXマネジメントに取り組む難易度も上がっていると感じています。そのような中で、EmotionTech CXやCX Summaryによって顧客体験が可視化され、そこから得られた示唆を事業部全体に共有できるのは非常にメリットに感じています。現状、事業部全体でCXへの認知・関心度は高くなりました。これからの目標は『ゴールとなるNPS課題を現場が認識をし、改善に向けて自走ができる状態』です。より良いCXを提供し、就活生と企業双方がより良い未来を実現できるサービスとなるよう、今後も改善に取り組んでいきたいですね。

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