製薬業界NPS®調査レポート2024
更新日:2024.12.09
梅川 啓
2020年にエモーションテックに参画。
CXコンサルタント、事業企画部門を経て、2022年末
よりマーケティングチームに従事。
調査概要
- 調査対象者:医師専⽤コミュニティサイトMedPeerの登録会員のうち処方による治療を行っている医師
- 調査期間:2024年10月2日~2024年10月4日
- 調査方法:Webアンケート
- 有効回答数:3,626件
調査結果サマリ
- 製薬企業の薬剤NPSは昨年比でほぼ横ばい
- 薬剤NPSへの影響度の経年比較からも、デジタルチャネルは重要になっていると考えられる
- 特に「担当MR」「オウンドメディア」は昨年に比べて影響度が高まっている
調査結果の概要
製薬企業全体の薬剤NPSは昨年比でほぼ横ばい
昨年2023年の調査結果と比較すると業界全体として前回より1.7pt増加、ほぼ横ばいという結果となりました。
一方で製薬業界NPSを取得しはじめた2020年は20.2%であり、5年間で9.0%も推奨者(ロイヤルカスタマー)が増えていることがわかりました。
疾患領域別のランキングでは、循環器系疾患、呼吸器系疾患、神経系疾患の3領域において新薬や適応追加が確認された企業が1位を占め、特に呼吸器系疾患領域ではこの1年で新薬の上市や適応追加をした企業が上位3位を独占しており、新しい治療への期待が現れている可能性が伺えました。
薬剤NPSへの影響度の経年比較からも、デジタルチャネルは重要になっていると考えられる
薬剤NPS(≒薬剤推奨度)と今後の処方意向には有意な関係が確認され、薬剤推奨度が上がるほど、今後の薬剤処方意向が高まる傾向が確認されました。
その中で、2022年(第3回)、2023年(第4回)、2024年(第5回)では、薬剤NPSへの影響が大きいチャネルTOP3は「医療情報メディア」「担当MR」「講演会(オンライン)」が占めるという結果になりました。
医師にとってもデジタルチャネルでの情報収集はスタンダードとなっており、製薬企業のデジタルチャネルを介したアプローチは欠かせないものになっていると考えられます。
「担当MR」「オウンドメディア」における影響度増加の傾向
薬剤NPSに影響を与えるチャネルを数値で比較してみると、昨年と比較して「担当MR」と「オウンドメディア」の2つが特に影響度が大きくなっていることが示されました。
昨年の調査では、デジタルチャネルによる情報提供が医師の処方変更にも寄与していることがデータからも明らかとなりましたが、デジタルチャネルが重要なタッチポイントとして定着しつつも対面でのコミュニケーションへの期待が高まっていることも示唆された結果となりました。
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