エモーションテック 編集部
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目次
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顧客体験を改善する機会を見つける
顧客体験とは、商品・サービスの認知、購入・利用、そしてアフターフォローといった顧客による一連の体験のこと。顧客に継続して購入・利用してもらうには、一連の流れを通して顧客に高い価値(ロイヤルティ)を感じてもらわなくてはなりません。そこで重要となるのが顧客体験の改善です。
NPS改善に効果のある顧客体験の特定
顧客ロイヤルティの向上には、NPS調査が効果的です。しかし、NPS調査だけでは顧客ロイヤルティを向上させるヒントを得ることはできません。なぜなら、顧客体験の何を改善すれば顧客ロイヤルティが向上するかがわからないからです。
商品の機能性を向上させることで、ある程度、顧客ロイヤルティが向上するかもしれません。しかし、それ以上にアフターフォローの対応が悪いことに不満を持っている顧客が多ければ、最終的に顧客ロイヤルティは下落してしまうでしょう。
適切に顧客ロイヤルティを向上させるには、「どの顧客体験を改善すればよいのか」の特定が欠かせないのです。
関連記事:
NPS®とは?顧客満足度との違い・質問方法・事例まで詳しく解説!
顧客体験の洗い出し
NPS調査だけでは具体的な対策が打てない、この最大の原因は、顧客による一連の体験がつかめていない、つまり顧客がどの部分に満足してどの部分に不満を感じているかがわからない点にあるのです。効果的なNPS改善を行うためにも、顧客体験の洗い出しは重要といえるでしょう。
カスタマージャーニーマップとは?
NPS改善の効果を持つ顧客体験を洗い出す方法はいくつかあります。そのなかでも高い効果を発揮する施策として挙げられるのが、カスタマージャーニーマップです。
顧客体験の洗い出しに活用するマーケティングツール
カスタマージャーニーとは、商品・サービスの認知、購入・利用、アフターフォローといった顧客による一連の体験において、どのような行動があったか、どのような思考、感情を伴ったのか、そのプロセスのことです。そしてカスタマージャーニーマップとは、そのプロセスを時系列で図式化したものとなります。
カスタマージャーニーマップの作成によって得られるメリット
カスタマージャーニーマップを作成すると、次のようなメリットが得られます。
顧客の行動、体験を網羅的に可視化
顧客体験をテキストで羅列するだけでは、その全体像がつかみにくくなります。しかし、時系列順に図式化すると顧客体験が網羅的に可視化されるため、一目で顧客の行動が把握できるようになるのです。
顧客に対する社内の共通理解
たとえばマーケティング部門だけが顧客体験を把握していたとしましょう。しかし、それでは、顧客ロイヤルティの向上を実現しにくくなります。最も重要なのは、顧客体験にかかわるすべての部署が内容を把握すること。カスタマージャーニーマップで図式化すれば、内容を共有しながら社内の共通理解が得られるでしょう。
顧客目線の施策につながる
カスタマージャーニーマップは、顧客の行動だけでなく思考や感情のプロセスも図式化します。それにより、売る側ではなく顧客の目線から施策を立案できるようになるのです。
カスタマージャーニーマップのつくり方
このように、カスタマージャーニーマップには多くのメリットがあります。そんなカスタマージャーニーマップのつくり方を簡単に説明しましょう。
ペルソナ設定
まず、具体的な顧客像の共有をするためにペルソナを設定します。
フェーズの分解
次に、「無関心」「認知」「興味・関心」「情報収集」「比較・検討」など購入・利用に至るまでのフェーズを分解します。
タッチポイントの設定
分解したフェーズをもとに、それぞれでどのように企業と接点を持ったのか、タッチポイントを設定します。
感情や思考の記述
顧客がそれぞれのフェーズでどういった感情や思考を持つのかを記述し、完成です。
※詳細なつくり方については、こちらをご覧ください。
カスタマージャーニーマップとは?テンプレートと作り方紹介|Emotion Tech
カスタマージャーニーをもとにしたNPS調査の流れ
カスタマージャーニーをもとにしたNPS調査を実施する際の流れについて、ポイントや注意点とともに説明します。
NPSを押し上げる、引き下げる要因の特定
まず、カスタマージャーニーの行動をもとに、NPSを押し上げる、引き下げる要因となる顧客体験を特定します。ポイントは、NPSで「推奨度が低い(0~6)顧客の抱えている不満」と「推奨度が高い(9,10)顧客」では何が違うのかを解明すること。これがわかればNPSを押し上げる、引き下げる要因が特定されます。
たとえば、「推奨者になるほど満足」していて「批判者になるほど不満と感じている」といった顧客体験は、推奨度への影響が大きいと考えられるのです。
最初から完璧な調査を行うことは目標としない
最初から完璧な回答を得ようとすると、失敗に終わってしまう可能性が高まります。NPS調査を定期的に継続しつつ、そのなかでPDCAサイクルを回しながら少しずつ実態に迫っていくと成功率が高まるでしょう。
顧客体験を改善できる粒度にまで細分化
NPSを押し上げる、引き下げる要因となる顧客体験が特定できたら、その体験をできるだけ細分化して、改善できる粒度にまで落とし込みます。
ネットショップの買い物かごを最優先で改善しなければならない場合を例に見てみましょう。この場合を細分化すると「デザイン」「文言のわかりやすさ」「ボタンの色、配置」「入力フォームの使いやすさ」といった形になります。
細分化した項目の解析と改善
細分化できたら、その項目のなかでどれが使いやすい、使いにくいと感じているのかを尋ねます。先述した買い物かごを例に見ていくと、「入力フォームの説明が不十分でわかりづらい」「入力が面倒くさい」などになるでしょうか。
またその際、フリーコメントも解析していきます。たとえば「数字を半角にしないといけない」「1つエラーがあると最初からすべて入力し直さないといけない」など書かれていたら、これが不満につながる要素だとわかります。
ここまでわかったら、その部分を改善して結果を改めてモニタリングすれば、それが適切な改善だったか、明確になるでしょう。
顧客体験改善の優先順位を決めるのに大きな役割を果たすカスタマージャーニーマップ
NPS調査によって、顧客体験のうちどの体験が推奨度に最も影響を与えたかが可視化できます。しかし、推奨度に対する影響度が高い項目を改善していけばよいかというと、そうではないのです。
カスタマージャーニーマップは、顧客体験のうち推奨度に影響を与えている体験と推奨度にプラス、ないしはマイナスの影響を与えている体験を重ね合わせることで完成するもの。そしてその結果から、推奨度に対する影響が大きいにもかかわらず、推奨度に悪い影響を与えている体験を把握することが可能となり、「優先的に改善をすべき課題」、「改善することで推奨度に与えるプラスの影響が大きな課題」が明らかになります。
カスタマージャーニーマップは、どの顧客体験をどの順番で改善していけばよいか、優先順位を明確にしてくれるのです。
Emotion Techでは、NPS調査にて顧客体験を改善する際に重要なポイントとなるカスタマージャーニーマップの作成を、これまで多く手掛けてきております。NPS調査を行っているものの思うように改善が進まない、といった際はぜひ、弊社にお問い合わせください。
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