エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
利益はどれも同じではない!
企業の大きな目的のひとつに、利益を追求するということがあります。
しかし一口に利益と言っても、「良い利益」と「悪い利益」があるのをご存知ですか?
これらは財務諸表上では一見同じ利益ですが、長期的には全く別の結果を生みます。企業の成長を目指すには良い利益を得ることが必要です。
では、良い利益を増やすにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、『ネット・プロモーター・経営』(フレッド・ライクヘルド、ロブ・マーキー著、プレジデント社)の第Ⅰ部第1章をもとに、良い利益と悪い利益の違いと、良い利益を増やすためのNPS®の使い方についてご紹介します。
悪い利益とは?
企業の目的である「利益」の中には、良い利益と悪い利益とが存在します。
悪い利益とは、顧客との精神的なつながりや顧客との信頼関係を犠牲にして獲得した利益のことを指します。
複雑な価格設定で顧客を煙に巻く、契約をやめたがっている顧客を強引に引き止める、などの、顧客を不当に扱うような信頼に値しない行為によって顧客から得た利益はすべて悪しき利益です。
また、この悪い利益は批判顧客を生み出します。批判顧客とは、企業からひどい扱いを受けたと感じている顧客のことです。あまりにもひどい扱いだと感じると、その顧客は購入を減らすだけでなく、サービス・商品の使用をやめ、ネガティブな口コミを友人や知人、同僚などに拡散します。
それだけでなく、批判顧客は、数々の問題を言い立てて、サービスコストを押し上げたり、苦情や無理難題で、従業員の士気を下げたりします。
SNSが普及している現在、批判顧客によるネガティブな口コミは全世界に向かって発信されます。これによって、企業の成長が阻害されてしまうのです。
良い利益とは?
悪い利益が顧客を犠牲にすることで得られるものだと前述しましたが、良い利益とはその逆で、顧客の熱心な指示によってもたらされるものです。
『顧客が心から喜び、もっと買おうと積極的に利用してくれる場合に、さらにはその企業と取引するように友人や同僚に薦めてくれる場合に、企業は良き利益を獲得する。満足した顧客は実質的にその企業のマーケティング部門の一員となり、自分自身の購入量を増やすだけでなく、熱心に紹介してくれる「推奨者」となる。』(引用P52)
顧客としっかり信頼関係を築いている企業は、競合他社に比べてマーケティング費や新規顧客獲得コストを大幅に抑制できる場合が多いです。
広告によって新規顧客の獲得を目指すのではなく、推奨者を増やすことによって、サービスや商品を熱心に広めてもらい、新たな顧客を連れてきてもらうのです。
推奨者に紹介された顧客は、その企業のサービスについての知識が深かったり、分からないことがあっても自分で解決するよう試みてくれたりするため、広告によって増やした新規顧客よりも運用におけるコストを低減することができます。
『悪しき利益への依存症を断ち切りたいと思う企業にとって正しい目標とは、推奨者を生み出し、良き利益につながり、成長を促進するような、高品質の顧客リレーションシップを築くことである』(引用P52)
とあるように、新規顧客獲得のみにこだわるのではなく、既存顧客への提供サービスにも力を注ぐことが、長期的な目で見て企業の成長へとつながるのです。
利益の良し悪しを見極める方法
ここまで良き利益と悪しき利益について説明してきましたが、では、それぞれはどのように見極めればよいのでしょうか?
企業が測定している会計上の財務的成果では測定できず、移ろいやすい顧客満足度調査でも測定することが出来ません。そこで顧客のロイヤルティを測ることができる、誰にでも簡単に使える測定方法が必要になりました。
ロイヤルティを測ることができるものも、成長の原動力になるものも、実際の顧客の行動です。
そこで、NPS®を計測する際に聞く、「この会社を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問こそが、誰にでも簡単に使えて、顧客の行動からロイヤルティを測ることが出来る質問として考案されました。
10年間を通して、継続的に利益有る成長を遂げてきた企業のNPS®は平均して、同業他社のスコアの2.3倍となっています。
NPS®は、企業を成長させるために欠かすことのできない調査方法なのです。
おわりに
財務諸表上では一見同じように見えてしまう企業の利益。しかし、良い利益なのか悪い利益なのかで、その利益が持つ意味はまったく変わってきます。
目先のことだけを考えて悪い利益を優先させてしまわず、長期的な目で見て良い利益を得るということは、企業の成長には必要不可欠です。
NPS®を導入して、健全な成長を遂げていく企業を目指してはいかがでしょうか。
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