エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
企業にとって、自社製品やサービス顧客からどのようなイメージや評価を受けているかは、非常に重要な要素です。そして、これらの情報を正確に知ることは、売上の向上やブランディング戦略において非常に重要な要素になります。
この、自社製品やサービスの評価を知るための手法として、最近ではNPS®(ネットプロモータースコア)を導入する企業が増えてきています。
しかし、NPS®を十分に活用するためにはいくつか注意点が存在します。NPS®をより効果的に利用するために、今回は最も重要な3つのポイントを紹介します。
NPS®導入前に確認しておくべき3つのポイント
NPS®を導入することで、顧客の声をより正確に聞くことができるようになります。しかし、NPS®そのものに対して理解が浅いまま導入してしまうと、顧客満足度調査との違いにとまどってしまう可能性があります。
そこで、NPS®を導入する際に注意すべきもので、理解しておくべき代表的なものは以下の3点が挙げられます
1.NPS®は「批判者を減らし」「推奨者を増やす」ために活用する
2.NPS®の比較は他社だけではなく時系列的な変化も比較すべき
3.NPS®の改善のためには会社全体で取り組む必要がある
1..NPS®は「批判者を減らし」「推奨者を増やす」ために活用する
NPS®スコアは以下のような質問に対して0から10の11段階の評価から算出します。
「あなたはこの商品(またはサービスやブランド)をどの程度友人にすすめたいと思いますか。」
そして、点数をつけた人の内、0から6までを批判者、7から8までを中立者、そして9から10までを推奨者と、3つのグループに分類します。
そして、推奨者の割合からから批判者の割合を引いた数値がNPS®になります。
これまでのいわゆる「満足度調査」の場合、顧客の不満や批判をどう解消するかという視点からサービス改善をすることが一般的でした。そのため、批判的な声に傾聴してしまいがちでした。
一方、NPS®を向上させるためには、批判者を減らすだけでなく、推奨者を増やすことが必要となります。そのため、「顧客が何を満足しているのか」「自社の強みはどこなのか」といったことも同時に分析をすることができ、多角的なサービス改善を行うことが可能になるのです。
NPS®を導入する前には、この大前提をまず理解しておくことが重要です。
2.NPS®の比較は他社だけではなく時系列的な比較も行う
これまでのそれぞれが独自に調査してきた満足度調査と違い、NPS®調査はほとんどの会社が同じ質問・同じ計算式で実施します。そのため、これまでは難しかった他社比較が容易に行えるといった利点があります。
しかし、他社と比較するだけがNPS®調査を実施する利点ではありません。
質問・計算式が統一されていることで、自社のサービス評価を時系列的に行うこともできるのです。
自社のサービス評価を時間軸で観察していくことは2つのメリットがあります。
1つは、サービス改善に不可欠なPDCAサイクルを回すことができることです。
顧客の声を分析し、サービスの改善点を導き出すことはあくまで通過点にすぎません。実際にサービスが改善され、その改善が顧客のロイヤルティや自社の収益向上につながっているかの効果検証が不可欠です。NPS®を時系列的に行っていくことにより、各改善施策がどの程度効果的であったのかを検証し、次の改善につなげることが可能になります。
2つ目は、目標の数値を設定し、達成度合いを計測することができる点です。
目標のNPS®を時間を区切って設定することにより、今現在どの程度達成できており、あとどれくらいNPS®を向上させる必要があるのかを簡単に知ることができます。これはNPS®向上のためのモチベーションとなり、企業がサービス向上を行ううえでの動力となり得ます。
3. NPS®の向上のためには会社全体で取り組む必要がある
NPS®は自社製品・サービスに関して「他人に勧めたいか」を数値化するものです。
ですので、現場や最前線で顧客と接している社員がサービス向上に努めるのはもちろんのこと、商品や設備など様々な要素に影響をあたえる社員まで、全社一丸となって改善に取り組む体制をつくる必要があります。
こういった体制が整えられない場合、一部の社員だけがNPS®向上のためのアクションをとるものの、結果としてNPS®が向上せず、徒労に終わってしまうといった残念な結果を導くこともあるのです。
総括
NPS®は画期的でかつ、非常に強力な指標です。しかし、画期的であるがゆえに、今までの満足度調査との違いについてしっかりと認識しておく必要があります。
今回紹介した3点は、多くの企業がNPS®を導入してからつまずく可能性が高い部分になります。NPS®を導入する際には、会社のメンバー全員が、少なくともこの3点を認識しておくことでより高い効果を発揮することができます。
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