エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
究極の経営指標とも呼ばれるNPS®は、NIKE、Amazon、Facebookなど、名だたる大企業が真の顧客志向を目指しこNPS®導入しています。そして、NPS®を測定すること自体は非常にシンプルに行うことができ、たった一つ、以下のような質問をすることで計測できます。
「あなたはこの商品(またはブランド)を家族や友人にどの程度すすめようと思いますか?」
ですが、この一つの質問だけではNPS®を100%活かしきれるとは言い難いのも事実です。
自分たちの業界や事業内容に合わせた質問項目を組み合わせることで、よりNPS®をサービス改善につなげることができます。今回は効果的にNPS®を活用できるよう、3つの業界を例にアンケートの質問項目の例を紹介します。
アンケートを作る時の注意点
NPS®はもちろん、アンケートを作成する際には2つほど注意点があります。
1.質問文は短く簡潔にすべき
アンケートに回答するとき、文章で埋め尽くされたアンケート用紙を見ると、回答する気がなくなってしまう…といったことはありませんか?アンケートはなるべく簡潔な文章ですぐに理解できるような文体を心がけるようにしましょう。
2,選択型と記入型の質問を使い分ける
NPS®調査や満足度調査のように、顧客の声を数値化し、定量的な分析を行いたい場合は選択式にする必要があります。一方で、こちらがあらかじめ想定していない問題点や、より生の声にちかい形式で顧客の声を集めたい場合、記入型の質問のほうがよりよい場合もあります。
ここで気を付けなければならないのは、記入型の量です。記入型が増えすぎてしまうと回答のストレスが大きくなってしまうため、回答率が下がってしまう傾向にあります。
1.飲食店(カフェ)の場合
飲食店、例えばカフェなどの場合、リピーターの方ももちろんいますが、初めて来店する方も多くいます。そのため、常連と初来店のお客様どちらでも対応できるようなアンケートが必要になります。
質問項目の解説
- あなたの年齢を教えてください
- あなたの性別を教えてください
- 本日は何回目のご来店でしょうか
まずは、来店してくださったお客様のグループ分けをします。例えば、近隣に住んでいる30代女性をメインターゲットと捉えている場合は、最初の質問で回答してくれた人がターゲットの顧客像にどれだけ近いのかを測る必要があります。
また、NPS®を計測する際には「来店頻度」や「顧客単価」のように収益性に結びつく質問を同時に聞くことで、より売り上げに直結する施策を打つことが可能になります。
- 当店を家族や友人・知人にどの程度おすすめしようと思いますか? (すすめたい10点〜すすめたくない0点)
- おすすめ度の点数の理由を教えて下さい。
次に、NPS®を測る質問をします。カフェなどの場合は、アンケートに回答してくれる時間が短い可能性が高いので、なるべく質問数が少ないものにすると回収率を上げやすくなります。
2.ホテルの場合
ホテルの場合は事前に予約する段階で顧客の情報をある程度把握することができます。そこで、カフェの時の様なセグメント分けのための質問をする必要がありません。
また、部屋でくつろぐ時間など、アンケートを書いてもらうことができる時間が、他の業態よりも多くあることがあります。そこで、質問の数は抑えつつ、どういった点に満足したかをより詳しく聞くことができる可能性が高いと考えられます。
質問項目の解説
まずアンケートを回収するにあたり、どの顧客のアンケートなのかを識別できる状態にしておくことは必須です。ですので、会員番号があればその記入を促すか、または宿泊した部屋などから割り出せる状態にしておく必要があります。
- 当ホテルを家族や友人・知人にお勧めしようと思いますか(すすめたい10点〜すすめたくない0点)
- おすすめ度の点数の理由を教えて下さい
続いて、上記のようなNPS®の質問を用意します。
またホテルにはレストランやレジャー施設などが併設されている場合もあり、そういった質問と項目を分けたい場合(分けて分析をしたい場合)には、「当ホテルで宿泊することを」といった文言にするなどの調整が必要です。
3.予備校の場合
予備校や学習塾の場合、お金を払うのは保護者ですが、サービスを受けるのは子どもです。そこで、両者に別々のアンケートを取ることでより精度の高い情報を収集することができるようになります。
今回は、予備校を卒業する時を想定してアンケートの質問例を紹介します。
-子ども向け
- 本校を友達にどの程度友達にすすめたいと思いますか(すすめたい10点〜すすめたくない0点)
- 本校を友達におすすめしようと思う場合、その理由を教えてください
最初に塾全体のNPS®を測る質問をします。この質問からは塾の運営などの問題点を発見することが期待できます。
- 担当の先生をどの程度友達にすすめたいと思いますか(すすめたい10点〜すすめたくない0点)
- その理由を教えて下さい
今回の場合は、担当の先生のNPS®についても質問しています。NPS®はサービスや商品だけでなく、スタッフの方などの調査にも活用することができ、人事評価など様々な視点から活用することができます。
-保護者向け
- 当予備校を友人・知人のお子様にどの程度すすめようと思いますか(すすめたい10点〜すすめたくない0点)
- その理由を教えて下さい。
保護者にも同様にNPS®に関する質問をします。この結果と、子どものNPS®の結果を比較することで真に改善すべき点や、評価されている点が見えてきます。
最後に
今回紹介した質問項目はあくまで基本的なものです。この基本を元に、自身の業態や事業内容、顧客の意見を聞きたい部分に合わせてカスタマイズしていくことでより高い効果的を発揮させる事ができます。
提供している製品・サービスを購入しているのは競合他社ではなく顧客です。真の顧客志向を実現するためにも、まずはこの質問のテンプレートを活用してみてはいかがでしょうか。
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