エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
皆さんはNPS®(ネット・プロモーター・スコア)という言葉をご存知でしょうか?
近年、NPS®と呼ばれる指標に注目が集まっています。NPS®は顧客満足度に代わる指標として開発され、顧客の声をサービス改善に活かすために多くの企業が導入しています。特に、アメリカでは先進的な企業を中心に多くの企業で導入さており、その中にはAppleやレゴ、フィリップスといった「顧客中心主義」が根付いている企業として日本でも名高い企業があります。
ところで、NPS®とは一体何なのでしょうか。
今回は、このNPS®がなぜ急速に普及しているのか、そしてNPS®の何がいいのかを解説します。
NPS®とは何か
NPS®とは「Net Promoter Score」の略で、「顧客推奨度(ブランドやサービスを推奨する人の割合などから計算された数値)」のことを指します。
NPS®が初登場したのは、2003年のハーバード・ビジネス・レビューに掲載された『The One Number You Need to Grow』という論文です。この論文では、「顧客に対して様々な質問を行っていく中で、ある質問の結果が企業の売上と非常に相関が強いことが判明した」ということが発表されました。
その質問がこちらです。
”0〜10点で表すとして、この企業(あるいは、この製品、サービス、ブランド)を友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか。”
(引用:ネットプロモーター経営 P19 )
その後、多くの企業がNPS®を向上させることによって売上を上げたことから、NPS®は売上に直結する指標として認知されるようになりました。
NPS®の計算方法
先ほどの質問をした後には、付けられた得点を基に回答者を3つのグループに分類します。
・推奨者(プロモーター):9点or10点
その企業や企業が提供するサービス・商品に対して強い愛着を持ち、通常は何度も繰り返し利用してくれる。また、質問に回答しているように、その企業について好意的な情報を拡散してくれる人。
・中立者:7点or8点
自分が支払った対価と同程度の見返りを受けていると感じている人。不満はないが、大きく満足もしていない。現状のままであれば再び利用する可能性はあるが、より魅力的な価格やサービスを提供する競合が現れた場合すぐに乗り移ってしまう可能性が高い人。
・批判者:0点〜6点
その企業の提供したものに対して満足をしておらず、不満もしくは失望を抱いている可能性が高い人。そのため、友人や同僚、ウェブ上でその企業に対する悪評を発信する可能性が高い。また、クレームを発して企業に対して対応を迫る可能性も高い層。
NPS®を計測する場合にはまず、スコアを付けた人をこの3つのグループに分類し、全体における推奨者の割合から批判者の割合を引くことです。こうして出た結果がNPS®になります。
この計算方法からも分かるように、推奨者の割合を増やせば増やすほどNPS®は高くなり、批判者の割合を減らすほどNPS®が高くなります。
NPS®が売上向上につながる3つの理由
では、なぜNPS®がこれほど注目されているのでしょうか。それは、NPS®の点数の改善が売上の変化に対して非常に相関性が強いためです。つまり、NPS®の得点が高くなると、これまでの顧客満足度の指標(このサービスにどの程度満足しましたか?という質問から得られる数値)よりも売上の向上に繋がりやすいためです。
では、なぜNPS®は売上向上に強い相関性を持っているのでしょうか。そこには3つの理由があります。
1.顧客の「数」を増やすことができる
「友人や知人にすすめますか?」という未来形の問いに対して、高い点数をつけた推奨者は、その回答通り好評を広めてくれる可能性が極めて高いと考えられます。
そのため、企業のブランド価値が顧客によって高められ、新規顧客獲得を誘引することができるのです。
つまり、推奨者の割合を増やし、NPS®を向上させることによって、顧客の数を増大させていくことが可能になります。
2.顧客の「リピート率」や「継続率」を高めることができる
推奨度を計測するのは、単に「サービスが顧客同士で広まるか」を数値化するだけではありません。
「すすめたいか?」という質問の背景には、「すすめるほど満足しているか?」という意図が隠れており、この質問に対して点数を高くつける人々は継続率やリピート率が高くなるということもわかっています。
「顧客満足度が高くてもリピートしてくれない」という企業の意見が多い中、NPS®は継続率と直結する指標として注目を集めています。
3.NPS®は改善のプロセスを行うために適した「統一指標」である
NPS®の利点の一つは、質問の仕方などがすべて統一されていることです。
そのため、時系列的な比較(昨年度比較や昨月比較)を行うことができ、サービス改善のための打った施策の効果検証をすることができます。
また、NPS®の業界平均や同業界他社のNPS®を知ることによって、自社のNPS®がどのポジションにあるのかを把握することができます。
これによって、どういったサービス改善を行うことで収益につながるのかを詳細に分析することができます。
最後に
例えばNPS®を導入しているアメリカのGEの最高マーケティング責任者は以下のように語っています。
”私たちがこれまでに活用してきた中でも最強のツールが、NPS®です。
その理由は、NPS®がきわめて実用的であるという点にあります。”
ダン・ヘンソン(GE最高マーケティング責任者)
もし、現状の顧客満足度の調査から納得の行く結果が出ていなかったり、組織の末端にまで改善の理由が浸透していなかったりした場合は、ぜひNPS®の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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