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顧客エンゲージメントとは?エンゲージメント獲得のためのマーケティング事例

更新日:2024.08.01

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エモーションテック 編集部

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競争が激しい成熟した市場で差別化を図るためには、顧客エンゲージメントが鍵となります。
本記事では、顧客エンゲージメントの重要性と向上方法について詳しく説明します。顧客エンゲージメントを高めるポイントを把握し、ビジネスを成長させましょう。

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顧客エンゲージメントとは?

顧客エンゲージメントとは、商品やサービスを提供する企業と顧客との間の信頼関係のことです。企業や商品に対して高い信頼性を感じている顧客は、他社商品に見向きもせずに商品を購入してくれます。また、お気に入りの商品やお店として友人に紹介してもらえるでしょう。

顧客エンゲージメントの形成が優良顧客を増やすことにつながり、企業の売り上げや収益をアップさせることにもつながるのです。そのため、顧客エンゲージメントはどの企業にとっても見逃せないものになっています。

顧客エンゲージメントを高める目的

消費社会が成熟した現代では、同じような商品やサービスが市場に溢れています。どの商品・サービスをみても品質や機能は似たり寄ったりで、消費者はきちんと区別することができません。そこで、顧客エンゲージメントを獲得して他社と差別化を図ることが重要になるのです。

顧客エンゲージメントを獲得できれば、同じような商品・サービスがたくさんある中から「○○を買うならあの企業」「あの会社のサービスは信頼できる」と自社の商品・サービスを選んでもらえるようになります。

商品がほしいと思った時に真っ先に思い起こしてもらうことができ、多少の価格差があっても問題にされることはないでしょう。不毛な価格競争に飲み込まれることもなく、高い収益性を確保することが可能になります。

たとえば「スマホといえば」「パソコンといえば」と質問されたら、真っ先に思い浮かぶメーカーがあるでしょう。このように連想されるメーカーは高い顧客エンゲージメントを構築できており、競合よりも優位に立っています。商品・サービスがほしいと思ったときに真っ先に自社を思い起こしてもらうことが顧客エンゲージメントの目的といえるでしょう。

また、商品・サービスは時代の流れやトレンドにも左右されやすく、その寿命はどんどん短くなっています。しかし、顧客エンゲージメントを獲得できれば、「あの企業の商品ならどれも信頼できる」となって、時代の流れに左右されることなく安定した売り上げが見込めるようになるのです。顧客エンゲージメントの獲得は長期的に安定経営するための最重要課題といえるでしょう。

顧客エンゲージメントを獲得する方法

顧客にロイヤルティを感じてもらい、エンゲージメントを獲得するためには、あらゆる顧客接点で最適な顧客体験を提供することが重要です。

一方で顧客接点が多様化し、さまざまな顧客体験がある中ですべての顧客体験に対して一斉に改善活動を行うことは現実的ではありません。

そこでここからは顧客エンゲージメントを高めるためにどのように注力すべき顧客体験を見出し、改善に繋げていくかを説明していきます。

顧客体験を最適化し、顧客エンゲージメントを獲得する

どんな顧客接点があるのかを把握するための効果的な方法に、カスタマージャーニーマップの作成があります。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を購入したり、サービスを利用したりする際のプロセスを旅になぞらえて可視化したものです。カスタマージャーニーマップを作成することで顧客の行動が時系列で把握でき、顧客体験を整理できます。

カスタマージャーニーで顧客体験を整理する

ここからは老舗高級ホテルでのケースを例にとって流れを説明していきます。

ある老舗高級ホテルでは顧客エンゲージメントに影響している顧客体験を可視化するために、まずは一連の顧客体験を整理することから始めました。以下大きく4つフェーズに分類し、カスタマージャーニーを整理していきました。

  • 「ホテルを認知してから予約するまでの体験」
  • 「予約からホテルまでの体験」
  • 「ホテル滞在期間の体験」
  • 「アフターフォロー」

さらに4項目について顧客の行動を整理して、顧客体験を細分化していきます。

認知から予約までの体験には「TVCMや雑誌、ネットなどの広告」「比較サイトでの評価」「友人からの口コミ」、予約からホテルまでの体験には「予約はスムーズにできたか」「交通機関の利便性」、ホテル滞在期間の体験には「チェックイン」「施設」「客室」「食事」、アフターフォローの体験には「お礼DM」「キャンペーン紹介」などの項目を設定します。

このように一連の顧客体験をカスタマージャーニーに沿って整理することで、顧客エンゲージメントがどのような要素に成り立っているのかを理解することができます。

そしてこの整理したカスタマージャーニーをもとに顧客から評価を取得することで、顧客エンゲージメントの現状の測定と、顧客エンゲージメントを獲得するための重要な顧客体験が何かを明らかにできるようになるのです。

関連記事:
カスタマージャーニーマップとは?作り方を紹介!

NPSを用いて顧客エンゲージメントを測定する

顧客エンゲージメントを測定するにあたって有用なのが顧客ロイヤルティの指標としてもポピュラーであるNPS®です。NPSはハーバードビジネスレビューで発表されたもので、収益性と強い相関関係があることが知られています。

そのため、多くの企業がNPSを活用して顧客エンゲージメントの獲得に努めているのです。

NPSを計測する際は「商品やサービスを友人にすすめたいか」という質問に対して10段階で評価してもらう方法が用いられます。9~10点を付けた人を「推奨者」、7~8点を付けた人を「中立者」、0~6点の人を「批判者」として分類し、「推奨者の割合」から「批判者の割合」を引いた数値がNPS®となります。たとえば、推奨者が20%、批判者が10%であれば、「20-10=10」で、NPS®は10となります。

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NPS®とは?顧客満足度との違い・質問方法・事例まで詳しく解説!

NPSの解説

顧客エンゲージメントを高める重要な顧客体験を特定する

NPSによって顧客エンゲージメントを測定すると同時に、上記で整理したカスタマージャーニーに基づいて各顧客体験について5段階などで満足度評価を取得しておきます。

老舗高級ホテルでは、NPS(推奨度)と各顧客体験の評価を統計解析することで、各顧客体験が顧客エンゲージメントにどの程度影響を与えているのかを青線、各顧客体験に対する現在の顧客の評価を赤線で示しました。

すると、赤線と青線のギャップが大きい「客室での体験」と「観光地での体験」が優先度の高い課題として明確になったのです。

そこで、課題の解決策として地元の老舗石鹸ブランドとコラボレーションして開発したアメニティの提供、観光地の回り方の提案を行いました。その結果、顧客ロイヤルティが高まり、1年間でNPSは12%アップ、低下気味だったリピート率もV字回復し、稼働率も月平均で前年比8%アップとなったのです。

このように、顧客体験を整理することで顧客エンゲージメントを高めるために優先的に改善を行うべきポイントが明らかになり、最短距離で顧客エンゲージメントを獲得することができるようになります。

顧客エンゲージメント獲得のためのマーケティング事例

顧客エンゲージメント獲得のマーケティング事例として、女性向けアパレルブランドの「ロぺピクニック」を紹介します。

ロぺピクニックではブランド認知を進めるために、2014年からテレビCMを増やしました。その効果もあって新規顧客の獲得に成功し、売り上げは急拡大しました。しかし、顧客のロイヤルティを上げることができなかったため、リピート率は減少し、売り上げも下がってしまったのです。

そこで、顧客ロイヤルティを測るためにNPSを活用し、顧客ロイヤルティに影響を与えている項目の分析に取り組みました。まず、顧客体験を20項目に細分化し、どの体験がロイヤルティに影響しているのかを分析したのです。

分析の結果、レジでの待ち時間の長さがロイヤルティを押し下げていることがわかりました。また、ロイヤルティの高い顧客は店舗スタッフにとても親しみを感じていること、スタッフを身近なモデルのように思っており、コーディネートをまねたり、相談したりするためにリピートしていることがわかったのです。これにより、店舗スタッフとのコミュニケーションの活性化がエンゲージメント獲得につながることが判明しました。

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そこで、ロぺピクニックでは、ポイントカードをスマホアプリに内蔵することでロイヤルティを下げているレジの待ち時間を短縮しました。また、NPSが高くエンゲージメントを獲得できている店舗の接客方法を全店で共有し、顧客とのコミュニケーションを強化したのです。

さらに、ECサイト上で店舗ごとにスタッフコーデを充実させ、店舗スタッフをより身近に感じてもらうようにしました。これらの改善策を実施した結果、リピート率は改善し、売り上げも上昇傾向に回復したのです。

顧客エンゲージメントを獲得するためには、顧客が体験するすべての接点を見直すことが重要です。どの体験がNPSにどれぐらい影響しているのかを分析することで、解決すべき課題もみえてきます。NPSを活用して課題を発見し、改善策を施して顧客エンゲージメントを獲得していきましょう。

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