NPSツールの選び方:活用方法まで徹底解説 | 株式会社エモーションテック

NPSツールの選び方:活用方法まで徹底解説

更新日:2026.02.17

このコラムの執筆者
梅川 啓

株式会社エモーションテック Marketing Manager 

複数企業の事業責任者を歴任したのち、2020年よりエモーションテックにCXコンサルタントとして参画。製薬会社や金融機関、化粧品メーカーのNPSプロジェクトやCXマネジメントの支援に携わる。2022年よりマーケティングに従事し、各種セミナーやイベントに登壇。

顧客ロイヤルティを高め、継続的な成長を実現するために、多くの企業がNPSに注目しています。しかし、NPSを効果的に測定・活用するには、適切なツール選びが欠かせません。

NPSツールは、アンケートの配信から分析、改善施策の立案まで、一連のプロセスを効率化します。本記事では、NPSツールの基本から選び方、具体的な活用事例まで、CX担当者が押さえるべきポイントを解説します。

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NPSツールとは

NPSツールとは、顧客ロイヤルティ指標であるNPSを測定・分析するためのソフトウェアです。アンケートの配信から回収、スコア算出、データ分析までを自動化し、顧客体験の改善につなげるための基盤を提供します。

NPSは、Net Promoter Scoreの略称で、顧客に「この企業やサービスを友人や同僚に勧める可能性はどれくらいですか」という質問を0から10の11段階で尋ね、その回答をもとに算出します。回答者は3つのグループに分類されます。

  • 推奨者(9-10点):企業やサービスを積極的に推奨する顧客
  • 中立者(7-8点):満足はしているが熱狂的ではない顧客
  • 批判者(0-6点):不満を持ち、ネガティブな口コミを広める可能性がある顧客

NPSは、推奨者の割合から批判者の割合を引いた値で算出されます。このシンプルな指標により、顧客ロイヤルティを定量的に把握できます。

NPSの解説

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NPSツールには、主に以下のような機能が備わっており、顧客ロイヤルティの向上やCX向上にフォーカスを当てた専門的な分析を手軽に行うことができます。

  • アンケートの配信・回収の手間を削減
  • 大量の回答データを迅速に集計・可視化
  • 経年変化や部門別の比較を容易に実施
  • 改善施策の優先順位づけを支援

手作業でNPSの算出を行うにはひと手間かかってしまう上に、集計ミスや分析の属人化が起こりがちです。NPSツールを導入することで、正確なデータに基づいた意思決定が可能になります。

NPSツールでできること

NPSツールの主な機能は、NPS・CXに特化したアンケートの作成、スコアの可視化、多変量解析などの統計手法によるCX課題の特定、の3つに集約されます。これらの機能により、顧客の声を効率的に収集し、具体的な改善アクションへつなげることができます。

アンケート作成

NPSツールは、NPSの取得はもちろん、その先にさらにどのようにNPSを高めていくべくかという示唆を得ることが大きな特徴です。そしてそのためには正しい形で顧客アンケートを設計し、作成することが肝心です。

通常、調査設計には専門的なノウハウが必要ですが、NPSツールにはこういったノウハウが詰め込まれており、安心して手軽にNPSアンケートを作成することができます。

スコア集計・可視化

回収した回答データは、リアルタイムでダッシュボードに反映されます。NPSの期間ごとの推移や、部門別・店舗別・商品別といったセグメント分析が、グラフや表で直感的に把握できます。

推奨者・中立者・批判者の割合も一目で確認でき、どのセグメントに課題があるのかを素早く特定できます。経営層への報告資料も、ボタン一つで出力可能です。

CX課題の特定

NPSを測定し、継続的な顧客ロイヤルティ向上に取り組んでいくために、何が原因になっているのかをアンケート結果から見定め、現場での改善アクションへと繋げることが最も肝要です。

NPSに特化ツールでは、相関分析や回帰分析などの多変量解析による顧客体験の分析が可能になっており、NPS向上にあたって重要な顧客体験は何か、また現在顧客の不満が多く課題になっているものが何か、を特定することができます。通常のアンケートツールでは単純な集計結果しか示されず「何にフォーカスすべきか」という意思決定に繋げにくいことがありますが、統計的な示唆により、確かな意思決定を行うことが可能にあります。

このようなデータドリブンな意思決定を支援することが、NPSツールの最も大きな価値とも言えます。

NPSツールを選ぶ際のポイント

NPSツールの選定においては、分析機能の充実度、操作性、外部連携、サポート体制、コストの5つを重点的に評価すべきです。自社の課題や運用体制に合ったツールを選ぶことで、NPS活動の成果が大きく変わります。

以下の表に、主要な選定基準をまとめました。

選定基準確認ポイント重要度
分析機能の充実度多変量解析、セグメント分析の有無
操作性・使いやすさダッシュボード作成の負荷、
わかりやすい結果の表示
外部ツール連携CRM、BIなどのデータ連携
サポート体制導入支援、運用コンサルティング、カスタマーサクセスの充実
価格・コスパ初期費用、月額費用、回答数上限、追加オプション費用

分析機能の充実度

基本的なNPSや満足度の集計だけでなく、どれだけ深い分析ができ、改善アクションや意思決定に繋げることができるかが重要です。

多変量解析などによるCX分析機能があれば、どの顧客体験がNPSに最も影響しているかを統計的に明らかにできます。改善施策の優先順位づけに直結するため、この機能の有無は非常に大きなポイントです。

操作性・使いやすさ

高機能であっても、現場のメンバーが使いこなせなければNPSの取り組みは十分に機能せず一過性のものになってしまいます。集計分析結果のわかりやすい表示がされているか、また直感的に操作できるダッシュボード機能は、日常的な運用において重要です。

外部ツール連携

自社のCRMや顧客データベースと連携できれば、より深い分析が可能になります。例えば、購買履歴とNPSを紐付けることで、顧客ロイヤルティと売上の関係性を定量的に把握できます。

自社の顧客データをツールにcsvなどで取り込むことができるか、またデータ連携機能があるかなどもチェックしておきましょう。

サポート体制

NPSツールは導入して終わりではなく、継続的に運用し改善サイクルを回すことが本質です。導入時のオンボーディング支援や、運用開始後のコンサルティングサービスが充実しているかは、成功を左右します。

特に初めてNPSに取り組む企業の場合、アンケート設計や分析手法について専門家のアドバイスを受けられる体制があると安心です。データアナリストやコンサルタントが伴走してくれるサービスを選ぶことで、一過性に終わらせず、継続的な取り組みへと確実に繋げることができます。

価格・コストパフォーマンス

NPSツールの価格体系は、ID数による月額料金の変動、回答数やデータ数による従量課金など様々あります。自社の調査規模や頻度、そして予算範囲に応じて、最もコストパフォーマンスの高いプランを選びましょう。

また自社のオペレーションへの高度な組み込み、複雑な連携を検討している場合は、初期の開発費用が発生するケースもあります。どういったことを実現したいのか、それが実現可能なのかは十分な期間余裕を持ってコンサルタントに相談するようにしましょう。

NPSツール導入の流れ

NPSツール導入は、現状課題の整理、ツール選定、初期設定、アンケート設計、改善サイクル構築の5ステップで進めます。各ステップを丁寧に実行することで、スムーズな運用開始と早期の成果創出が可能になります。

  1. 現状課題の整理

まず、自社がNPSで解決したい課題を明確にします。顧客ロイヤルティの向上、解約率の低減、特定の顧客接点の改善など、具体的なゴールを設定しましょう。関係部門と連携し、どのセグメントやタイミングで測定すべきかを洗い出します。

  1. ツール選定・比較

前述の選定基準をもとに、3〜5社のツールをピックアップします。無料トライアルやデモを活用し、実際の操作感を確認しましょう。自社の既存システムとの連携可否や、サポート体制についても詳しくヒアリングします。

特に、初めてNPSに取り組む場合は、コンサルティングサービスのような伴走支援があるツールを選ぶと、導入後の定着率が高まります。

  1. 導入・初期設定

契約後、ツールベンダーの支援を受けながら初期設定を進めます。顧客データのインポート、配信チャネルの接続、ダッシュボードのカスタマイズなどを行います。この段階で、関係部門へのアカウント付与や権限設定も済ませておきます。

  1. アンケート設計・配信

NPSの基本質問に加え、自社独自の追加質問を設計します。質問数が多すぎると回答率が下がるため、5問以内に収めることが理想です。配信タイミングや対象セグメントを設定し、まずは小規模でテスト配信を行い、回答率や所要時間を確認します。

  1. 分析・改善サイクルの構築

データが蓄積されたら、定期的な分析会議を設定します。月次や四半期ごとにスコアの推移を確認し、改善施策を立案・実行します。PDCAサイクルを回し続けることで、NPSは単なる指標ではなく、組織文化として定着していきます。

NPSツール導入時の注意点は?

NPSツール導入時の主な失敗パターンは、スコア測定だけで終わる、回答率が上がらない、組織全体で活用されないの3つです。これらを事前に認識し、対策を講じることで、導入効果を最大化できます。

スコア計測だけで終わらせない

NPSはあくまで手段であり、目的ではありません。スコアを測定しただけで満足し、具体的な改善アクションにつながらないケースが多く見られます。

NPSツールの分析機能を最大限活用し、どの体験要素が課題なのかを深掘りしましょう。自由記述のテキストデータには、顧客の本音が詰まっています。定性データと定量データを組み合わせ、改善の優先順位を明確にすることが重要です。

特に、AI分析機能やドライバー分析機能を持つツールを選ぶことで、データから示唆を得やすくなります。

組織全体での活用体制づくり

NPSをCX部門だけのKPIにしてしまうと、改善施策が部分最適に陥ります。営業、カスタマーサポート、製品開発など、顧客接点を持つすべての部門が、NPSデータにアクセスし活用できる体制を整えましょう。

経営層がNPSを重要指標として位置づけ、定期的にレビューすることも効果的です。全社的な取り組みとして推進することで、顧客中心の組織文化が醸成されます。

EmotionTech CX Professionalのように、組織全体での運用体制づくりまで支援してくれるサービスを活用することで、この課題をクリアできます。

EmotionTech CXの特徴

エモーションテックが提供するEmotionTech CXは、日本国内での導入実績が豊富なNPS分析ツールです。顧客の要望やニーズ、期待を正確に把握し、合理的な満足だけでなく情緒的な満足の実現を支援します。

専門的なノウハウが集約されたアンケート作成画面

NPS向上・顧客ロイヤルティ向上に繋げるには、上述したようにまず何より正しい調査設計を行うことが重要です。EmotionTech CXでは必要な要素とノウハウをしっかり取り込みながらも、直感的に操作可能なアンケート作成画面を提供しています。

設定不要のわかりやすい集計画面

アンケートから正しい示唆を得るためには、結果を正しくわかりやすく示すことが必要です。
EmotionTech CXではBIツールのようにゼロから自分たちでダッシュボードを構築する手間なく、最適化された形でアンケートの集計結果を見ることが可能です。

また既存のCRMやBIツールとのデータ連携により、顧客データを一元管理し、購買履歴や行動データとNPSスコアを組み合わせた分析が可能です。

特許取得の「カスタマージャーニーマップ分析」機能

EmotionTech CXでは特許技術を保有する「カスタマージャーニーマップ分析」機能により、顧客ロイヤルティ向上にとって重要な顧客体験、そして優先的に改善に取り組むべき顧客体験を一目で明らかにします。

カスタマージャーニーマップ分析のイメージ

専門的な統計知識がなくても、専門家が行うような分析を手元で実現することができ、改善アクションへと着実に繋げるための示唆を得ることができます。

コンサルタントによる伴走支援

EmotionTech CX では、必要に応じてデータアナリストとコンサルタントチームが改善サイクルの構築まで包括的にハンズオンで支援するプランを選ぶこともできます。ツールを導入しただけで終わらず、継続的な運用体制を確立できます。

調査設計、データ分析、課題特定、改善施策の立案まで、専門家が伴走することで、NPS活動を組織文化として定着させられます。初めてNPSに取り組む企業でも、安心してスタートできる体制が整っています。

幅広い業種での導入実績

EmotionTech CXは、三井住友海上、リクルート、日立、西武鉄道、マイナビ、住友生命など、多様な業種の大手企業で導入されています。金融、IT、小売、運輸、人材など、業界を問わず顧客体験の向上を実現しています。

各業界の特性に応じたアンケート設計や分析手法のノウハウが蓄積されており、自社に最適な運用方法を提案してもらえます。

高度なAIテキスト分析

さらにアンケートの自由記述からも深い示唆を得たいと考えている場合は、VoC分析サービス「TopicScan」と組み合わせることで、さらに包括的な分析が可能になります。
NPSや各顧客体験への定量的な評価と、フリーコメントで書かれた定性的な評価を組み合わせることでより立体的な顧客理解を実現することができます。

まとめ

NPSツールは、顧客ロイヤルティの測定から分析、改善までを一貫して支援するソフトウェアです。アンケートの自動配信、AIを活用したテキスト分析、直感的なダッシュボードなど、効率的にNPSを運用するための機能が備わっています。

ツール選定では、分析機能の充実度、操作性、外部連携、サポート体制、コストの5つを重点的に評価しましょう。特に、初めてNPSに取り組む企業では、専門家による伴走支援があるかどうかが成功の鍵を握ります。

導入後は、スコア測定だけで終わらせず、具体的な改善アクションにつなげることが重要です。組織全体でNPSデータを活用し、継続的に顧客体験を向上させる文化を築きましょう。


よくある質問

NPSツールは無料で使えますか?

無料プランを提供しているNPSツールもありますが、機能や回答数に制限があります。本格的に活用する場合、月額数万円から数十万円の有料プランが一般的です。企業規模や調査頻度に応じて、最適なプランを選びましょう。無料トライアル期間を設けているベンダーが多いため、まずは試用してから判断することをおすすめします。

NPSツールの導入にかかる期間はどれくらいですか?

初期設定から運用開始までは、通常2週間から1ヶ月程度です。既存システムとの連携や、複雑なアンケート設計が必要な場合は、2〜3ヶ月かかることもあります。ベンダーの導入支援サービスを活用すれば、スムーズに立ち上げられます。小規模なパイロット運用から始め、段階的に拡大していく方法も有効です。

小規模企業でもNPSツールは必要ですか?

顧客数が少ない段階でも、NPSを測定する価値はあります。初期から顧客の声を定量的に把握し、プロダクトやサービスを改善することで、成長スピードが加速します。小規模企業向けのエントリープランを提供しているツールも多いため、予算に応じて選択できます。ExcelやGoogleフォームで手動運用する方法もありますが、回答数が増えると分析の負担が大きくなるため、早めのツール導入を検討しましょう。

NPSとCSAT(顧客満足度)の違いは何ですか?

NPSは顧客ロイヤルティ、つまり企業やブランドへの愛着度を測る指標です。推奨意向を尋ねることで、将来的な行動(リピート購入や口コミ)を予測します。一方、CSATは特定の取引やサービスに対する満足度を測る指標で、その瞬間の感情を捉えます。NPSは長期的な関係性、CSATは短期的な評価という違いがあります。両方を組み合わせて測定することで、より多面的に顧客体験を把握できます。

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