エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
顧客満足度調査よりも信用性の高いNPS®︎調査
業務改善指標として利用されるNPS(Net Promoter Score)とは、0点から10点までの11段階で、友人・知人にその商品・サービスを勧める可能性を問う質問です。
顧客満足度調査では回答者は自身が満足したか否かを答えるのに対して、NPSでは具体的な友人・知人を思い浮かべて回答することになります。
そうすると、回答者に友人・知人に対する責任が芽生え、NPSのほうがより信用性の高い調査結果を得られるといわれています。
顧客満足度調査では具体的な不満がないと「満足」以外の答えを選びにくく、NPSでは商品・サービスに愛着がないと「誰かに勧める可能性が高い」という答えを選びにくい人間心理があるのです。
実際に弊社が過去に行った調査でも、自動車業界ではNPSが高い企業ほど年間販売台数の成長率が高かったり、健康食品のECでは継続利用している顧客の割合が高くなるというデータがあります。
NPSは、顧客ロイヤルティと相関関係がありますが、競合他社との比較を含めて企業の状況をタイムリーに把握するための1つの総合的な目安でしかありません。
たった1つの質問で企業の状態を把握できるとはいえ、それ以上に有意義な情報をもたらしてくれるわけではないのです。
結局のところ、NPSで計測された結果を必ずしも直接マネジメントできないため、NPSだけを追っていても具体的に何をすればいいのか分かりません。
そうなれば、調査費用を無駄にしてしまうでしょう。大事なのは「顧客が求める価値とは何なのか」「何が企業への評価を左右しているのか」を理解して「それを提供するために何をするべきなのか」を考えることです。
そのためにはNPSスコアだけでは不十分で、顧客満足度調査など他の調査と並行して行う必要があります。
NPS調査を効果的に実施するためのポイント
現場改善につなげるため、NPS調査を実施する多くの企業では「なぜそのスコアをつけたのか」または「スコアを1点上げるとしたら企業はどのようなことをするべきですか」といった質問に対する回答を記述式で書けるようにして調査します。
この質問の意図は、NPSに影響を与えている要因を把握して業務改善を図ることです。
NPS調査を実施する企業は、回答者の本音を聞き出したいのですが、実際のところNPS調査にコメント欄を設けるだけでは回答者の本音を聞き出せないおそれもあります。
記述式のアンケートは回答者に与える負担が大きいので、回答者の中には商品やサービスに関する全体像を思い浮かべずに、すぐに思い出せる印象的な出来事から記述する人が少なくないのです。
たとえば、小売店で従業員から失礼な対応を受けた直後にアンケートに回答した場合、商品自体には満足していても、マイナス評価をつけるかもしれません。
NPSの変動に影響しているものが何かを明らかにして優先的に改善する点を特定するため、純粋な記述式にするのではなく、評価に影響を与えると想定される項目をあらかじめアンケートで提示しておくことが必要です。この項目を考えるにあたっては、顧客からの評価に影響する要素を細かく分析しましょう。
カスタマージャーニーマップで成功!稼働率を向上させた老舗高級ホテル
顧客は、テレビCMなどで商品を知り、気に入った商品を購入して、さらに商品に愛着を持てば高評価のレビューを書きます。
このように商品やサービスの認知、購入、批評という顧客の行動や感情など一連の流れを時系列で捉え図示化したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。
年齢、性別、地域など想定するペルソナが異なれば、その行動は自ずと異なってくるでしょう。
NPSに影響を与える要素を考えるためには、そのペルソナをなるべく細かく定義しなければなりません。
そして細かく定義した顧客のペルソナになりきって、どのようにその商品やサービスに接する機会があるのかを把握することが重要です。
創立100年を超える老舗高級ホテルでは、ファンを増やしてリピート率を向上させるためNPS調査を実施しました。
このとき、テレビCM、予約、チェックイン、ホテルでの食事、チェックアウトなど滞在期間中だけでなく、観光地での体験や滞在後のDMも含めてカスタマージャーニーマップを作成しました。
そうすると、顧客がアメニティの平凡さや観光地の混み具合に不満を抱いていることがわかったのです。
そのため、オリジナルアメニティを提供し、ホテルおすすめの観光スポットを紹介するようにしたところ、稼働率が向上しました。その後、オリジナルアメニティはメディアで取り上げられるほどホテルの目玉になったので、NPSが成功した事例といえるでしょう。
参考までに、本調査で利用した調査票の具体例は以下のようになります。
実際に調査を行う際は必要に応じて属性情報などの追加質問を加えることで、どの顧客セグメントがどのように感じているのかをよりシャープに捉えられるようになります。
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