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従業員満足度アンケートの結果分析で重要なポイント

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エモーションテック 編集部

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従業員満足度アンケートの正しい分析でもっとも重要なのは質問設計

従業員満足度アンケートを正しく分析し、成果を出すためのポイントは、回答に対する相関関係や因果関係を明確にできる質問設計にあります。たとえば、仕事や上司との関係、職場環境などについて満足か不満かを聞くだけでは、具体的に何が満足で不満なのかが見えません。

また、人によって満足と不満の度合いも異なるため、何に対してもっとも満足(不満)を感じているのかも把握できないのです。これでは正しい分析はままならないでしょう。そこで重要となるのが質問設計ですが、おすすめはeNPSです。

eNPS℠とは?

eNPSとは、「Employee=従業員」のためのNPS(ネット・プロモーター・スコア=顧客ロイヤルティを示す指標)を合わせたものです。

ロイヤルティは日本語で愛着や信頼を意味する言葉で、従業員ロイヤルティとは、従業員が自社に対しどれだけの愛着、信頼を感じているかを表すもの。つまりeNPSとは、従業員が自社に対し、どれだけの愛着、信頼を感じているかを数値化する指標なのです。

関連記事:
eNPS℠とは?従業員エンゲージメント向上のための指標を事例付きで解説!

eNPSで質問設計する際のポイント

eNPSでは、自社で働くことをどの程度、知人や友人にすすめたいと思うかを0~10の11段階で評価してもらうものです。この数値は満足度ではなく推奨度と呼ばれており、0~6が「批判者」、7と8が「中立者」、9と10が「推奨者」と分類されています。

そして、推奨者の割合から批判者の割合を引いたものがeNPSの数値となるのです。仮に推奨者の割合が60%で、批判者の割合が20%だとすれば、60から20を引いた40がeNPSの数値になります。

この質問をもとに、「その評価にもっとも影響を与えた要素はなにかを聞く」という設計にすれば、満足度に強く影響する要素が見え、「何を優先して改善するべきか」「何を伸ばすべきか」が分かるでしょう。

たとえば、自社の「職場環境」について推奨度を評価してもらったうえで、次になぜその評価をつけたかを記述式で回答してもらいます。これで推奨度の高い従業員が何を重視しているかが明確になり、その要素を優先的に改善すれば、全体の推奨度が向上する可能性が高まるという分析が成り立つのです。

従業員満足度アンケートの具体的な分析方法

では、実際に従業員満足度アンケートを行った際、どうやって分析していけばよいのでしょう。ここでは主な方法として次の2つを紹介します。

◆  離職率との相関を見る

従業員満足度アンケートを行う目的のひとつに、離職率の低下があります。アンケート結果を正しく分析し、従業員が不満に感じている部分を改善すれば、離職対策として大きな効果を発揮するのです。具体的な方法は、離職率との相関関係の分析となります。

まず、実際に離職してしまった従業員が、過去のアンケートでどの要素に不満を持っていたかを調べます。eNPSで言えば、推奨度の低い従業員が低い評価をつけるもっとも重要な要素を調べます。そして、それを最優先事項として改善していくのです。

◆  属性ごとの満足度を見る

従業員満足度アンケートの結果分析は、全体として見ていくのも重要ですが、「属性別にして見る」「それぞれの属性を比較して見る」といった分析も必要です。そこで勤続年数や部署、役職などの属性に分けて満足度を見ていきます。

たとえば、勤続年数10年以上と10年以下の従業員の場合、「重視する要素が異なるのか」「部署によって満足度に違いはあるのか」といった視点で分析するのです。それにより詳細な課題が浮き彫りになるうえ、個々で改善すべきポイントも見つけやすくなります。

課題発見に高い効果を発揮する回帰分析とは?

前項で従業員満足度アンケートの分析を行う際、それぞれの要素の相関関係や比較が重要だと紹介しました。その際、相関関係を見たり比較したりするうえで高い効果を発揮する分析方法としてよく使われるのが回帰分析です。

ここでは、そもそも回帰分析とはどういった分析方法なのか、なぜ課題発見に高い効果があるのか、具体的にどうやって行えばよいのかなどをお伝えします。

回帰分析とは?

回帰分析は、単回帰分析と重回帰分析のふたつがあります。それぞれの概要は次のとおりです。

◆  単回帰分析

ひとつの目的変数をひとつの説明変数で予測するものです。たとえば、給与の満足度というひとつの要素から離職の可能性を予測します。

◆  重回帰分析

ひとつの目的変数を複数の説明変数で予測するものです。給与、やりがい、職場環境など複数の要素から離職の可能性を予測します。

高い効果を発揮する重回帰分析

従業員満足度の分析にて、さまざまな分析方法のなかでも重回帰分析が高い効果を発揮する理由は、複数の要素の相関関係からひとつの予測を導き出せる点にあります。満足度に影響を与えている要因の平均を比較しても、各要素が相対的にどの程度満足度に影響を与えているのか分かりません。

しかし、重回帰分析は、たとえば離職をキーとし、「職場環境」「上司との関係」「コンプライアンス」など複数の要素との相関関係から予測します。その結果、どの要素がもっとも離職に影響を与えているかが明確になるため、従業員満足度の分析として高い効果が期待できるのです。

従業員満足度アンケートで回帰分析を使う方法

実際に従業員満足度アンケートで回帰分析を使って得た仮説から改善策を導き出す方法を紹介します。ここでは、前項と同様に、離職を防止するための改善策として見ていきましょう。

まず回帰分析を使って出た結果を、カスタマージャーニーマップ(※)にまとめます。縦軸を満足度、横軸を重要度とし、分析結果をそれぞれのエリアに当てはめるのです。

右上は、重要度・満足度ともに高い結果が出た要素。右下は、重要度は高いが満足度は低い要素。左上は、満足度が高く重要度は低い要素。そして、左下が満足度・重要度ともに低い要素です。この4つのエリアでもっとも優先的に改善すべきなのは、右下の重要度が高いにもかかわらず、満足度が低い要素です。

たとえば、離職者が過去に行った従業員満足度アンケートで、「職場環境」は重要度が高いが満足度は低い、という分析がされた場合、職場環境が右下に当てはめられます。つまり「設備が整っていない」「福利厚生や教育支援制度が充実していない」のが離職に大きく影響していると一目で分かり、すぐに改善が必要となるのです。

※カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社の商品、サービスを認知する段階から購入に至るまでの行動、感情のプロセスを図示化したものです。ここでは、それを従業員の離職につながる要素を図示化するために活用しています。カスタマージャーニーマップの詳細にかんしては、下記URLを参照ください。

カスタマージャーニーマップとは?作り方を紹介!|EmotioneTech

間違った改善をしないためにも正しい分析方法を理解しましょう

従業員満足度アンケートは分析と改善までを行って初めて効果を発揮します。つまり「分析を慎重に行う」「可視化されていない課題の発見」が重要と言えるのです。

そうした正しい分析を行ううえでポイントとなるのが、質問設計。紹介したeNPSは課題に対して何を優先的に改善していくかを知るのに高い効果を発揮する方法です。従業員満足度アンケートを行っても自社の課題がうまく見つからない際は、eNPSを使って質問設計を行い、それをもとに分析するのをおすすめします。

参考:
重回帰分析とは|Albert
事例に見る従業員満足度向上のポイントと実践のためのアンケート作成方法|EmotionTech

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