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テレワーク導入企業こそ従業員満足度アンケートが重要な理由

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エモーションテック 編集部

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新型コロナウイルス感染拡大の影響で増加するテレワーク

新型コロナウイルスの感染拡大は、従来の働き方に少なからず影響を与えています。なかでも大きいのは、テレワークを導入する企業の増加でしょう。

もちろん新型コロナウイルス以前よりテレワークを導入している企業もありました。しかし、その多くはオフィスワークを前提としたものだったのです。ところが、新型コロナウイルス以降は、オフィスの解約や縮小によりテレワークを前提としたものに変化しつつあります。

東京都が2020年9月14日発表した「テレワーク導入実態調査結果」(注1)によると、2020年6月30日時点でのテレワーク導入率は「57.8%」でした。前年度の調査では導入率「25.1%」でしたので、倍以上に増加していることが分かります。

また、テレワークの継続・拡大意向については、「継続・拡大したい」が「40.6%」。「拡大は考えていないが継続したい」が「39.8%」。テレワークを継続したいと考えている企業は合わせて「80.4%」という結果が出ていたのです。

これは、あくまで東京都の企業に限定した調査となります。しかし「コロナの終息如何にかかわらず、テレワークを継続していきたい」と考えている企業は存在する、と読み取れるでしょう。

テレワークをしている従業員の満足度が低下する理由とは?

テレワークは、育児や介護などでオフィスにフルタイムで出社できない従業員の継続的な雇用、地震や台風、サイバーテロなどに遭った際でも早期の業務再開を可能にするなど、多くのメリットを有します。しかしテレワークによって、従業員満足度が低下する可能性もあります。

その主な理由として、次のような点が挙げられます。

  テレワーク導入の準備不足

本来、テレワークを導入するには、自宅のネットワーク・セキュリティ環境の整備、紙文書のペーパーレス化、ノートパソコンやスマートフォンの貸与など多くの準備が欠かせません。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言によって、準備が不十分なまま急遽、テレワークを導入した企業も存在するでしょう。その場合、業務がスムーズに進まず、従業員がストレスを抱えてしまいやすいのです。

  労務管理の難しさ

テレワークの場合、マネジメントする側は労働実態を把握しにくくなるため、頻繁な在籍確認や報告義務など、オフィスで働くときより管理がきつくなってしまう場合もあります。その結果、テレワークで働く従業員が窮屈さを感じてしまいやすくなります。

  コミュニケーション不全

テレワークは在宅勤務だけでなく、モバイルワークやサテライトオフィス、コワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で働く状況を総称したものとなります。しかし、今回は新型コロナウイルス感染拡防止という命題があるため、基本的に在宅勤務が中心です。

在宅勤務は自由度こそ高いものの、常に一人で業務を進めるため、オフィスにいるときに生まれるちょっとした会話はなくなってしまいます。そのためコミュニケーション不全から、従業員の不満が溜まりやすくなるのです。

  オフィスワークの従業員とテレワークの従業員の不公平感

前述したように急遽、テレワークを導入したため、テレワーク用の就業規則や評価基準が定まっていない企業も少なくありません。そうなると、オフィスワークとテレワーク、それぞれに対する評価基準が不確かなものになりやすいのです。その結果、オフィスワークの従業員とテレワークの従業員はお互いに不公平感を持ち、それが従業員満足度の減少につながってしまいます。

  帰属意識の減少

オフィスで業務をしているときはなかなか気付かないものですが、出社しない場合、会社に対する帰属意識が薄れてしまう可能性が高まります。その結果、会社や上司などへの信頼感も減少し、従業員満足度も減少しやすくなるでしょう。

テレワークを行う従業員の満足度向上に欠かせないものとは?

前項で挙げたように、テレワークには、従業員満足度を下げてしまいかねないデメリットがいくつかあります。そうしたデメリットを避け、テレワークを行う従業員の満足度を向上させるためにはどういった施策を取ればよいのでしょうか。ここでは、その主な方法を紹介します。

  従業員満足度アンケートの実施

通常、従業員満足度アンケートは年に2~4回程度の頻度で行いますが、テレワークを行っている従業員に対しては、月に1回の頻度でアンケートを実施します。そして、結果から何かしらの課題を発見したら、できるだけ早めにケアを行い、それ以上従業員満足度が減少しないような策を講じるようにします。

注意したいのは、通常の満足度アンケートよりも質問数を減らし、テレワークについてのものに絞って行う点。あくまでもテレワーク業務での満足度を調べるために行うため、それ以外の業務についてのものにまで聞いてしまうと、それ自体が不満の原因となってしまいます。

また、毎月実施するため、質問数が多いだけで従業員の負担となります。それ自体が従業員満足度を下げる要因となりかねないので、質問数についても注意していきましょう。

  テレワーク業務で発生する不満点の迅速な改善

従業員満足度アンケートで出た結果から課題を抽出し、改善を進めます。特に、テレワークをスムーズに進めるための改善はできるだけ早く、従業員にストレスを感じさせないように行いましょう。

たとえば、「ネットワークの充実」「セキュリティソフトの提供」「業務内容に応じたスペックのパソコンを貸与」「業務で使用する紙文書のペーパーレス化」などです。

また、ハード面の整備以外にも、「テレワークに即した就業規則」「評価基準の改善」「頻繁な在籍確認の撤廃」など、できるだけストレスを感じずに働ける環境づくりも同時に行いましょう。

  コミュニケーションの活性化

従業員満足度アンケートの結果を分析した結果、従業員満足度が低下している従業員には月に1回程度、面談の機会を設けます。状況に応じて2週に1回程度、オフィス出社日を設けるのも効果的です。

どうしてもオフィスに出社するのが難しいという従業員には、チャットやWeb会議、電話などを使って定期的なコミュニケーションを実施します。とにかくできるだけコミュニケーションを取り、従業員が疎外感を持たないような施策を進めていくのです。

さらに可能であれば、オフィスにかんたんなカフェや気軽に打ち合わせを行えるミーティングルームを設置します。出社した際にコミュニケーションを取りやすいよう、オフィスレイアウトの改善を行うのも方法のひとつです。

定期的な従業員満足度アンケートの実施でテレワークでも満足度の向上を

新型コロナウイルス感染拡大防止だけでなくさまざまな場所で働けるという点から、今後テレワークは多くの企業でスタンダードな働き方として定着していくでしょう。

しかし、オフィス勤務が当たり前の働き方から大きく転換するため、十分な準備がなされていない場合、さまざまな弊害も生まれやすくなるのです。それにより不満が生まれれば、結果として従業員満足度の低下につながってしまいます。

できる限り定期的に従業員満足度アンケートを実施しましょう。それによりテレワークで働く従業員の状態が把握できるうえ、不満の早期発見や改善につながります。

出典:
◆  (注1)テレワーク導入実態調査結果|東京都(PDF) 

参考:
 HR総研:テレワークの実態に関するアンケート 結果報告(1)|HR総研

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