エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
企業に建設的なフィードバックを与えてくれるロイヤルカスタマー。そんな最重要顧客を育てていくための「ソーシャルメディア活用策」には、いくつかのステップを踏んでいく必要があります。
その中で、「顧客の声の収集」と「顧客インサイトの発見」の2つのステップをクリアすることで、ロイヤルティ向上へのアクションを起こすことができ、ロイヤルカスタマー育成へと繋げられると言われています。
そこで、今回は『ロイヤルティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略』(高見俊介著、株式会社アイ・エム・ジェイ)の第3章をもとに、顧客ロイヤルティ向上へ繋げるための様々な手法を用いて、ステップを一緒に踏んでいきましょう。
目次
プラットフォーム別のコミュニケーションフロー
顧客の声を収集するために代表的な3つのプラットフォームがあります。
ソーシャルメディア:人々が会話を交わす場。ロイヤルカスタマーを育成するには、企業は聴き手として顧客ロイヤルティを把握し、話し手として顧客ロイヤルティを向上させる必要があります。
プライベートコミュニティ:「企業」と「顧客」、「顧客」と「顧客」との間で対話が行われています。
ブランドに関連した特定の関心事がテーマになるので、企業は彼らの対話から企業のサービスや商品開発のヒントとなるインサイトを抽出しやすくなる利点を持ちます。
顧客パネル:調査目的としては、NPS®の把握です。アンケート調査のプラットフォームであり、NPS®をスコアとして把握するだけの質問だけでなく、そのスコアの背景にある理由を探っていくための質問も合わせて行います。
ソーシャルメディア時代に対応した「リスニング&アスキング」の提案
「リスニング&アスキング」とは、ソーシャルリスニングで顧客の語っている言葉を傾聴し、想定していなかった新しい発見から、新たなインサイトを仮説に組み込んでアンケート調査をするものです。
アスキング(アンケート調査)は、質問に対する回答という形式であるため、回答者は左脳的思考で回答を行います。
つまり、頭の中で整理して、質問に対しての最適な答えを導き出します。その結果、回答は論理的で構造的だと言えます。
対してリスニング(ソーシャルリスニング)は、既に起こっている口コミに耳を傾けるというアプローチです。その対象となる口コミはたいてい情緒的で非構造的です。
口コミを記入している人たちには企業に対してフィードバックをしている感覚はありません。そのため、より本音に近い意見を拾うことができます。
ソーシャルリスニングをすることによって、従来の調査方法であったアスキングの弱点を埋めることができ、ソーシャルメディア時代に対応した新しい手法として注目されています。
効率的な「分析軸」と「分析手法」の設定から、口コミを正確に理解する
ソーシャルリスニング(分析ツールを使ってSNS上の声を集め、マーケティング課題に応じて定量、定性の双方から分析を行うアプローチ手法)を行う際、やみくもに口コミの情報を拾っておくことは、決して効率的ではありません。
その場合、あらかじめ「分析軸」と「分析手法」を設定しておくことが重要です。初めに、どういう切り口で傾聴するかという分析軸を設定します。
分析軸を設定する際、ビジネスやマーケティングにおける優先度から設定することをオススメします。
分析手法の設定
分析する際に肝心な、定量分析における測定指標の代表的な手法を5つご紹介します。
定量分析を行い、口コミの全体的な傾向を押さえた後で、インサイトを深く掘り下げていくために、ソーシャルリスニングの定性分析を行います。
基本的に口コミを1件ずつ読み込み、背後のインサイトを紐解いていくという地味な作業です。
しかし、従来の調査方法では得られなかった、消費者の無意識化にある口コミから新たな発見を得られる可能性を秘めているので、対価としては大きいです。
インサイト把握からビジネス改善へと繋げる
ビジネスの改善には、それが「短期的」または「中長期的」かという時間軸の視点と、戦術的な取り組みか、抜本的に改革していく戦略的な取り組みかというアクションレベルの視点が存在します。
これをあらかじめ理解したうえでインサイト把握を行うと、ビジネス改善のアクションに繋げやすくなります。
「中長期的・戦略的」は、人的資源に関わることや、製品開発に関わることなど通常は長期的な期間で見ているビジネス領域です。
「短期的・戦術的」は、カスタマーサポートや店頭接客など、日々の業務推進が中心となる領域です。
「短期的・戦略的」は、配送業務などの物流に関することや製品改造などの領域です。
「中長期的・戦術的」は、プライシングやブランディング(企業が顧客にとって価値のあるブランドを構築するための活動)など、マーケティングにおける上流工程のものとなります。
中長期、また戦略的であればあるほど、そのビジネスに関する意思決定は難しくなります。したがって、中長期的なアクションを短期のアクションに変える努力が非常に重要になってくるのです。
時間軸を早め、迅速なアクションによってなされた小さな改善を世間に周知していくことにより、その小さな改善にレバレッジ効果(手持ちの資金よりも多い金額を動かすこと)が生まれるでしょう。
最後に
これまで多くの企業が顧客の声を収集し、そこからサービス品質を改善する努力を行ってきました。
そうした中で、顧客が企業に対する信頼や安心感を深め、ロイヤルティへと繋げていくためには、「リスニング・ファースト」という、ソーシャルメディアに参加して顧客との会話を行っていくというステップが改めて重要であるということが近年わかってきたことです。
そして、顧客の声に耳を傾ける行為自体が、顧客ロイヤルティ向上に繋がる一番のアクションであると言っても過言ではありません。
顧客は常に変化しています。変わらなければいけないのは企業の顧客に対するスタンスなのです。
お互いの関係性を構築し、強化することで、顧客ロイヤルティ向上へのラストステップを踏むことができるのです。
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