エモーションテック 編集部
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今や、身も心も満たしてくれる“街頭のオアシス”として、世界中に存在を確立しているスターバックスコーヒー。着実にファン数を増やし、スターバックスのロゴが入った白い紙カップを片手に出勤しているサラリーマンを道端で見ない日はないくらいです。
しかし、スターバックスはテレビCMや広告チラシなどに費用をほとんどかけていません。そこで今回は、スターバックスがどのようなマーケティング戦略で成功を築いていったのかを見ていきましょう。
「ソーシャル活用売上ランキング1位」と成功を収める
スターバックスは、“日経デジタルマーケティング”調べによると、「第4回ソーシャル活用売上ランキング」で1位を獲得しています。前年は9位だったことから、飛躍的に向上したことが分かります。
特に、テレビCMや広告チラシをあまり利用しないスターバックスにとって、ソーシャルメディアを有効に活用できるかどうかは売上に大きく関わるため、この1位という順位は何よりの結果だったのではないでしょうか。
ソーシャルメディアや口コミをうまく活用したスターバックスですが、その活用までには、伸び悩んでいる課題としっかり向き合い、改善方法を見出し、新しいものをどう取り入れていくのかといったことを実践してきた背景がありました。
成功の裏には、失敗を積み重ねてきた過去が
1971年にアメリカ合衆国のシアトルで開業したスターバックス。1998年にはフラペチーノを広めようとテレビCMを利用しましたが、なかなか効果が得られず、すぐに放送を中止しました。
そこでテレビCMによる広告ではなく、顧客が直接スターバックスを体験できるサービスを始めました。それは、店舗での新商品のテイスティングです。
テイスティングを振舞うと、顧客の「美味しい」という声や表情を見ることができました。そういった実際の反応や意見を参考に、新商品を押していくかどうかの判断を下すことができたのです。
テレビCMを見るだけでは商品の味は理解してもらいませんし、顧客の反応を伺うこともできません。テイスティングによって、直接顧客との交流を深めることが売上を伸ばす秘訣だと、失敗を乗り越えてスターバックスは証明してみせました。
スタバが「強いブランド」を構築するために実践したマーケティング戦略
居心地の良い空間の提供
1996年に日本に上陸したスターバックスですが、当時の日本で主流だったコーヒーチェーン店は、一杯150円前後の格安路線で、サラリーマンが一服する場としての位置づけでした。
しかし、スターバックスはコーヒー一杯300円近くと倍の価格に加え、店内禁煙という元来のコーヒーチェーン店の文化とは真逆のものであり、日本にはあまりマッチしないのでは?と思われていました。
しかし、それまでには考えられなかった洗練された内装や、ゆったりくつろげるソファなどを設置することにより、順調にファンを獲得し、店舗数を拡大させていきました。
さらにスターバックスは、顧客からの「なぜアメリカの店舗にはWi-Fiがあるのに、日本にはないのか。」という声に耳を傾け、電源やWi-Fiなど各環境を整え、よりよい店舗改善に努めました。
今では、店内でコーヒーを飲みながら、ノートPCで仕事をしている顧客をよく見かけます。待ち合わせやミーティングの場にも使われるなど、幅広い面で利用したくなる、顧客の声を取り入れた“居心地の良い空間”こそが、スターバックスの大きな強みなのです。
お客様とのコミュニケーションの重要性
スターバックスはもとより、大勢の人にコーヒーを味わってもらいたいという強い気持ちがあります。スターバックスが始めたテイスティングサービスの目的としては、販売促進よりも商品の良さを分かってもらいたいという想いがあるのです。
従業員と顧客が直接コミュニケーションを取ることで、商品に対するスキルや情熱を分かち合い、その実際の体験が評判となって人から人へと広まっていきます。
そういった顧客との関わりを大切にすることで、何度もリピートしてくれる“本物のファン”を作っていくことができるのです。
「スタッフ=パートナー」お客様同様、“大切な存在”への位置付け
高品質なコーヒー、そして居心地の良い空間。でも、接客が悪かったらまた来ようとは思いませんよね?
スターバックスは従業員を“パートナー”と呼び、顧客同様に“大切な存在”として認識しています。入ったばかりの従業員には70時間もの教育時間を要し、しっかりとスターバックスの経営理念を理解してもらいます。従業員に店の価値観を共有し、自分も“パートナー”になりたいと思ってもらうことで、より良い人材を育てていくことができるのです。
独自のSNS活用
スターバックスのFacebookページは、2013年に過去最高の投稿リーチ率を叩き出しました。さらに、口コミの力をより大きくしようと考えたスターバックス本部は、twitterでの拡散に新たな目を向けました。
その結果、Twitterのフォロワー数はFacebookのファン数を一時期40万ほど上回り、リツイートの拡散で新商品が話題になると、初日の売り上げが予測の2〜3倍になるケースもありました。
新商品ではない商品の紹介をツイートすることも、売上の向上に繋がります。
このようなスターバックスのSNS活用法は、テレビCM以上と言える何よりの宣伝効果をもたらしているのです。
まとめ
テレビCM・広告チラシなどの広告費用を削減し、顧客と直接関わりを持つというスターバックスのマーケティング戦略は、ありのままを伝える顧客体験を創造しました。また、より良い顧客体験の探求は、さらに商品・サービスの改善・開発を導くことに成功しました。
顧客と直接関わることでブランドの良さを伝え、顧客が自らTwitterやFacebookで情報を共有・拡散することによって、宣伝費用をあまりかけずに利益を生み出します。
そして、お客様とのコミュニケーションや、快適な空間の提供、人と人との些細な気配りを生み出す店舗内の自然な空気が、「スターバックス」というブランドを確立させているのです。
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