エモーションテック 編集部
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創業から10年で年商1000億を超え、Amazonが800億円で買収したアメリカのアパレル関連の通販サイトZapposという企業があります。
かつて、フォーチュンが選ぶ「働きがいのある企業ランキング」で6位にランクインたこともある企業です。Zapposは、顧客満足の向上にも非常に熱心に取り組んでいることでも有名です。 今回は、Zapposが掲げていた、顧客満足を高めるための10個の秘訣を紹介します。
Zapposが掲げる10のコアバリュー
高い顧客満足を誇るZapposは企業の理念としてこの様な10個のコアバリューを掲げています。
1.サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける
2.変化を受け入れ、変化を推進する
3.楽しさとちょっと変なものを創造する
4.冒険好きで、創造的で、オープン・マインドであれ
5.成長と学びを追求する
6.コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
7.ポジティブなチームとファミリー精神を築く
8.より少ないものからより多くの成果を
9.情熱と強い意志を持て
10.謙虚であれ
(出典: ザッポスの企業文化はどこがすごいのか? – ダイヤモンド・オンライン )
コアバリューがなぜ顧客満足につながっているのか
ここからは、Zapposの10個のコアバリューが、顧客満足ひいては従業員満足にどうつながっているのかを3つの視点から紹介します。
第1の理由:個の尊重
Zapposは従業員の個性を非常に大切にしています。例えば、自分のデスクを自由に装飾するだけでなく、会議室などの共有スペースまで飾り付けをすることが許可されています。
さらに、各チームの入口のゲートや座席のネームプレートまで、各チームがお互いに楽しみながらデコレーションをし、それぞれの出来栄えを競い合っています。
これは先ほどあげた10個のコアバリューの内、「創造力」の発揮、「チーム力」の獲得にもつながってきているようです。
第2の理由:自分で判断できる余地が広い
Zapposは従業員のそれぞれが自由に判断できる裁量が大きいことも特徴の一つです。例えば、他企業の多くのコールセンターの場合は、電話対応の時間を短くすることがいいことだとされています。しかし、Zapposは問題が解決するまで従業員が好きなだけ電話対応に時間を使ってもいいことになっています。
さらに、この様なエピソードもあります。
「自宅の鍵とケータイを会社に忘れてきた男性が、パソコンからザッポスのライブチャットに入ってきて、『家の中にいる娘に表玄関の鍵を開けるように電話してほしい』と頼んできた。それですぐに対応したんだ。すごく喜んでもらえたよ」
これはコアバリューの1番の「ワオ!」という驚きの体験を提供する、という考え方につながっています。
第3の理由:マニュアルが存在しない
Zapposは毎日数百件単位でコールセンターの電話が鳴ります。多くの従業員がこれらの電話に対応していますが、Zapposには実は対応のマニュアルがありません。
これは、最初に紹介した10個のコアバリューを対応する全ての従業員が自分のもののように理解することができているからです。
この様に、コアバリューが従業員にしっかりと浸透している理由の一つは、「採用」から注力しているからです。 Zapposでは、入社希望者が、入社後も友人や家族のように付き合える人物かどうかを判断するために何度でも面接をする、という方法をとっています。 一見、コアバリューの浸透と面接を何度でも繰り返すことは関係無いように見えますが、 「Zapposにいるのが楽しい。いつもZapposにいたい」 とお互いに感じられる人を雇うことで、企業文化が従業員の間に根付きやすくなるという効果があります。
このように、従業員間の心理的な距離が近いことが、マニュアルがなくても高い顧客満足を獲得することができる理由になります。
まとめ
最初に、Zapposは顧客満足の向上に熱心に取り組んでいると紹介しました。しかし、実際は、従業員満足の向上を行うことによって、顧客満足の向上がなされている側面があることがわかりました。
それは、Zapposの従業員が、自分たちの会社の活動を通じて顧客を幸せにしたい、と考えることが顧客の満足の向上につながるからです。この様に、顧客満足だけを高めようとせずに、同時に従業員満足の向上も考慮するようにしてみると、相乗効果を期待することができるのではないでしょうか。
(※トップ画像:引用元)
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