LTVとは?計算方法と向上させるための秘訣 | 株式会社エモーションテック

LTVとは?計算方法と向上させるための秘訣

更新日:2026.02.17

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エモーションテック 編集部

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LTVとはLife Time Value の略で、日本語では顧客生涯価値と訳されます。ある顧客がサービスや商品に対し、もたらす利益の総額を算出した数値になります。

主に、何かしらのキャンペーンを行う際、ターゲットを選定するためのセグメント分類や、どの程度キャンペーンに費用をかけることができるかを考える際の参考指標として活用されます。

LTVを向上させるためには、どれだけサービスや商品に愛着を持ってもらえるかといった顧客ロイヤルティが非常に重要な要素となってきます。

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LTVとは?

LTV(Life Time Value)とは、一人の顧客が企業との取引を開始してから終了するまでの全期間において、その企業にもたらす総利益を指す指標です。日本語では「顧客生涯価値」と訳され、単発の購入額ではなく、顧客との長期的な関係性から生まれる価値全体を数値化したものです。

たとえば、月額1,000円のサブスクリプションサービスを3年間継続利用する顧客のLTVは、単純計算で36,000円となります。この視点を持つことで、企業は目先の売上だけでなく、顧客との持続的な関係構築に投資する意義を明確に理解できます。

LTV計算方法

LTVの計算方法はビジネスモデルによって異なりますが、基本的な考え方は「顧客が生み出す総収益から、その顧客にかかったコストを差し引いた純利益」です。ここでは、業態別に使い分けられる代表的な4つの計算式を紹介します。

1. 基本的なLTV算出式(全業種共通)

最もシンプルな計算方法は、一定期間の総利益を顧客数で割る方法です。

LTV = 総利益 ÷ 顧客数

2. EC・小売業向けの計算式

購入単価とリピート率が重要な業態では、以下の式が実用的です。

LTV = 平均購入単価 × 購買頻度 × 継続期間

例:平均単価5,000円、年4回購入、平均継続期間3年の場合
LTV = 5,000円 × 4回 × 3年 = 60,000円

3. SaaS・サブスクリプション向けの計算式

月額課金型のビジネスでは、解約率(チャーン率)を用いて算出します。

LTV = 月額料金 ÷ チャーン率(月次解約率)

例:月額10,000円、月次解約率5%の場合
LTV = 10,000円 ÷ 0.05 = 200,000円

4. 実質的な利益を測る「実質的LTV」

最も正確な投資対効果を測るには、コストを考慮した以下の式を使います。

LTV = (売上高 – 原価)× 購買頻度 × 継続期間 – (顧客獲得費用 + 維持費用)

また、マーク・ジェフリー著『データ・ドリブン・マーケティング』(※1)では、ファイナンスの考え方を取り入れてディスカウントレートを反映させた、LTVの算出方法が紹介されています。

LTVを算出する際は5年程度の期間を見積りますが、一般的に時間の経過による利回りを考慮した場合、金銭の現在価値と将来価値では差額が生じてしまいます。

なぜなら、例えば手元にある100万円を仮に5年間資産運用に回して8%の利益が得られた場合、現在の100万円は108万円の価値を持つことになるからです。

このように現在の100万円のほうが将来の100万円よりも価値が高いと考えられるため、その差額を割り引いて計算することで、より正確なLTVを算出することが可能になります。

ディスカウントレートをrと置いて反映させた計算式は下記のものとなります。

LTVを向上させるための3つの基本戦略

LTVを高めるアプローチは、計算式の構成要素から逆算すると明確になります。「購入単価を上げる」「購買頻度を上げる」「継続期間を延ばす」の3つです。ただし、単に価格を上げたり、営業を強化したりするのではなく、顧客体験の質を高めることで自然にこれらの数値を改善することが理想的です。

1. 購入単価の向上:アップセル・クロスセルの推進

顧客が現在利用しているプランより上位のものを提案する「アップセル」や、関連商品をあわせて購入してもらう「クロスセル」が有効です。重要なのは、強引な提案ではなく、顧客の課題解決に繋がる文脈での提案です。顧客にとって価値ある提案であれば、単価向上と満足度向上を同時に実現できます。

2. 購買頻度の向上:リマインドとファン化の促進

定期的な接触によるブランド想起の維持が重要です。消耗品であれば「そろそろなくなる頃」にリマインド通知を送る、メルマガやSNSを通じて価値ある情報を提供し続けるなど、顧客との接点を増やす施策が効果的です。顧客をファンへと育てることで、自発的な購買を促します。

3. 継続期間の延長(解約防止):ロイヤルティ向上

LTV改善において最もインパクトが大きいのが、顧客を離脱させないことです。カスタマーサクセスによる伴走支援、不満の早期発見と解消、継続利用のメリット提供など、顧客ロイヤルティを高める施策に投資することで、長期的な関係を構築できます。

LTVとNPS®(ネットプロモータースコア)の密接な関係

LTVは「結果の指標」ですが未来のLTVを予測する先行指標となるのがNPS(ネットプロモータースコア)です。顧客がその企業を他者に薦めたいと思う度合い(推奨意向)が高いほど、継続利用期間が長くなり、結果としてLTVが向上することが、多くの研究で実証されています。

なぜNPSが高い顧客はLTVも高いのか?

NPSは、「この商品・サービスを友人や同僚に薦める可能性はどのくらいですか?」という質問に対し、0〜10点で評価してもらう指標です。9〜10点をつけた顧客を「推奨者」、0〜6点をつけた顧客を「批判者」と分類します。

解約率の劇的な差
推奨者は批判者に比べて解約率が圧倒的に低く、LTVの構成要素である「継続期間」を大きく押し上げます。ある調査では、推奨者の解約率は批判者の1/5以下というデータもあります。

追加購入への前向きな姿勢
ブランドへの信頼が厚い推奨者は、新しい提案(アップセル・クロスセル)を受け入れやすく、結果として購入単価も向上します。

口コミによる新規顧客獲得
推奨者が友人や同僚に商品を薦めることで、新規顧客を獲得できます。これにより実質的な顧客獲得コスト(CAC)が下がり、全体としてのLTVが最大化されます。

感情データがLTVの「伸び代」を可視化する

現在の売上(LTV)が同じ顧客でも、NPSが低い顧客は「いつ離脱してもおかしくない」ハイリスクな状態です。一方、今はLTVが低くてもNPSが高い顧客は、将来的に優良顧客へと育つ可能性を秘めています。

収益データ(LTV)に感情データ(NPS)を掛け合わせることで、どの顧客セグメントにリソースを集中すべきかが明確になります。これが、データドリブンなCXマネジメントの本質です。

具体的には下図のような、縦軸にLTV、横軸にNPS®を取り、顧客を分類します。

そのうえで、どのような価値を感じている顧客がNPS®とLTVの両方が高い最優良顧客になるか分析し最もコストがかかるキャンペーンを「広報担当者」セグメントや場合によっては中立者セグメントに行うことでキャンペーンのリターンを最大化することができます。

NPS®の詳細についてはDL資料に詳しく乗っているので、是非ご一読ください。

よくある質問(FAQ)

Q:LTVを改善するのに一番即効性があるのはどれですか?
A:ビジネスモデルによりますが、一般的には「解約率の改善(継続期間の延長)」が最も利益へのインパクトが大きくなります。既存顧客へのアプローチは新規獲得よりコストが低いためです。

Q:NPSと顧客満足度(CS)はどう違いますか? LTVに関係ありますか?
A:CSは過去の取引への満足度ですが、NPSは「今後の利用継続や推奨」を問うため、将来の収益(LTV)との相関がより強いとされています。

Q:小規模なビジネスでもLTVを意識すべきですか?
A:はい、むしろリソースの限られた小規模ビジネスこそ、1人の顧客と長く付き合うLTVの視点が重要です。

Q:LTVとCACの理想的な比率は?
A:SaaSなどでは、LTV/CAC > 3(LTVが獲得コストの3倍以上)が健全なビジネスの目安とされています。
Q:解約した顧客のLTVはどう考えればいいですか?
A:解約後のLTVは確定値となりますが、その顧客がなぜ離脱したかのデータを分析し、現在利用中の顧客のLTV向上に活かすことが重要です。

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