エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
リピーターとは?
リピーターとは、その企業に愛着を持って何度も繰り返し購入・利用してくれる顧客のことです。
リピーターといっても、「購入頻度が低く購入金額も少ない顧客」「購入頻度は低いが購入金額は多い顧客」「購入頻度は高いが購入金額は少ない顧客」「購入頻度が高く購入金額も多い顧客」の4タイプに分けられます。
この中でも「購入頻度が高く購入金額も多い顧客」が企業にとって理想のリピーターといえるでしょう。顧客ロイヤルティが高まると購入頻度も購入金額も増える傾向があります。
そのため、良質なリピーターを増やすためには、顧客ロイヤルティを高めることがポイントになるのです。
どのようなビジネスであっても、新規顧客を獲得するコストは既存客を維持するコストに比べて5~25倍かかるといわれています。
既存客はすでに商品やサービスの価値を知っているため、獲得するために大きなコストをかける必要がありません。
また、リピーターを増やすということは顧客獲得コストを抑えるだけでなく、既存顧客の購入回数や購入金額が増えるため売り上げアップにつながります。
そのため、リピーターを増やすことができれば収益性は大きく高まるのです。
アメリカの大手コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーのライクヘルド氏によると顧客維持率を5%改善すると収益が25%~85%改善するとされています。
また、リピート意向と口コミを広める可能性に関しても非常に強い関係性があることが知られています。
特に初めて商品を購入する際には、友人や知人の口コミが購買の意思決定に強く影響するものです。
リピーターは商品やサービスに愛着を持っていますので、お気に入りの商品やお店として友人・知人に紹介してくれる口コミ効果が期待できるでしょう。ロイヤルティの高いリピーターを増やすことが新規顧客獲得にもつながるのです。
どのようにリピーターを増やすべきか?
一度購入・利用した顧客にリピーターになってもらうためには、商品やサービスに愛着を持ってもらうことが何よりも大切です。
顧客をロイヤルティカスタマー化することができれば、売り上げもアップしてビジネスの成長速度も高まるでしょう。
そのためには顧客ロイヤルティをどう形成するかということが重要なポイントになります。
リピーターを増やすためには、まず現在の顧客ロイヤルティを正確に把握しなければなりません。顧客が自社の商品やサービスに抱いている愛着度を測ることができれば、課題もみえてくるでしょう。
顧客ロイヤルティを計測するのに適している指標にNPS®¹があります。
NPS®とはアメリカの大手コンサルティング会社であるベイン・アンド・カンパニー社のフレドリック・F・ライクヘルド氏がハーバードビジネスレビューで提唱した指標で、「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の頭文字を取ってNPS®と呼ばれます。
NPS®を計測する際は「友人にすすめたいか」という質問に対して、おすすめ度を0~10点で評価してもらう方法で行うのが一般的です。
おすすめ度9~10点を付けた「推奨者」の割合から0~6点を付けた「批判者」の割合を引いた数値がNPS®のスコアとなります。例えば、推奨者が50%、批判者が20%の場合、「50-20=30」でNPS®のスコアは30となります。
顧客ロイヤルティの高い推奨者は企業にとって理想の顧客であり、NPS®を高めるためにはプ推奨者を増やし、批判者を減らすことが大切です。
特に最近ではSNSやブログによって拡散された口コミや投稿された写真が購入の動機付けとなることも多く、NPS®を高める効果は大きいといえるでしょう。
NPS®は収益性と強い相関関係があることが知られており、フォーチュン500(欧米の売り上げ上位企業)の3分の1以上の企業が導入しているといわれています。
実際に弊社が行った女性向けアパレルブランドの調査でもNPS®が高いほど購入頻度が高く、よりリピートしていることが分かりました。
リピーター獲得事例:アパレル大手ブランド ロぺピクニック
リピーター獲得の成功事例としてアパレル大手のロぺピクニックを紹介します。
アパレル業界は少子高齢化の影響もあり、売り上げは減少傾向となっています。
そのため、ブランド間の競争も激化しており、長期にわたって自社ブランドを利用するロイヤルティの高い顧客を生み出すことが大きな課題となっているのです。
ロぺピクニックでは2014年から多くのテレビCMや雑誌・WEB広告を積極的に展開し、新規顧客の獲得に成功しました。
しかし、一旦はブランド認知されたものの顧客にロイヤルティを感じさせることができなかったため、リピート率は1年半以上もの間減少しつづけ、売り上げも下降し始めたのです。
そこで、NPS®を活用して顧客ロイヤルティを可視化し、リピーター獲得の障壁になっている具体的な課題を分析しました。
分析の結果、ポイントカードを出すことが面倒という体験がロイヤルティを押し下げていることが分かりました。
リピーターを増やすための施策として行っていたポイントカードが、かえってマイナスに作用していたのです。
また、店舗スタッフには親しみやすさを感じており、これがロイヤルティ向上に寄与していることも判明しました。
さらに、店舗スタッフに親しみを感じている顧客は、スタッフを身近なモデルとして捉えており、コーデを参考にしたり、相談したりするためにリピートしていることも分かったのです。
ポイントカード機能をスマホアプリに搭載することで、ロイヤルティを押し下げている原因であるポイントカードを出す面倒さを解消しました。
また、ロイヤルティが高い店舗での接客方法をベストプラクティスとして全国に展開することでロイヤルティの向上を図りました。
そのうえで、いつも来店する店舗スタッフをより身近に感じてもらうために、WEB上サイトのスタッフコーデのコンテンツを増やしたのです。
これにより顧客ロイヤルティが高まり、リピート率は改善し、売り上げも上昇傾向に回復しました。
顧客のロイヤルティを高めリピーターを増やすためには、ブランド認知から購入後のサポートまで顧客が体験するカスタマージャーニーを顧客視点で見直すことが大切です。
ロイヤルティに影響する顧客接点をすべてチェックすれば、NPS®を高めるための施策もみえてくるでしょう。
リピーターを増やすためには、一時的な顧客調査や分析だけでなく継続的に顧客の状態を把握することが大切です。
定期的にNPS®をチェックして、ロイヤルティ向上のための改善策を継続的に実施していきましょう。
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