課題発見につながるアンケートとは?作成方法を紹介 | 株式会社エモーションテック

課題発見につながるアンケートとは?作成方法を紹介

更新日:2024.08.01

このコラムの執筆者
Avatar photo
エモーションテック 編集部

NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。

アンケートの設問設計について知りたいとお考えでしょうか。
アンケート調査と一言に言っても、その調査目的や活用方法によって、アンケートの作成方法も異なります。
本記事では、課題を発見するための質問項目の考え方から、アンケートの回答率向上の方法までわかりやすくご紹介します。

EmotionTechのサービスわかる資料(概要・支援実績)をダウンロードする

課題発見を可能にするアンケートを作るための流れ

課題をしっかりと発見できるようなアンケートを作成するためには、以下の3つのポイントを押えることが重要です。

1.調査の目的を明確にする
2.課題が見えるような質問設計を行う
3.回答率を高める工夫を行う

以下では上記3つのポイントを詳しく解説していきます。

アンケートを作るための流れ①調査目的を明確にする

調査目的はアンケートの根幹でもあるため、もっとも重要な部分です。そのため、アンケートを本格的に作成する前にしっかりと明確にしておくことが重要になります。調査目的の重要性については知っている人が多いにもかかわらず、中途半端な目的を掲げて終わってしまっている人がほとんどですので、ここで詳しく見ていくことにしましょう。

調査目的というのは、アンケートを実施することでその企業が最終的に達成したい目的のことです。例えば、『売上を上げたい』という企業もあれば、『顧客満足度を高めたい』という企業もあるでしょう。また、『口コミを広げていきたい』や『リピート率を改善したい』という企業もあるかもしれません。

この部分については企業が抱えるそれぞれの課題によって変わってくるため、一概には言えませんが、目的がぼんやりとしている場合には現状分析がしっかりとできていない証拠です。

もし、自社が抱える問題点や課題が見えてこず、目的を明確にすることができないと思っているのであれば、現状把握から始めることをおすすめします。既存事業や既存商品・サービスなどにおける顧客との接点を細かく洗い出して、どこに問題がありそうか?という仮説を立てていくことが大切です。

この仮説に基づいて目的を明確にできたら、アンケートから得るべきゴールと目標を設定しましょう。調査目的とゴールや目標というのは似ていますが、明確に異なります。

調査目的はあくまでも企業が改善したい課題やテーマを意味していますが、ゴールというのは目的を達成するための最終的に必要なアクションであり、目標というのは目的を達成するためにアンケート調査から行わなければならないアクションを意味しています。例えば、顧客満足度調査をしようとした場合、目的は顧客満足度の向上です。

一方、目標は営業やサポートセンター、商品自体などセグメント別に問題点を洗い出すことであり、最終的なアクションプランであるゴールは部門ごとに顧客満足度向上のための施策を用意し実施することとなります。ここの部分をしっかりと考えておくことで、アンケート作成をスムーズに進めることができます。

アンケートを作るための流れ②課題が見えるような質問設計をする

調査目的を明確にすることができたら、次は実際に質問を作っていきましょう。アンケートの質問を考える際にもっとも大切なのは、『誰がどのような問題を抱えているのか?』ということを明確にすることができるような質問を作っていくことです。

そのためには、大きく『属性質問』、『総合評価質問』、そして総合評価に何が影響を与えているか明確にするための『詳細要因質問』の3つの項目が必要になります。

属性質問

課題がわかったとしても、『誰が』というペルソナの部分が抜け落ちていると、その後の具体的なアクションプランにつなげることが難しくなります。このペルソナを明確にしながら、質問を作っていくためには『属性質問』を必ず入れることが大切です。属性質問は年齢や性別など、もっとも基本的なデータ部分ですが、特徴に差が出ないような項目を設けても意味がありません。

例えば、女性・若者向けファッションブランドが行うアンケート調査で年齢や性別に関する項目を多く取り入れたところであまり意味がありません。なぜなら、これらの項目はアンケートの立案段階である程度分かっていることだからです。一方、生命保険のリピート率の向上を目的に行われる調査を例に挙げれば、契約者の年齢や家族構成といった項目は非常に重要になります。どのような年齢のどんな家族構成の人たちから高い評価を得ていて、不満を抱えられているのかということを明らかにすることは生命保険という商品の特性上、重要な要素だからです。

総合評価質問

さらに、目的に応じた『総合評価質問』や、その評価をした理由を記述する『影響要因質問』についても重要です。『総合評価質問』というのは商品やサービスに関する顧客の総合的な評価を調査する項目ですが、調査目的によってどのような質問をすべきかどうかは大きく異なります。例えば、売上向上を目的に行われる調査の場合には、利用頻度や購買頻度、単価など収益性と直結するような指標を入れることが大切です。ほかにも、顧客ロイヤルティの調査が目的なのであれば満足度や推奨度といった指標を取り入れることが重要です。

詳細要因質問

この『総合評価質問』の答えを下支えする項目が『詳細要因質問』です。ここはアンケート結果から具体的な課題を導きただすためにとても重要な項目になります。例えば、生命保険会社を例にとると、下図のように生命保険という商品を顧客が知ってから実際に加入し、サービスを受けるまでの一連の流れを細分化して顧客体験を細かく見ていきます。細分化した顧客体験が総合評価質問の点数をつけるにあたり、どの程度プラス、もしくはマイナスに影響したかを質問することで、どの部分に課題があるのかが明確にわかってくるのです。

関連記事:
NPS®調査事例:大手生命保険会社のモデルケース

アンケートを作るための流れ③回答率を飛躍的にアップさせるコツ

最後に、アンケートの回答率を上げるためにはどのようなポイントがあるのかを見ていきましょう。結論からいうと、『シンプルな質問設計を心掛ける』、『進捗状況がわかるようにする』、『インセンティブを付与する』の3点がポイントとして考えられます。

1つ目のシンプルな質問設計というのは、回答者の負担を減らすための施策です。目的を達成するためには、聞きたいことがたくさんあるはずです。しかし、それをすべて聞いていたらアンケートの質問項目は膨大な量になってしまいます。さらに、選択式の質問よりも記述式の質問のほうが顧客の本音を反映しやすいというメリットはあるものの、記述式の質問ばかりになってしまうと回答に時間がかかり、途中で離脱したり回答率が極端に悪くなったりする傾向にあります。そのため、質問設計はできるだけシンプルで洗練されたものにするよう心がけましょう。

2つ目の進捗状況というのは、自分が今、アンケート全体のどのくらいの位置にいるのかを示すということです。インターネットにおけるアンケート調査などではツールなどを使って行われるのが一般的です。画面の上部に進捗状況が%表示され、あとどれくらいでアンケートが終わるのかを直感的にわかるような施策をすると、離脱率が低くなり、回答率が上がる傾向にあります。

最後のインセンティブは、いわゆるアンケート回答者に付与するプレゼントのことです。可能であれば回答者1人ひとりにポイントや金銭を付与することが望ましいですが、予算的に厳しいという場合には抽選でインセンティブを付与するという制度を採用すればコストを押えつつ回答率を上げることができます。いずれの施策も効果が認められているものばかりですので、実施できそうなところから順次取り組んでいくといいでしょう。

アンケート例掲載:自動車業界調査レポート

自動車業界においてアンケート調査を実施し、ブランドごとのロイヤルティ、顧客セグメントごとにどのように評価背れているのか分析したレポートです。

ロイヤルティに関して高い評価を得ているブランドがわかるランキングや、質問設計、分析の方法まで幅広く参考にしていただける内容になっているため是非ダウンロードしてご確認ください。

よく読まれているコラム

すべてのコラムを見る

直近のセミナーイベント

セミナーをもっと見る