ブランド・エクイティとは?ブランド構築成功事例を紹介! | 株式会社エモーションテック

ブランド・エクイティとは?ブランド構築成功事例を紹介!

更新日:2024.07.25

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エモーションテック 編集部

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目には見えないブランドの価値を表す「ブランド・エクイティ」を戦略的に活用することは、競争力の向上と長期的な成功につながります。本記事では、ブランド・エクイティの概念から、実践的な例を踏まえてブランド戦略を構築する方法をご紹介します。

ブランド・エクイティとは?

ブランド・エクイティとは、ブランドの持つ資産の集合体を表します。洋服などに代表されるように、ブランドが商品の値段や価値に大きな影響を与えている例は少なくありません。このブランドが消費者に与える目には見えない価値を表したものがブランド・エクイティという概念です。この概念はカリフォルニア大学バークレー校の研究者であったデイビッド・アーカーが提唱したもので、ブランド名やそのブランドが掲げるシンボルなどと結びついた価値の集合体をブランド・エクイティと呼びました。通常、資産というのは将来、利益を生み出すことが見込まれるものを指しますが、ブランド・エクイティの場合はその中に負債も含めて表現されることが一般的です。つまり、ブランドの持つプラスの面だけでなく、マイナスの面も含めた総合的な価値ということです。

例えば、スターバックスコーヒーは業態だけを見ればカフェや喫茶店という括りです。それなのにも関わらず世界中でここまで評価され、根強いリピーターやファンを獲得しているというのは、まさにブランド・エクイティの賜物です。また、アメリカで黒字経営を続ける航空会社であるサウスウエスト航空も同じです。VIPラウンジがなかったり、ファーストクラスがなかったりするのは一見するとコストの削減をしすぎているような印象がありますが、このような独自の戦略をとることで顧客とよりフレンドリーな関係を築くことに成功しています。

ブランド・エクイティを確立することのメリット

このブランド・エクイティを確立することによって、消費者と企業双方に大きなメリットがあります。消費者の側からすると、商品購入に対する安心感や商品への満足度を高める効果があります。さらに、商品によっては人と違うものを持っているという優越感や自信にもつながるのです。一方、企業にとっては既存顧客の満足度を高めることによりバイラルを起こし、新規顧客の獲得につなげることができます。ブランド・エクイティを高め続けることができれば、新規で獲得した顧客はリピーターとなり、ブランド・ロイヤルティを獲得するいいサイクルが生まれます。

このほかにも、熾烈な価格競争からの解放やプレミア価格の提示などをすることもできたり、ブランドを拡張させて成長の機会を与えることもできます。流通業者においてはブランドネームを利用することによって取引の不確実性をなくすこともでき、企業側にとってはより安定した経営を実現させる大きな要因になってくれるのです。

ブランド・エクイティの構成要素

この概念の提唱者であるデイビッド・アーカーによれば、ブランド・エクイティは5つの構成要素で成り立っているといいます。構成要素には、名前の認知、知覚品質、ブランド・ロイヤルティ、ブランドの連想、他の所有権のあるブランド資産の5つがあります。抽象的なブランド・エクイティという概念を細分化することによって、より理解しやすくなるしょう。

名前の認知

1つめの名前の認知というのは、その名の通りブランドが認知されている度合いのことをいいます。知らないブランドよりも知っているブランドはより安心感があり、選択される可能性はより高くなります。一般的に名前の認知という場合、ただ単に商品名やブランド名を知っているというだけでなく、そのブランドの詳細を理解しているという意味で使われることが多くなってきています。

知覚品質

2つめの知覚品質というのは、そのブランドの持つ品質イメージです。注意すべきなのは、企業側が想定している事実としての品質ではなく、あくまでも消費者が感じているそのブランドへの品質であるという点です。この品質には、性能などだけではなく、信頼性や漠然とした雰囲気なども含まれています。

ブランド・ロイヤルティ

3つめのブランド・ロイヤルティは、ひとことでいうと「愛着度合い」と表現されます。ブランド・ロイヤルティが高ければ高いほどリピート率は上昇し、安定的なビジネス構築に役立ちます。既存顧客のロイヤルティが高いということは、それだけそのブランドに愛着を抱いており、ちょっとしたことでは競合他社の製品やサービスに乗り換えることはありません。

ブランド連想

4つめのブランドの連想というのは、消費者がブランド名を聞いたときに連想するブランドイメージです。例えば、ベンツに乗っている人=お金持ちというイメージやアメリカンエキスプレス=信頼性・ステータス性というようなブランドイメージのことをいいます。この連想が弱いブランドというのは感情移入されることも少なく、3つめのブランド・ロイヤルティを獲得するのは難しくなってきます。

その他所有権のあるブランド資産

最後の他の所有権のあるブランド資産というのは、ブランド以外の無形資産をいいます。例えば、特許や商標権、クライアントとの関係性などが代表的な例です。これらの要素もブランド・エクイティを構成するうえでは非常に重要になり、場合によってはこれだけで競合優位性を獲得することができることもあります。

ブランド・エクイティの構成

ブランド・エクイティ測定方法

ブランド・エクイティを測定するには大きく分けて「ブランドをリプレイスするのにかかる費用から概算する方法」、「財務で活用する指標を使って概算する方法」、「NPS®を活用して評価を可視化する方法」の3つの方法があります。

ブランドをリプレイスするのにかかる費用から概算

1つめの「ブランドをリプレイスするのにかかる費用から概算する方法」というのは、そのブランドの商圏外に店舗等を出店した際にかかる費用から計算するということです。

ブランドをリプレイスするためにかかる費用も、「アイデンティティ確立のための費用」、「認知獲得のための費用」、「顧客維持のための費用」の3つに分けることができます。
ブランドのアイデンティティというのは、そのブランドならではのイメージです。
言い方を変えればそのブランドのUSPともいえるでしょう。

具体的には、ロゴ制作費用やキャッチコピーの宣伝、Webサイトの構築などにかかる費用がこれに分類されます。認知獲得のための費用もアイデンティティ確立のための費用に近いですが、微妙に異なります。認知獲得のためにかかる費用というのは直接的な広告宣伝費などで、Web広告や雑誌、TVCMなどの出向費用が当てはまります。一方、顧客維持にかかる費用というのは、CRMツールにかかる費用などが一般的です。ただ、ここにはリードナーチャリングにかかる費用やリテンションに掛かる費用なども分類されることに注意しましょう。

財務情報を用いた概算方法

2つめの「財務で活用する指標を使って概算する方法」というのは、いわゆる企業ののれんです。M&Aなどで発生する企業の超過収益力の合計をいいます。
いわゆるバリュエーションの分野では、この超過収益力を見積もる方法として色々な手法が用いられています。

例えば、将来にわたってもたらされる可能性のある収益を現在価値に割り引いて求める方法や無形資産の価値を算出していく方法などがあります。ほかにも少々抽象的にはなりますが、自社ブランドが持つネームバリューの割合を考え、企業価値全体から求める方法や専門知識を持つ社員を社内から集めてグループを作り、ブランドの役割が何割かを考えて算出するなどもあります。

NPS®を活用して評価を可視化

3つめの「NPS®¹を活用して評価を可視化する方法」というのは、顧客ロイヤルティを測定する際にもっとも有効とされているNPS®(ネットプロモータースコア)を利用した方法です。アンケートを使い、自社ブランドや特定の商品を第三者にどの程度奨めたいかという質問を投げかけます。

この質問に対して批判的な解答をした人の割合を肯定的な解答をした人の割合から差し引くことによって求められる指標です。このNPS®という指標はブランドの価値を可視化するためのもっとも簡便的な手法であるといわれており、多くの企業で導入されています。

とても簡単な方法ではありますが、自動車業界で行われた実際の調査でもNPS®が高いブランドほど国内販売台数の成長率が高かったことが示されています。

ブランド構築事例:無印良品

最後にブランド・エクイティの構築に成功している企業の事例を見てみましょう。衣類や生活雑貨などを扱う日本企業の無印良品は、ブランド・エクイティ構築に成功している代表例です。まず、無印良品は1998年の上場以来、売上、収益ともに右肩上がりの成長を見せています。さらに、店舗数の約半数を海外に置くなど、海外での成功も注目すべきポイントです。無印良品が順調な成長を続けている要因のひとつが、まさにブランド・エクイティなのです。

通常、マーケティングのセオリーでは商品のカテゴリーを絞り、ニッチのなかでのナンバー1を目指す戦略が一般的です。しかし、無印良品ではあえて商品カテゴリーを絞らないかわりに、すべての商品に共通するシンプルや自然といったコンセプトを持たせています。このようにすることによって、無印良品=シンプル・自然というイメージにつながり、見事にブランド・エクイティの確立に成功したのです。このブランディングは海外でも受け入れられ、無印良品のシンプルさは世界共通で万人受けするデザインとして高い収益力を実現させています。


参考:デイビッド・アーカー著 陶山 計介 翻訳(1994)『ブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン』ダイアモンド社

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