エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
顧客分析とは?
顧客分析とは、今までに自社の商品やサービスを購入した顧客がどのような属性なのかを分析することです。
一般的に、分析するためには過去の購買行動やアンケートなどからデータを集めます。この顧客分析を行うことは顧客生涯価値(Lifetime Value)を引き上げるためにはとても大切なものです。
良い商品を作れば顧客は満足してくれて企業は成長し続けると思っている人は多いですが、それは大きな間違いです。
確かに、良い商品を提供し続けることができれば顧客は満足し、企業も成長し続けることはできますが、良い商品というものは時代によって変化します。
時代の流れや市場環境などに合わせて最適なニーズを把握するためにも、継続的な顧客分析はとても重要なことなのです。
また、顧客分析を考えるうえでは、その目的についても注意が必要です。
顧客分析というのはあくまでも顧客満足度や顧客ロイヤルティを向上させることが目的なのであって、データ収集やデータ分析がゴールではありません。
ここを間違って目的達成まで行かない企業は多いので注意するようにしましょう。
顧客分析の手法・フレームワーク
セグメンテーション分析
ひとくちに顧客分析といっても、いろいろな手法やフレームワークが存在します。
まず、顧客分析のなかでももっとも基本的かつ簡易的な手法がセグメンテーション分析や顧客セグメント分析と呼ばれるものです。
これは性別や年齢、家族構成などの情報を購買履歴や購買行動と結び付けて集計し、それをもとにどのような傾向があるのかを分析します。
もっとも基本的な分析手法ではありますが、どのようなビジネスモデルであっても導入できる分析手法ですので、今まで顧客分析を本格的に行ったことがない企業は、まずここからスタートするといいでしょう。
デシル分析
上記のセグメンテーション分析とともによく導入されるのがデシル分析です。
これもセグメンテーション分析同様、基本的な分析手法に分類されます。
デシルはラテン語で10分の1を表し、全顧客を購入金額の高い順に10等分して分析する手法です。
デシル分析はこれ単体ではそこまで深い意味を持ちませんが、セグメンテーション分析と組み合わせることによって、どの顧客層がどれくらい売上に貢献してくれているのかということが一目瞭然になります。
既存顧客のどの層に焦点を絞ってマーケティングを考えていけばいいのかがわからないという場合に非常に有効です。
RFM分析
また、RFM分析も実務の世界でよく用いられます。
RFMとは、「Recency(直近購買日)」、「Frequency(購入頻度)」、「Monetary(累計購入金額)」を表しており、この3つの指標に沿って顧客をランク分けして分析する手法です。
この3つの指標をそれぞれ5段階評価で分類し、優良顧客とそうでない顧客を明確化するのに使われるのが一般的です。
代表的なRFM分析の使い方としては、3つの指標のスコアを合計し、顧客のランキングを作り上げます。
そのランキングをもとにどのランクにどの程度の人数がいるのか、どの位置に顧客層が固まっているのかなどを分析するのです。
もしくは、非優良顧客層が抱えている課題の分析に用いられることもあります。
6象限分析
6象限分析というのは顧客ロイヤルティを可視化するNPS®(ネットプロモータースコア)を用いて収益データと組み合わせることで優良顧客とそうでない顧客の特徴を分析する手法です。
この分析で見えてくる優良顧客とそうでない顧客の特徴から、売上向上のヒントと課題を見つけることが可能です。
収益性と推奨度を縦軸と横軸にとり、座標平面を作ってその上に顧客層をプロットしていきます。
こうすることで、例えば右上の事象に位置する顧客は収益性も推奨度も高い優良顧客であり、企業に売上をもたらしてくれるだけでなく商品の宣伝という意味で新規顧客獲得につながることが分かるのです。
一方、左下の事象に位置する顧客は企業に売上をもたらさないばかりでなく、場合によってはネガティブの口コミを広げることもあり、企業にとっては大きなリスクといえます。
この分析手法ではNPS®指標を使っているという点が非常に大きなポイントで、NPS®は収益性との相関関係が顕著であることが知られているため、企業全体の収益性向上を目指す場合には欠かせない分析手法といえるでしょう。
リッツカールトンの事例
顧客分析を上手く活用し、企業全体の収益性を向上させている企業としてはリッツカールトンが有名です。全世界でホテルをチェーン展開させているリッツカールトンでは、あらゆる顧客との接点で情報の記録を行っています。
例えば、現場で働く従業員は上司の判断を仰がなくても自分自身で1日当たり2000$までの決裁権限を持つことで、顧客体験の向上に力を入れているというのは有名です。
このようなエンパワーメント(権限委譲)がリッツカールトンの掲げる『感動を呼ぶ体験』を支えているといえます。
エンパワーメントが生んだ顧客体験の実例として有名なのが、リッツカールトン大阪であった話です。
ある大学教授がリッツカールトン大阪に宿泊した際、部屋に講演用のメガネと資料を忘れて東京まで行ってしまいました。
東京に着いた大学教授から電話を受けたリッツカールトンの従業員は迷わず新幹線で東京駅までメガネと資料を持っていったのです。これは従業員に権限委譲がされていることで顧客にベストな対応を迅速に判断することができたひとつの実例です。
また、顧客管理の徹底もリッツカールトンの大きな特徴です。
好みのミネラルウォーターや顧客の利き手などを把握し、全世界のリッツカールトンで情報を共有することによって最高の顧客体験創出や顧客インサイトの充足に役立っています。
このほかにも、顧客と従業員の接点をできる限り多くするために案内板などは最低限しか置かれてないのも特徴的です。
このような接点を増やすたゆまぬ努力が、リッツカールトンを世界最大のホテルチェーンにしている大きな要因なのです。
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