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EC業界におけるNPS®調査の活用例を紹介!

更新日:2024.07.26

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エモーションテック 編集部

NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。

NPS®調査の背景

今回は、自社ECサイトの来訪者の顧客体験改善を目指す架空のアパレル企業「エモテク・ウェア」の事業責任者という立場からEC事業者向けのNPS調査のポイントについて解説したいと思います。

今回の調査における最終ゴールは、ECサイト利用者一人あたりの年間購入金額を向上させることです。エモテク・ウェアのECサイトは立ち上げたばかりで、お客さんがUIや商品に対してどのように思っているのか、わかりません。そのような前提で、調査設計の方法や回答の集め方、調査後のデータの活用方法などを解説していきます。

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顧客体験を改善するための質問設計のポイント

質問設計におけるポイントは、「改善に繋がる!NPS®︎を活用した顧客体験調査方法【質問設計例を紹介】」という記事で詳しく解説していますが、大きく2つあります。

顧客ロイヤルティを評価する指標を決める

まずは、顧客ロイヤルティを評価する指標を決めることです。従来であれば満足度を5段階評価で質問する方法が主流でしたが、最近ではNPS®を活用する企業が増えています。

NPSはおすすめ度を0~10点の11段階で評価する質問で、収益性と強い相関がみられることが特徴です。NPSの向上は単に顧客ロイヤルティだけでなく、売上の向上にもつながるので、採用する企業が増えています。エモテク・ウェアの調査でもこの指標を使って総合的なロイヤルティを可視化しています。

NPSにどのような要素が影響するかを考える

指標が決まったら、次に顧客体験に影響を与える要素を書き出します。ポイントとしてはユーザー目線でサービスを知って、利用する過程を具体的にイメージすることで影響を与えうる要素を洗い出すことができます。例えば、エモテク・ウェアの顧客体験は以下のように分解することができます。

推奨度に影響を与える要素

洗い出した顧客体験がNPSのおすすめ度を評価するにあたって、どの程度プラスもしくはマイナスに影響したかを聞くことで、どの体験がどの程度総合評価に影響を与えるのか可視化することができます。

NPS調査のタイミング

質問設計が完了したら、次は、実際にアンケートを配布して回答を集めるフェーズに入ります。この際よく問題になるのが、調査を行うタイミングです。エモテク・ウェアは会員情報を持っているので、オンラインアンケートであれば、いつでもメールで送ることができます。では何を基準に、調査のタイミングを決めればいいのでしょうか。それは、何についての評価を聞きたいかで決まってきます。

今回は、顧客体験全体のうち、一体どこに課題があるのかを大まかに把握したいと思っています。といっても、商品自体に対する評価は、商品の購入を行った直後には得られず、実際に商品を利用してみてもらわない限りわかりません。一方、ECサイトのUXに対する評価を調査しようとすると、商品発送後の数週間後に調査をしたのでは、評価が得づらくなってしまいます。一体どうすれば良いのでしょうか。

そこで、エモテク・ウェアではECのUXに対する評価と、商品に対する評価を2段階に分けて調査することにしました。

ECを利用した体験の評価については、購入直後の購入手続完了メールにアンケートURLを挿入して聞くようにします。商品については、実際に着てみないとわからないので、商品発送後、2週間たったタイミングで商品についてアンケートを送付することにしました。

NPS調査の流れ

NPS調査アンケートの回答回収のコツ

回答を集めるにあたってエモテク・ウェアでは2つの工夫をしました。

1つは、顧客の声をもとに追加した機能や改善施策を行った事例をアンケート配布メールに掲載することです。エモテク・ウェアでは一回目の調査で、サイズ別のスクリーニング機能がほしいという要望が強かったので、その機能を実装しました。そのことをアンケート調査依頼メールで伝えるようにしています。

2つめは、インセンティブの付与です。アンケートへ回答してくれた顧客を対象に、期間限定で使える割引クーポンを配布しています。

NPS調査データの分析

分析の際には大きく2種類の分析を行います。

収益性の確認

まず最初にやるのが収益性との関連性を確認する作業です。NPSを調査する際には、推奨度を0~10点の11段階から聞きます。この推奨度のデータと顧客ごとの年間購入金額のデータを組み合わせて、推奨度ごとの平均年間購入金額を計算します。これにより、推奨度が1上がるごとにどの程度の収益インパクトが見込めるか、大まかに把握できるため施策の投資額を考える際に役立ちます。

また、下図のように8点と9点の年間購入金額に比較的大きな差がある場合は、分析を8点~9点をつけた人絞りその人たちにどのような違いがあるのか、9点に上げるためにはなにをすべきかなどと言った視点で、施策を検討することができます。

NPSと総利用金額(LTV)

セグメントごとの課題の洗い出し

課題を明確にするためには、大まかにセグメントに分けて、どのようなお客さんがどのような課題を抱えているのかを具体的に把握する必要があります。

NPSを使った分析では「6象限分析」がよく使われます。縦軸に収益性に関する指標、横軸に推奨度をとります。収益性をある一定の基準で、高収益セグメントとそうでないセグメントにわけ、横軸も、NPSの「批判者」「中立者」「推奨者」に分類し、下図のようなマトリクスを作成します。

NPSと顧客収益性を掛け合わせたセグメント分類

下図の各セグメントごとに性別、年齢などの属性データや、購買頻度、月間の来訪回数、そして、NPSに何が影響を与えているのか、を分析し、今は収益性は低いけれども、推奨者セグメントにいる顧客を、収益性の高い顧客に変えるためには何をすべきかといった視点で分析を行います。

顧客をセグメントに分類して、ある程度どのような属性の偏りがあるか特徴が見えてきたら、定量的に課題を把握します。エモテク・ウェアの場合は推奨度と、各体験がどの程度NPSに影響を与えたかについてのデータを活用して重回帰分析を行っています。この分析により、推奨度に何が影響しているのかを把握することができます。

エモテク・ウェアの初回の分析では「商品の見つけやすさ」が最も強くNPSに影響していることがわかりました。ただ一言「見つけやすさ」といっても「検索したときに商品が表示されるはやさ」であったり「スクリーニング機能の充実度」など様々な要因が考えられるため、その後の調査では「見つけやすさ」とは何なのか?という視点で、より詳細に質問項目を作って定性的なコメントも合わせながら課題を具体的に捉えるための取り組みを進めています。

NPS調査に基づく施策例

エモテク・ウェアでは大きく2つの施策を行っています。

一つは、「推奨者」に対して紹介キャンペーンを行っています。紹介キャンペーンとは、友人に専用のURLを送りその友人が買い物をした場合、紹介した人とされた人、どちらにエモテク・ウェアのEC場で使えるポイントを付与するキャンペーンです。

このキャンペーンに踏み切った背景としては、「推奨者」からの紹介で会員になった顧客は同様に「推奨者」になるケースが多く、新規の顧客獲得をするにあたって、非常にコストパフォーマンスが優れていることがあげられます。

また、もともと「推奨者」だった顧客にもポイントを付与することで購買意欲を刺激できるので、既存顧客の年間購入金額向上にも繋がります。

2つ目は、アンケート調査の一環で、シンプルに欲しい機能はなにかを聞いています。普段顧客から寄せられる要望から今後実装候補の機能を5~10程度にしぼり、どれが最もニーズが有るかを調査します。顧客の投票をもとに開発部と開発にかかるコストを含む実現可能性を議論しながら、ロードマップを作成しています。

今後も継続して調査を行いながら、適宜課題を洗い出し、顧客体験を改善していく予定です。

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