顧客満足度(CS)の指標を知ろう:基本から活用方法まで詳しく紹介 | 株式会社エモーションテック

顧客満足度(CS)の指標を知ろう:基本から活用方法まで詳しく紹介

更新日:2025.02.25

このコラムの執筆者
梅川 啓

株式会社エモーションテック Marketing Manager 

複数企業の事業責任者を歴任したのち、2020年よりエモーションテックにCXコンサルタントとして参画。製薬会社や金融機関、化粧品メーカーのNPSプロジェクトやCXマネジメントの支援に携わる。2022年よりマーケティングに従事し、各種セミナーやイベントに登壇。

顧客が製品やサービスを利用するうえで、どの程度満足しているかを把握することは、企業経営にとって極めて重要です。なぜなら、顧客満足度(Customer Satisfaction:CS)の高さはリピート購入や口コミによる新規顧客獲得につながり、逆に満足度が低い場合は離脱や不満の拡散につながってしまうからです。そこで多くの企業が注目しているのが、顧客満足度を定量的に測定するための各種指標。実際の数値を用いて顧客満足度を測定し、改善を繰り返す仕組みを作ることで、企業は継続的に顧客との良好な関係を築くことができます。

本記事では、顧客満足度の代表的な指標を中心に、基本的な考え方や導入メリット、実際の活用事例などをわかりやすく紹介します。顧客との長期的な信頼関係を築くためにも、ぜひ参考にしてください。

顧客満足度(CS)とは?

顧客満足度(CS)は、顧客が企業の提供する商品やサービスにどの程度満足しているかを示す概念です。単なる「製品の品質」や「サービスの利便性」だけでなく、購入前の情報収集アフターサポートなど、顧客が接点を持つすべてのプロセスでの体験が総合的に評価されます。

顧客満足度が高い企業ほど、顧客ロイヤルティ(企業やブランドへの愛着度)の向上が期待でき、結果的にリピート購入やポジティブな口コミ、追加サービスの利用などが増加する可能性があります。そのため、多くの企業がCSを定量的に捉え、数値を根拠に改善を続ける活動を重視しています。

顧客満足度を測る代表的な指標

顧客満足度を把握するために使われる指標はいくつか存在しますが、特に以下の3つが代表的です。企業やサービスの特性によって、複数の指標を組み合わせて活用するのが一般的です。

CSAT(Customer Satisfaction Score)

CSATは最もシンプルに「顧客満足度」を数値化する指標です。「当社の商品・サービスにどのくらい満足していますか?」といった質問を設け、5段階や7段階、10段階などで回答を得ることが多いです。

例えば5段階の場合は、

  • 1:まったく満足していない
  • 2:やや不満
  • 3:どちらともいえない
  • 4:やや満足
  • 5:非常に満足

のような選択肢を提示し、その平均値や「4〜5を選んだ人の割合」などを指標化します。メリットは質問が簡易で回答率が高いことですが、顧客が感じている不満の具体的原因や、推奨意向までは測れないという課題もあります。

CSATの解説

NPS(Net Promoter Score)

NPSは顧客ロイヤルティを測る指標として注目を集めており、「あなたはこの企業(商品・サービス)を友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか?」という質問に0〜10点で回答してもらいます。そのスコアによって、回答者を以下の3つに分類します。

  • 推奨者(Promoters):9〜10点
  • 中立者(Passives):7〜8点
  • 批判者(Detractors):0〜6点
NPSの解説

NPSは「推奨者の割合」から「批判者の割合」を引いて算出され、顧客がどれほどブランドに熱狂的な支持を送っているかを定量的に把握できます。特に、AppleAmazonスターバックスなどはNPSを活用し、ファン層の育成とブランドロイヤルティ向上に成功している事例が知られています。

NPSの強みは「顧客の推奨意向」という、満足度だけではなく、他者への推薦行動を測れる点にあります。一方、CSATと同様、数値だけではなぜその点数になったのかという「背景」を把握しにくい側面があるため、自由記述欄定性調査を併用するとより深いインサイトが得られます。

関連記事:
NPS®とは?顧客満足度との違い・質問方法・事例まで詳しく解説!

CES(Customer Effort Score)

CESは顧客が商品やサービスを利用したり、問題解決を図ったりする過程で、「どれくらいの手間がかかったのか」を測定する指標です。「問題を解決するためにどの程度努力が必要でしたか?」という問いに対して、

  • 1:とても簡単だった
  • 2:やや簡単だった
  • 3:普通
  • 4:やや大変だった
  • 5:とても大変だった

のような5段階や7段階で回答してもらうケースが一般的です。顧客満足度は「どれだけストレスなく使えるか」「手間をかけずに目的を達成できるか」に大きく左右されるため、カスタマーサポートECサイトのUI問い合わせの応対時間などを評価する指標として活用されます。特に、「簡単に利用・解決できる」と感じてもらえれば顧客満足度が高まりやすいと考えられています。

CESの解説

その他の顧客満足度に関連する指標

上記3つ以外にも、顧客満足度やロイヤルティを測定する際に注目される指標があります。複数の指標を組み合わせることで、多角的に顧客体験を捉えることが可能です。

VOC(Voice of Customer)

VOCは、顧客の声全般を指す言葉であり、調査指標ではなく「顧客の生のフィードバック」を指します。アンケートの自由回答欄、SNSや口コミサイトの投稿、コールセンターに寄せられる意見など、顧客が自発的に発信する情報すべてがVOCに含まれます。企業はこれらのデータをテキストマイニングしたり、定性分析を行ったりすることで、CSATやNPSだけでは捕捉しきれない深い洞察を得ることができます。

関連記事:
VOC分析とは?(Voice Of Customer)の重要性と効果的な実施方法

再購買率・リピート購入率

顧客がリピート購入や継続契約をするのは、商品やサービスに満足しているからと捉えられるケースが多いです。そのため、再購買率リテンション率(継続率)などは、顧客満足度の実質的な成果指標としても使われます。ECサイトなどでは「○回以上購入している顧客の割合」を測り、CSの向上施策がどれだけ効果をあげているかを追跡する企業も増えています。

解約率(Churn Rate)

月額課金やサブスクリプションモデルを採用しているビジネスでは、解約率も顧客満足度と密接に関わる指標です。解約理由には価格や製品品質、不十分なサポートなど、顧客がサービスに満足していないことが背景にあるケースが多く、解約率の改善顧客体験の改善と捉えることができます。Salesforce公式ブログなどでも、カスタマーサクセスの一環として解約率管理が紹介されています。

指標を活用するメリット

顧客満足度やロイヤルティに関する指標を定期的に追跡することで、企業には以下のようなメリットがあります。

顧客ロイヤルティの向上 CSATやNPSなどを意識的に管理・改善することで、ブランドへの愛着が高い顧客を増やすことができます。ロイヤルティの高い顧客は、リピート購入や周囲への推薦を通じて、企業の売上や評判を安定的に支えてくれます。

問題点の早期発見 顧客満足度が突然下がったり、特定の顧客セグメントでNPSが急落したりする場合、何かしらのトラブルや不満が発生している可能性があります。定量化された指標を通じて問題点を早期発見できれば、迅速に対応策を打ち出すことが可能です。

施策効果の客観的評価 マーケティングや商品改善などの施策を行った際に、CS指標がどのように変動するかを追跡することで、客観的な効果測定ができます。例えば、新サービス導入後にNPSが上昇したのであれば、その施策が顧客に好評だったと判断できるわけです。

競合優位性の確立 競争が激しい市場では、製品機能や価格だけでは差別化が難しくなっています。そこで、顧客体験を強化して顧客満足度を高めることで、競合他社にはない優位性を確立できる可能性があります。顧客から「この企業のサービスは使い続けたい」と思ってもらえれば、価格競争からもある程度自社を守ることができるでしょう。

指標を導入する際の注意点

顧客満足度の指標はあくまで「数値化された目安」であり、その背景にある顧客心理や行動理由を深堀りしてこそ、真価を発揮します。また、運用面でもいくつか注意が必要です。

指標の選択と組み合わせ

CSAT、NPS、CESのいずれか一つだけでは、顧客の全体像を把握できない場合があります。例えば、NPSが高くても、実際の利用頻度が少ない顧客が多いかもしれませんし、CESが良くても価格に不満があるかもしれません。自社のビジネスモデル顧客との接点を考慮して、複数の指標を同時に追跡し、それぞれを補完し合う形で分析することが望ましいです。

アンケートの設計と回収率

指標を取るためには、アンケート調査顧客インタビューが必要ですが、質問数が多すぎたり回答のメリットが薄かったりすると、顧客が途中で離脱してしまい、回収率が低下します。短時間で完了できるように配慮し、質問項目を厳選することが重要です。また、回答をお願いする理由結果をどう活かすかを顧客に伝えることで、協力を得やすくなります。

自由回答や定性調査との併用

数値化された指標だけでは、なぜその点数なのか何が不満・満足の要因なのかなどの詳細を把握しにくい場合があります。そこで、

  • アンケートの最後に「ご意見・ご感想」を自由記述で回答してもらう
  • 深掘りが必要な場合は、少人数を対象にインタビューやユーザーテストを実施する

などの工夫をすることで、数字の裏側にある顧客心理をより具体的に把握できます。

関連記事:
顧客満足度の調査方法とは?アンケートの作成方法や効果的な実施のポイントをご紹介

顧客満足度向上の成功事例

実際にCS指標を活用して成果を上げている企業の例をいくつか見てみましょう。

スターバックスのNPS活用

コーヒーチェーンとして世界的に有名なスターバックスは、カフェ体験自体の満足度を重視する方針で知られています。店舗での接客からコーヒー豆の品質管理、アプリを介したロイヤルティプログラムなど、一貫したブランド体験を提供することで高いNPSを維持していると言われています。また、店舗スタッフが顧客からのリアルタイムの声を吸い上げ、迅速にフィードバックを改善に活かす文化が根付いている点が特徴です。

Amazonの「地球上で最も顧客を大切にする企業」方針

Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏は、「地球上で最も顧客を大切にする企業」を標榜し、顧客満足度の向上を至上命題としてきました。具体的には、

  • レビューやレコメンド機能によるユーザーエクスペリエンスの最適化
  • Prime会員特典でのコストパフォーマンス重視
  • 迅速な配送や充実したカスタマーサポート

といった取り組みを通じて高NPSを実現し、世界最大級のECプラットフォームへと成長しました。顧客にとって「選びやすい」「使いやすい」「安心できる」という要素を組み合わせることで、高い顧客満足度につなげています。

ホスピタリティ業界でのCSAT向上事例

ホテルチェーンなどのホスピタリティ業界では、CSATやVOCの管理が非常に重要です。例えば、大手ホテルグループではチェックアウト時や滞在後にオンラインアンケートを送付し、顧客がどのような点に満足・不満を持ったかを詳細に分析。部屋の清潔感スタッフの接客態度レストランのメニューなど、各項目のCSATを追跡し、数値が低い分野を重点的に改善しています。その結果、リピーター率や宿泊日数の増加に成功したケースも報告されています(参考:Zendesk公式ブログ)。

まとめ:顧客満足度指標を活かすポイント

顧客満足度(CS)は、企業と顧客の長期的な関係構築において不可欠な概念です。そしてCSを実際のビジネスで活かすには、指標を正しく導入し、継続的にデータをモニタリングし、改善に反映するプロセスが重要となります。特に、

  • 目的に合わせた指標の選択(CSAT・NPS・CESなど)
  • 複数指標の組み合わせや定性情報による補完
  • アンケート設計や回答率向上への配慮
  • 定期的なフィードバックループの構築
  • 顧客ロイヤルティ向上を重視した社内文化の醸成

といったポイントを押さえることで、ただ「数値を取って終わり」にせず、顧客満足度向上の具体的なアクションへと繋げやすくなります。

競合が激化し、モノやサービスのコモディティ化が進む昨今では、「いかに優れた顧客体験を提供できるか」が企業の成長を左右すると言われます。顧客満足度の指標をうまく活用し、顧客の声やデータに基づいた改善を重ねることで、ブランドロイヤルティを高め、安定したビジネス基盤を築いていきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 顧客満足度を評価する際に注目すべき主要な項目は何ですか?

A. 顧客満足度を評価するためには、いくつかの側面に注目する必要があります。たとえば、顧客が製品やサービスをどれほど推奨するかを示すNPS、直接的な満足度を測るCSAT、利用時の労力を評価するCESなどが挙げられます。また、リピート購入率や保持率、顧客ライフタイムバリュー(LTV)も重要な評価項目です。これらの指標を組み合わせることで、顧客の総合的な満足度やロイヤルティを把握することが可能です。

Q2. NPSとはどのような指標ですか?

A. NPS(Net Promoter Score)は、顧客がその製品やサービスを友人や同僚に推薦する意向を0〜10点のスケールで評価し、推奨者と批判者の割合から算出される指標です。NPSは、顧客ロイヤルティやブランドへの愛着を数値化するため、企業が改善すべき点や強みを把握するのに非常に有用です。

Q3. CSATはどのように活用されるのですか?

A. CSAT(Customer Satisfaction Score)は、特定の製品やサービスに対する顧客の満足度を、一般的には5段階または7段階の評価で測定します。この指標は、顧客が直接体験したサービスや商品についての満足度を即座に把握でき、改善が必要なポイントを明確にするために活用されます。

Q4. 顧客満足度を評価する際に他に重視すべき項目は何ですか?

A. NPSやCSAT以外にも、リピート購入率や顧客保持率、そして顧客ライフタイムバリュー(LTV)など、顧客が長期的にどれだけ企業に対して価値を見出しているかを測る指標が重要です。これらは、顧客が再び製品やサービスを利用する可能性を示し、企業の持続的な成長に直結します。

Q5. これらの指標を改善に結びつけるためにはどのような対策が有効ですか?

A. 各指標を定期的にモニタリングし、フィードバックをもとにPDCAサイクルを確実に回すことが重要です。たとえば、NPSが低下している場合、その原因を詳細に分析し、製品改良、サービス改善、またはカスタマーサポート体制の見直しを実施します。これにより、顧客満足度を向上させ、結果的にロイヤルティや再購入率の向上につなげることができます。

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