カスタマーエフォートスコア(CES)とは?計算方法や利用シーンについて解説 | 株式会社エモーションテック

カスタマーエフォートスコア(CES)とは?計算方法や利用シーンについて解説

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エモーションテック 編集部

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顧客体験(CX)の重要性が高まる中、「カスタマーエフォートスコア(Customer Effort Score,CES)」についても注目が高まっています。本記事では、CESの定義から計算方法、活用事例まで詳しく解説します。

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カスタマーエフォートスコア(CES)とは?

カスタマーエフォートスコア(Customer Effort Score,CES)は顧客がサービスや製品を利用する際、あるいは問い合わせを行う際にどの程度の労力や努力が必要だったかを数値化した指標です。

そのまま和訳すると「顧客努力指標」となり、スコアが高いほど顧客が努力を要したということを意味します。

カスタマーエフォートスコア(CES)の考え方

カスタマーエフォートスコア(CES)の考え方のベースには顧客の労力が少ないほど良い顧客体験であるというものがあります。

顧客が商品やサービスを利用する、あるいは顧客が抱える課題を解決する際に顧客が多くのプロセスを踏む必要があったり、様々なチャネルにアクセスする必要があったりすると顧客は多くのストレスを感じ、目的を達成するまでに必要以上の努力をしないといけなくなります。

CESはこの努力=ストレスを指標で捉えて可視化させることで顧客体験の改善を促進させるためのものです。

カスタマーエフォートスコア(CES)の計測・計算方法

カスタマーエフォートスコア(CES)はどのように一般的にアンケートによって取得されることが多いです。

アンケートでは「⚪︎⚪︎(サービスや商品)を利用するにあたってどれくらい負担を感じましたか?」という質問に対して7段階で、どの程度努力必要だったか、あるいは負担(ストレス)があったかを回答してもらいます。

CESの解説

得られた回答結果について、回答の上位2区分(「全く負担がなかった」「負担がなかった」などの選択肢、上図では「1」「2」が該当)の回答割合から下位3区分(「少し負担があった」「負担があった」「非常に負担があった」などの選択肢、上図では「5」「6」「7」が該当)の回答割合を引くことでCESが算出されます。

「1」「2」の回答割合が30%で「5」「6」「7」の回答割合が40%だった場合、CESは 「-10(= 30% – 40%)」となります。

カスタマーエフォートスコア(CES)の重要性

カスタマーエフォートスコア(CES)を活用し、顧客のサービス利用における負担やストレスを軽減することは以下のような観点からとても重要視されています。

具体的な改善点の特定

CESは特定のプロセスにおける具体的な課題にフォーカスすることができます。特定のプロセスにおいて顧客がどれくらい労力を要しているのか、また顧客が苦労しているポイントはどこなのかを特定することができます。

リテンション率との強い相関

CESは顧客のリピート率や継続利用意向と強い相関関係があることが分かっています。顧客のストレスを軽減させることで顧客の離脱を防ぎ、より継続的なサービス利用を促進することができます。

顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上

負担やストレスを軽減し、顧客の不満を解消することで顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上が期待できます。

関連記事:
顧客満足度(CS)とは?関連指標や計測方法、向上のポイントを徹底解説!

カスタマーエフォートスコア(CES)の利用シーン

カスタマーエフォートスコア(CES)は顧客の努力や負担に注目している点で非常にユニークです。

そのため、特に顧客が必要以上に負担ストレスを感じると想定されるようなタッチポイントにおいて利用することでその特性を生かすことができます。

具体的な利用シーンとしては、「カスタマーサポートへの問い合わせ」「ECサイトにおける購入」「SaaSなどの利用開始時におけるオンボーディング」などが挙げられます。

カスタマーサポートへの問い合わせ

顧客がカスタマーサポートやお客様相談室などに問い合わせをした際に、問題解決にどの程度の努力を要したか、どの程度スムーズに問題解決できたかを評価する際にCESを使用します。

顧客が「問題解決にどれだけの労力がかかったか」を評価することで、問い合わせプロセスのどの部分にどれくらいの改善余地があるかを特定することができます。これにより、コールセンターやカスタマーサポートチームは、応答時間を短縮することや電話におけるたらい回しの回避などより顧客にとって良い顧客体験を提供するための具体的な手段を講じることができます。

ECサイトにおける購入手続き

ECサイトでは、顧客の購入時や会員登録時などの入力作業などの労力が発生するタッチポイントにおいてCESの使用が想定されます。

ECサイトではカゴ落ちが大きな課題となっていますが、顧客が商品をカートに追加してから購入手続きを完了するまでのプロセスがどれだけスムーズだったかをCESで評価することができます。

購入までのプロセスのどの部分が顧客にとって煩雑であるか、わかりにくかったかを特定することで、よりスムーズな購入体験に向けて改善施策を講じるができます。入力の煩雑さやわかりにくさによるカゴ落ちを減少させることで、顧客満足度を向上させるとともに売上の向上も期待することができます。

SaaS利用開始時のオンボーディング

新規顧客が製品やサービスを初めて使用する際のオンボーディングプロセスにおいてもCESは有用です。

初期設定がどれだけ簡単だったかや、顧客が期待するタスクを最初に完了できるまでのプロセスを顧客に評価してもらいます。

オンボーディングプロセスがスムーズであれば顧客は製品を迅速にかつ適切に利用開始することができ、満足度が高まります。一方オンボーディングで大きな負担やストレスを感じてしまうと、その後の利用率もあがらず、早期に離脱してしまう可能性が高まります。

カスタマーエフォートスコア(CES)とNPSの違い

カスタマーエフォートスコア(CES)と一緒に検討される指標としてNPSがあります。

ここまでCESの特徴をみていただいた通り、CESとNPSでは測定する対象や目的に下記のような違いがあります。

項目カスタマーエフォートスコア(CES)NPS
測定対象顧客の労力推奨意向
質問内容労力やストレス「⚪︎⚪︎(サービスや商品)を利用するにあたってどれくらい負担を感じましたか?」他者への推奨可能性
「⚪︎⚪︎について、友人や知人にどの程度おすすめしたいと思いますか?」
スコア範囲通常1〜70〜10
主な目的プロセス改善顧客ロイヤルティ向上

CESは特定のプロセスの具体的な改善にフォーカスしているのに対して、NPSは顧客との中長期の関係性にフォーカスしています。

それぞれの特性を理解し、目的や場面に応じて使い分けることが重要です。

関連記事:
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カスタマーエフォートスコア(CES)向上による顧客ロイヤルティ向上

カスタマーエフォートスコア(CES)は、顧客の労力を数値化することで、サービスの使いやすさを測定する重要な指標です。リテンション率との強い相関関係や、具体的な改善点の特定しやすさから、多くの企業で活用されています。

顧客の負担やストレスを軽減しCESを改善することで顧客満足度や顧客ロイヤルティが向上し、企業にとってより安定した収益向上や成長が期待できます。

顧客中心のビジネス展開が求められる現代において、CESは顧客満足度向上の重要なツールの1つです。自社のサービスや製品にCESを導入し、継続的な改善を行うことで、競争力の強化につながるでしょう。

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