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従業員満足度を正しく計測する重要性
従業員満足度の向上は、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。そのためには、従業員満足度を向上させる取り組みをする前に、現状を知らなくてはなりません。
そのためには、単純に従業員にアンケートを取ればよいというわけではなく、適切で正しい計測をする必要があるのです。その理由として、次のような点が挙げられます。
従業員が本当に満足しているか、不満を持っているかが分からない
ただ、満足か不満かを聞くだけでは、業務のどういった点に満足を感じているのか、どこを改善して欲しいのかなど、具体的な内容は見えてきません。また、満足といっても、人により満足する点や度合いが異なるため、どの程度の満足度なのかを推し量れないのです。
そのため、単に満足か不満かだけを聞いても、曖昧な結果しか出てこなくなります。
課題改善ができず従業員満足度の向上を実現できない
従業員満足度は、満足も不満も正しい計測での実施によって初めて全貌や具体的な内容が見えてきます。たとえば、「こういった設備が欲しい」「意見があっても言う場がない」など不満点が明確になれば、業務の設備を充実する、従業員の意見を聞き入れる場を増やすといった改善策を具体的に練り込めるでしょう。
しかし、正しい計測を行わないと、不満点が明確にならないため、何度同じようにアンケートを行っても改善ができず、従業員満足度の向上につながりません。言い換えれば、従業員満足度は正しい計測によって、その効果を最大限に引き出せるようになるのです。
では、従業員満足度を正しく計測するためにはどうしたらよいのでしょうか。次項から従業員満足度を計測する2つの指標について紹介します。
関連記事:
従業員満足度とは?向上のメリットや調査方法について解説
従業員満足度の計測指標1〜ES〜
まずひとつめの計測指標は、ES(Employee Satisfaction)です。
ESの概要
ES(Employee Satisfaction)は従業員満足度を調査する方法としては最も多く用いられているものです。「企業文化、経営方針への共感度」「企業への満足度」「業務への満足度」「上司への満足度」「職場環境への満足度」「待遇への満足度」などから質問を設定し、従業員満足度を計測していきます。
ES計測時の重要なポイント2点
ここで重要なポイントは次の2点です。
・ 何についての満足度を計測したいのかを明確にする
まず仮説を立て、それを前提にどの観点の満足度を計測するかを決め、質問を設定します。ここが曖昧だと、質問の設定も曖昧になるため、結果に影響してしまうでしょう。
・ 調査は定期的に実施する
従業員満足度の調査を1回で終えてしまっては、改善されたかどうかまで分かりません。そこで、従業員満足度の調査は、定期的に実施します。調査結果を基に改善策を実施し、一定の期間を空けて改善策が功を奏したかどうかを検証する、といった形がよいでしょう。
改善されていないようであれば、別の改善策を実施して結果を見る、改善されていれば別の仮説を基に改めて調査を行うといったサイクルを繰り返すと、従業員満足度の向上が目指せます。
ESを行う際の具体的な流れ
次にESを実施する際の一般的な流れについて見ていきましょう。
1.自社の課題について仮説を立てる
2.仮説を基に質問を設定する
3.調査を実施する
4.回答を集計し分析する
5.分析結果から改善策を立案、実行する
6.改善策の効果検証を行う
7.効果検証を基に新たな課題点を発見し仮説を立案する
この流れで、調査を繰り返していきます。
従業員満足度の計測指標2〜eNPS℠〜
従業員満足度の計測指標、2つめはeNPS(Employee Net Promoter Score)です。
eNPS℠の概要
eNPSは、従業員ロイヤルティという従業員が職場に対する愛着、信頼の度合いを数値化する指標で、NPSに従業員を表す「Employee」を加えてeNPSとして使われています。NPSが顧客に対し商品の推奨度を聞くのに対し、eNPSでは従業員に対し自社で働くことを友人、知人にすすめたいかどうかを聞くのです。
eNPSの算出方法
まず「自社で働くことをどの程度、知人や友人にすすめたいと思うか」を0~10の11段階で採点してもらいます。この0~10までの数値は、「推奨度」と呼ばれます。そして、推奨度0~6をつけた従業員を「批判者」、推奨度7・8を「中立者」、推奨度9・10を「推奨者」として分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いたものがeNPSの数値です。
たとえば、推奨者の割合が50%で、批判者の割合が30%だった場合、50から30を引いた20がeNPSの数値となります。つまり、推奨者の割合が高くなればなるほど、eNPSの数値は上がり、批判者の割合が高くなれば、eNPSの数値は下がってしまうのです。
eNPSを活用するメリット3点
eNPSを活用するメリットとして次の3点が挙げられます。
従業員の信頼度を計測できる
ESが従業員の満足度を調べる点に特化しているのに対し、eNPSは周囲に自社をすすめられるかどうかを調べるため、従業員が自社をどれぐらい信頼しているかどうかが明確になります。
従業員の立ち位置が明確になる
eNPSは自社の信頼度を0~10の数値で表すため、満足をしている、していないだけの評価に比べ、批判者、中立者、推奨者の立ち位置がより明確になります。また、パフォーマンス指標と組み合わせて従業員を分類することで、ハイパフォーマーなのにも関わらず、離職リスクが高い従業員を明確にすることができます。
改善策が立てやすくなる
推奨、批判、中立の立ち位置を明確にしたうえで、それぞれの理由を深堀していけば、推奨者に対してはそれを維持するための対策、中立者、批判者に対しては、推奨者にするための対策が立てやすくなります。
ESは基本的に業務、企業理念、上司との関係性、職場環境、待遇など社内に対する満足度だけを見る指標ですが、eNPSはESの内容に加え、自社を対外的にもすすめられるかどうかを聞くもの。つまりESに比べて、より離職率が低く生産性が高い従業員を可視化できるため、従業員満足度の指標として注目を集めているのです。
またこれまでに行われてきた調査結果から、批判者に比べて推奨者には、離職率が低い、仕事に対するモチベーションが高い、職場に優秀な人材を呼び込む、生産性が高いといった特徴が見られます。つまり、推奨者を増やす施策を実行すれば、結果的に企業に大きな利益を生み出すようになるのです。
※eNPSについて詳しくは「eNPS℠とは?従業員エンゲージメント向上のための指標を事例付きで解説!」をご確認ください。
より正確な従業員満足度を調べたいのであればeNPSがおすすめ
従業員満足度を計測する際、一般的にはESが使われますが、正確に従業員満足度を調査したいなら、eNPSをおすすめしたいところです。
eNPSは現状、ESほどの認知度はありません。しかしESが、従業員個人の満足度を基準とした指標なのに対し、eNPSは、「自社を人にすすめることができるかどうか」を基準として計測するため、現状をより正確に把握できるのです。
eNPSを指標とすれば、離職する可能性が高い人材の把握や優秀な人材の流出防止につながるでしょう。また、推奨者が今以上に職場環境を良くしようと優秀な人材を紹介してくれる可能性も高まります。
企業の現状を知り、課題の改善や良い点の拡充に努めるうえでもeNPSは非常に効果の高い指標です。従業員満足度が向上しないと悩まれている企業は、ぜひ、eNPSを導入してみてはいかがでしょう。
参考:
・ eNPS℠とは?|Emotion Tech
・ 従業員満足度調査(ES調査)とは? 職場が改善する質問・分析・活用の例|カオナビ
・ 【人事必見】eNPSで職場環境を完全把握!企業を成長させる新たな指標|HR Lab.
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