【国内】eNPS℠をエンゲージメント指標として公表している企業事例7選!取り組みのポイントも解説 | 株式会社エモーションテック

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2024.04.10

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【国内】eNPS℠をエンゲージメント指標として公表している企業事例7選!取り組みのポイントも解説

近年、eNPS℠は従業員エンゲージメントを測る指標のひとつとして広く認知され、国内でも多くの企業がeNPSを活用した従業員エンゲージメント向上に取り組んでいます。

そうした中で、2023年3月以降、上場企業において「人的資本の情報開示」が義務化されたことを機に、エンゲージメント向上への取り組みや、そのためにeNPSをどう活用しているかについて、決算説明会や統合報告書などで公開する事例が出てきました。

こうした企業では、どのようにeNPSを活用しているのでしょうか。
またエンゲージメントを高めることで、何を実現しようとしているのでしょうか。

実際に決算説明会資料や統合報告書などにおいて、eNPS活用の取り組みを掲載している企業事例から、eNPSの使い方のイメージを掴んでいきましょう。

eNPS℠とは?

eNPS℠(employee Net Promoter Score)とは、職場に対する信頼や愛着の度合い(従業員エンゲージメント / 従業員ロイヤルティ)を数値化する指標です。

eNPSの調査方法は、まず「現在の職場で働くことを親しい友人や知人に、どの程度おすすめしたいと思いますか?」という質問を行います。

そして、0〜6点を付けた人を「批判者」、7〜8点を付けた人を「中立者」、9〜10点を付けた人を「推奨者」と分類し、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値がeNPSです。

eNPSはあくまで従業員や組織の状況を把握するための指標です。eNPSを従業員エンゲージメントの改善のために活用するためには、仕事のやりがいや成長、職場の人間関係、福利厚生などといった従業員体験に関する項目についての評価も合わせて取得し、どの従業員体験がeNPSに最も影響しているか(最も重要な従業員体験はなにか)を分析することが必要です。

そうすることで、従業員エンゲージメント向上のために注目すべきポイントを明らかにして、eNPSを指標として用いながら打つべき施策を考えることができるのです。

関連記事:eNPS℠とは?従業員エンゲージメント向上のための指標を事例付きで解説!

それでは実際にeNPSをエンゲージメント指標として公表している企業がどのような取り組みをしているのか、実際の統合報告書やホームページの掲載内容を見ながらチェックしていきましょう。

SOMPOホールディングスの事例

SOMPOホールディングスでは、中長期的に財務価値・企業価値につながる価値を「未実現財務価値」と呼び、その実現に向けたインパクトパスが可視化されています。

またそれぞれに対して主要レバー/KPIを定めており、インパクトパスの図とともに各KPIの実績が開示されています。


画像出典:SOMPOホールディングス サステナビリティレポート2022(p.32,33)

この図の中では、人的資本の向上が顧客価値の向上に繋がり、さらに企業価値の向上、パーパスへの実現に繋がっていくということが示されています。

この図におけるエンゲージメント指標はeNPSではなく、Gallup社のQ12を用いていますが、「F」と示されている部分については下図の通りさらに言及がされています。


画像出典:SOMPOホールディングスサステナビリティレポート2022(p.35)

各営業店のエンゲージメント関連スコアとしてeNPSが用いられています。

eNPSの高い営業店ほど翌年度以降の達成率が高い傾向にあることから、従業員エンゲージメントの向上が品質や業績につながることが記されています。

SOMPOホールディングスの取り組みのポイント

エンゲージメント向上の目的

  • チャレンジ・イノベーションの増加を通じて、品質や業績の向上につなげること
  • エンゲージメントを高めることで、内発的動機にもとづくチャレンジを加速させる

eNPSの活用方法

  • エンゲージメント関連スコアとして活用
  • eNPSを店舗毎に算出し、予算目標達成率との関係性を検証

エンゲージメント向上への取り組み(一例)

  • 自律的なキャリア形成の促進、健康経営の実践などを通じた働き方改革
  • 特に、パーパスの浸透によるエンゲージメントの向上

SHIFTの事例

SHIFT社ではホームページの中で「人材マネジメント」というページが設けられ、その中で人材に対する考え方が詳細に記されています。

“成長する企業に求められることは、圧倒的な「人材獲得力」、さらに「報酬」と「やりがい」。これらが備わった会社こそが社会に必要なインフラのような会社であり、圧倒的に成長していくとSHIFTは考えています。”


画像出典:SHIFTグループホームページ「人材マネジメント」

このような会社が成長するための重要な要素として「やりがい」をおいています。
さらに、従業員は事業活動の核であると明記され、そのエンゲージメントを高め生産性を上げるために従業員満足度をeNPSを用いて確認されているようです。


画像出典:SHIFTグループ ホームページ「人材マネジメント」

毎年のeNPSが公表されており、経年で上昇傾向にあることからもSHIFT社が従業員エンゲージメントに向き合い改善を重ねていることが伺えます。

SHIFTの取り組みのポイント

エンゲージメント向上の目的

  • 従業員自身の成長や満足度の向上が、企業の成長に直結すると考えられるため

eNPSの活用方法

  • 6ヶ月に1回の頻度で取得
  • 経年でeNPSの推移、及び「会社への共感度」「成長実感」「安心感」の推移を確認している

エンゲージメント向上への取り組み(一例)

  • 従業員の帰属意識やエンゲージメントを高めるため、全従業員が参加するイベントを年に数回開催。
  • 年複数回の従業員表彰により、仲間を深く知る機会を増加

北國フィナンシャルホールディングスの事例

北國フィナンシャルホールディングスで統合報告書の「人材育成戦略」の中で、社員エンゲージメントサーベイについて言及がされています。

社員が働きがいを持てること、社員と会社が対等かつ互いの成長に貢献し合う関係になることを目指しており、その施策の一つとして2022年1月からeNPSを用いて社員エンゲージメントサーベイを実施しています。

画像出典:北國フィナンシャルホールディングス 2022統合報告書(p.70)

 

サーベイの結果として、eNPS及び0-10点の推奨度分布、そしてどういった従業員体験がeNPSに影響を与えているのか、優先的に改善すべき体験は何かといった分析結果まで公表をしています。


画像出典:北國フィナンシャルホールディングス 2022統合報告書(p.70)

さらには分析結果をふまえて、企業として従業員エンゲージメント向上のためにどういった改善に取り組んでいるかも記載をしており、取り組みについての透明性が非常に高いです。


画像出典:北國フィナンシャルホールディングス 2022統合報告書(p.70)

なお、北國フィナンシャルホールディングスの社員エンゲージメントサーベイについては弊社エモーションテックが支援をしております。

北國フィナンシャルホールディングスの取り組みのポイント

エンゲージメント向上の目的

  • 地域に質の高いサービス・価値を提供するため、人材を活かせる組織になる必要がある
  • 働きがい(働きやすさ+やりがい)をもち、社員と会社が対等かつ互いの成長に貢献し合う関係になることを目指す

eNPSの活用方法

  • eNPSの計測に加え、eNPS(推奨度)への影響が大きい体験を特定
  • 社員の期待と現状にギャップがあるポイントを、優先的に解決すべき課題として設定

エンゲージメント向上への取り組み(一例)

  • 全社員を対象としたキャリア研修の実施
  • キャリア自律に寄り添う、質の高い1on1の実施
  • マネジメント層(役員・部長)へのフィードバック
  • 年2回サーベイを継続し、エンゲージメント向上に繋げる

リブセンスの事例

リブセンス社は統合報告書において、持続的な企業価値向上を果たすための重要課題(マテリアリティ)の一つとして「多様で高度なプロフェッショナル人材が新たな価値を創出し続ける組織文化の構築」を挙げています。その中で「人に選ばれ、人が活きる組織を創る」という文脈で従業員エンゲージメント及びeNPSについて言及、公表がされています。


画像出典:リブセンス INTEGRATED REPORT 2023(p.35)

この中では、2020年以降のeNPSについての推移と、ベンチマークとして業界平均のeNPSとの比較を公表しています。なお、この業界平均値については弊社エモーションテックが独自に行なった調査から用いられています。

リブセンスの取り組みのポイント

エンゲージメント向上の目的

  • プロフェッショナル人材を獲得・育成すること、自社で働き続けてもらうことは企業価値を向上させる上できわめて重要
  • エンゲージメントを高めることで、優秀な人材から選ばれる会社となることを目指す

eNPSの活用方法

  • 毎年eNPSを計測し、業績や事業環境などの変動要因を特定
  • 業界平均データと比較し、自社のポジションを把握

エンゲージメント向上への取り組み(一例)

  • 健全な組織風土の維持・醸成
  • 働きやすく魅力的な環境の整備
  • 個人の能力や成果が正当に報われる評価制度と 報酬水準の設定

Uniposの事例

Unipos社では人的資本戦略の一つとして「従業員のはたらきがいを高めることで事業計画の達成に向けた課題解決や、生産性の向上を目指して」おり、その施策としeNPSを導入してエンゲージメントの測定及び、エンゲージメントを高めるための課題抽出を行なっているようです。

eNPSは人的資本経営戦略の全体像においても、「人的資本主要KPI」として位置付けられています。


画像出典:Unipos ホームページ「Unipos:2023年通期決算について」

上記のように、eNPSとともに職場推奨度の分布、そして推奨度に影響が高いと考えられる要素、1年後の改善目標を公表しています。

Uniposの取り組みのポイント

エンゲージメント向上の目的

  • 従業員のはたらきがいを高めることで、事業計画の達成に向けた課題解決や、生産性の向上を目指す
  • 従業員の定着や採用力の強化に繋げ、「時代を作る力のある人材が集う集団」という組織の理想を目指す

eNPSの活用方法

  • 人的資本経営における主要KPIとして位置付けられている
  • 現状のeNPSから、1年後の目標値を設定
  • eNPS(推奨度)への影響が高いと考えられる要素を分析

エンゲージメント向上への取り組み(一例)

  • 会社のパーパスと各従業員のマイパーパスを接続し、「ここにいる理由」を明らかにする
  • 「挑戦行動の増加」により新しいことや難易度の高い目標に挑みつづける
  • 既存の関係性を越境した「越境行動の増加」により、難易度の高いイシューを解く

大和ハウスリート投資法人の事例

大和ハウスリート投資法人では、サスティナビリティレポートの中においてDE&Iの取り組みとしてeNPSアンケートについて言及されています。


画像出典:大和ハウスリート投資法人 サスティナビリティレポート2023(p.23)

KPIとして現在のeNPSと2030年度の目標が明記されています。またアンケートを実施するだけではなく、調査結果を職員向けに説明・フィードバックをすることで、よりよい職場環境構築を目指していることも記されています。

大和ハウスリート投資法人の取り組みのポイント

エンゲージメント向上の目的

  • サステナビリティ方針の中で、「安全かつ健康的に働くことのできる職場・多様な従業員が柔軟に働ける職場作り」を目指す

eNPSの活用方法

  • 現在のeNPSから、中長期でのeNPS目標値を設定している
  • 離職率や平均勤続年数と併せてeNPSを確認している

エンゲージメント向上への取り組み(一例)

  • eNPS結果を役職員向けに説明し、フィードバックを行う
  • ダイバーシティ研修などを実施

unerryの事例

unerry社は2023年6⽉期 通期決算説明資料の中で「人的資本経営戦略」の章を設け6ページにわたり人的資本戦略について紹介がされています。

人的資本戦略の全体像が下記のように示される中で、アウトプットの主要KPIの1つとしてeNPSが記載されています。

画像出典:unerry 2023年6⽉期 通期決算説明資料(p.58)
またeNPSはミッションを実現するための施策として位置付けられており、現状のeNPSと推奨度分布、そしてeNPSと相関の強い従業員体験について言及がされています。

画像出典:unerry 2023年6⽉期 通期決算説明資料(p.59)

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)への共感が最もeNPSに強い影響を与えており、合宿やCEOとの1on1などの取り組みを通してeNPSの向上、ひいては従業員エンゲージメントの向上を目指していくことが明記されています。

unerryの取り組みのポイント

エンゲージメント向上の目的

  • ミッションの実現及び高い売上成長の実現
  • ミッション・ビジョン・バリューの浸透

eNPSの活用方法

  • 人的資本経営における主要KPIとして位置付けられている
  • 現状のeNPSから、今後の目標値を設定
  • eNPS(推奨度)と相関の強い要素を分析

エンゲージメント向上への取り組み(一例)

  • MVV合宿(年1回)や情報共有会(年4回以上)の実施
  • CEOによる全メンバーとの1on1実施(入社時+年2回以上)

eNPSを活用し、エンゲージメント向上を実現しましょう

国内企業における、eNPSの活用・公表事例をご紹介してきました。

従業員エンゲージメント向上を実現しさらには企業価値向上に繋げていくには、ただエンゲージメントを計測するだけではなく、エンゲージメントを向上させるための従業員体験を正しく把握し、継続的な効果検証サイクルをもって改善活動に取り組むことが重要です。

また外部に対してエンゲージメント指標を公表していく場合においては、指標の推移やその要因と対策についても透明性高く取り組んでいくことが求められます。

エモーションテックでは、eNPSを用いた従業員エンゲージメント向上のためのサーベイ調査・データ分析から改善サイクルの構築までをトータルでサポートするシステムとコンサルティングサービスを提供しています。

HP上ではご紹介していない事例をもとにお話させていただくことも可能ですので、まずはお気軽にお問合せください。

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執筆者
梅川 啓

2020年にエモーションテックに参画。
CXコンサルタント、事業企画部門を経て、2022年末
よりマーケティングチームに従事。

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