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離職防止のための対策方法
労働市場は売り手市場の状況が続いていることや就労観の変化により、個人が転職を考えるハードルはますます下がってきています。離職の理由は、個々人で様々ですが、厚生労働省の平成 28 年雇用動向調査結果によると「定年・契約期間の満了」「収入が少なかった」「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「会社の将来が不安だった」などが前職を辞めた理由の上位としてあがっています。しかし、組織の人員構成を見たときに、3年以上の継続勤務者の割合が低い場合には、個別事情による問題ではなく、組織的な問題があると判断できます。
従業員の離職率の改善を図るためには、従業員のeNPS℠¹を定期的に把握し、その状況に応じてタイムリーな打ち手を取っていくことが必要になります。eNPS℠とは「Employee Net Promoter Score」の略で、従業員ロイヤルティ(職場に対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標です。eNPS℠が上位の企業は離職率が低く、やりがいを感じることができる職場であり、社員の生産性も高いという傾向が示されています。
一般的な従業員意識調査であれば、年1回程度の頻度で実施されるケースもありますが、離職防止を目的で調査を実施する場合は、3カ月~半年に1回程度で従業員個々人の状況を把握することが求められます。eNPS℠が低い従業員に対しては、現在の業務内容の適性に加え、上司や所属する部署の他の従業員との関係性含めた環境を把握し、改善に向けた働きかけを行うことが有効です。転職が比較的容易に選択肢にあがりやすい労働市場の環境であることも踏まえて、eNPS℠の推移を把握しながら早期の段階で、会社としての対策を講じることで、従業員との信頼関係を再構築し、定着と活躍に向けた支援を行うことが可能になります。
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離職改善につながる調査・設問の設計
従業員の離職を防ぐためには、定期的にeNPS℠(従業員ロイヤルティ)を把握することが有効です。eNPS℠の指標では、「あなたは現在の職場で働くことをどの程度親しい友人や家族にすすめたいと思いますか?」というキークエスチョンに対して、0〜10点で評価してもらいます。0〜6点を付けた人を「批判者」、7・8点を付けた人を「中立者」、9・10点を付けた人を「推奨者」と分類し、「推奨者」の割合(仮に50%)から「批判者」の割合(仮に30%)を引いた数値(50%-30%=20)がeNPS℠の数値となります。また、0〜10点の評価と因果関係がある因子を特定するために、その評価の理由を回答してもらいます。
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従業員の会社、業務、職場環境に関する意識を把握するために、項目別に設問を設計し5段階などでそう思うか、そう思わないかなどの回答をしてもらうケースもあります。しかし、この設問の場合には、例えば「休暇がとりやすいかどうか」に関して、従業員がどのように受け止めているかは確認できますが、それが離職率の改善にどの程度インパクトがあるのか、効果が分かりにくくなってしまいます。
定期的な従業員の意識を把握する上での調査・アンケートへの回答を短時間で行ってもらうためにも、「あなたは現在の職場で働くことをどの程度親しい友人や家族にすすめたいと思いますか?」などのシンプルな質問に絞り込んで調査を継続的に実施することが有効です。分析を重ねる中で、「業務負荷が大きい」、「職場・上司との関係性」などの課題が明確になってきた場合は、定期的な調査で「業務負荷」に関する質問を追加するなどしてより具体的な課題や打ち手の仮説検証を行っていくことになります。
離職防止対策事例
アパレル業界
あるアパレル会社では販売員の離職率が高いことが問題なり、eNPS℠調査を実施しました。1回目の調査でeNPS℠の低い販売スタッフは入社歴の浅いメンバーが多く、「業務を安心して進められていない」状況であることが明確になりました。2回目以降の調査で、販売スタッフが不安を感じる要因を特定するための調査を実施したところ、商品の入れ替わりが多くシフトで勤務している時間だけでは商品を理解し、具体的にどのように接客をすることが有効なのか分からないまま業務にあたっているメンバーが多いことが判明しました。そこで、商品や接客ナレッジを店舗ごとに共有できるよに情報共有を促す施策を全社的に展開したことに加え、ナレッジの共有のコンテストを開催し優秀な従業員に表彰も行いました。ナレッジを共有することで、販売スタッフ個々人の中に隠れていた知見が共有され、販売スタッフがお互いに協力する雰囲気も醸成され、eNPS℠も改善傾向にある。
人材サービス業界
営業職の離職率が高いもののマネージャーの業務負荷が高く、個別の営業職のメンバーに適切なフォローができていない状況でした。そこで、eNPS℠調査をマネジメントのフォローツールとして位置づけ、月に1回実施しました。調査の結果は人事部と営業企画部、マネージャーの上司にあたる部長層に共有し、マネージャーへの働きかけへの示唆を提供し、事業部全体で営業職個々人がやりがいを感じられる環境づくりをおこなっています。また、eNPS℠の数値が2カ月連続して一定水準以下、もしくは低下傾向にある従業員に対しては、人事部が個別面談を実施し配属変更の可能性を含めたキャリア開発支援を行うことで離職率の改善を実現しています。
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