NPS向上に必要なポイントを徹底解説 | 売上改善を実現した事例も紹介
更新日:2024.08.07
エモーションテック 編集部
NPS活用やCX向上のためのお役立ち情報を発信しています。
NPSを指標として、顧客ロイヤルティの向上や顧客体験の改善、また顧客との関係性構築に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。
NPSはただ測定するだけではなく、スコア向上のために取り組むべき課題を見つけ、アクションに落とし込むことが重要です。
本記事ではNPSを向上させるための取り組みについて解説するとともに、実際の取り組み事例についてもご紹介していきます。
目次
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NPS向上に取り組むメリット
NPS向上のポイントを解説する前に、まずなぜNPS向上に取り組むことが重要なのか、その意義について確認していきましょう。
NPS向上メリット①ロイヤルカスタマー
NPSは顧客ロイヤルティを数値化する指標です、顧客体験向上に取り組みNPSを向上させることは企業やサービスの推奨者、つまりロイヤルカスタマーを増やすことに繋がります。
顧客満足度では「現時点で満足しているか」を聞くのに対し、NPSでは「今後すすめたいと思うか」という未来の推奨行動を可視化させることができます。
NPSが向上することで他者への推奨行動を取りたいと思う、ロイヤルカスタマーを増やすことができます。
関連記事:
NPS®とは?顧客満足度との違い・質問方法・事例まで詳しく解説!
NPS向上メリット②収益に繋がる
そしてNPSを向上させ、ロイヤルカスタマーが増えることは収益の向上にも繋がります。
ロイヤルカスタマーが増えることで、継続率やリピート率が高まり顧客基盤が強くなっていきますし、他者への推奨行動が増えることで新規顧客獲得のためのコストを低減させることもできます。
NPSは中長期的な企業成長率との相関、そしてもう少し短期的な収益指標・KPIいずれとも相関があることが確認されています。
詳しくは後述しますが、NPS向上に取り組む際には自社のどの収益指標とNPSを結びつけて考えるかも1つのポイントになります。
関連記事:
NPSと収益性について | 企業成長や収益指標との相関関係について解説
NPS向上させるための5つのポイント
NPS向上を実現するには、さまざまな要素があります。
以下の5つのポイントについて、ここから順を追って解説していきます。
①目的と仮説を明確にする
②課題を明確にする
③現場を巻き込み顧客へのアクションを起こす
④経営層を巻き込む
⑤成功事例は社内外に共有し好循環を作る
NPS向上ポイント①目的と仮説を明確にする
NPS向上の取り組みを効果的なものにするためには、取り組みがブレずに継続的なものとなるように最初にきちんと目的と仮説を整理しておくようにしましょう。
NPSを向上させることは、つまり顧客のロイヤルティを構築するということです。
NPSが顧客ロイヤルティ(顧客から企業に対する愛着・信頼感)を数値化したものであることを忘れてはいけません。
ではなぜ、NPSを向上させ顧客から信頼される企業になろうとしているのでしょうか。そして顧客ロイヤルティを構築する上で、今現在どのようなことが課題になっているのでしょうか。
取り組みの目的と意義、そして現在ある仮説をきちんと整理して土台を作っておくことで、②以降のポイントを進めやすくなります。
NPS向上ポイント②課題を明確にする
NPS向上に効果的に取り組むために、何がNPS向上に繋がるのかをきちんと分析してポイント絞った改善アクションを行う必要があります。
そのためにNPSアンケートの結果から重要な顧客体験、課題となっている顧客体験をきちんと明確にしておきましょう。
さらにNPSの分析結果を現場に落としこむには、NPS向上のためにはどのような行動をとればよいのかを具体的に示すことが大切です。仮にカフェであれば「レジ操作のスピードを早くする」という曖昧なものではなく「客が会計を用意している間にホットスナックを取りに行く」のように、より細かい部分まで伝わるようにするとよいでしょう。
関連記事:
NPS®調査の分析方法とは?CX向上につながる集計と分析のポイント
NPS向上ポイント③現場を巻き込み顧客へのアクションを起こす
顧客体験を向上させ、NPS向上を実現するためには現場を巻き込み、実際に改善アクションを顧客に届ける必要があります。実際に顧客接点において重要な役割を担うスタッフにきちんと取り組みを理解し、また積極的に関わってもらうことがポイントです。
現場スタッフを巻き込むには、まず関心を持って自分ごと化してもらうこと、そして顧客の声を聞くことに対する不安を払拭して、積極的に聞きたいと思ってもらえる状態を作ることが重要です。
ポジティブフィードバックから始める
NPS向上の取り組みに現場を巻き込めない一番の要因は、課題や改善点、顧客の不満の声ばかりを伝えてしまうことです。
ネガティブな印象が先行してしまうと、現場は顧客の声を積極的に聞きたいと思うどころか、むしろ遠ざけることになってしまいます。自分たちがやってきたことが否定されるような気持ちにさせてしまっては、せっかく良い取り組みの意図が十分に伝わらない状態に陥ってしまいます。
NPS向上のためにはもちろん課題の改善に取り組む必要があるのですが、まずはしっかりとポジティブな顧客の声、お褒めの言葉などを中心にフィードバックしましょう。
そうすることで現場の方々は日々の仕事に対する賞賛と承認が感じられ、顧客の声に向き合ってくれるようになります。
巻き込むポイントを絞って課題を伝える
またNPS向上を実現するには、改善アクションに繋げることが何より重要です。現場のどのような行動がNPS向上に繋がり、顧客ロイヤルティを作り上げていくことになるのかをわかりやすくポイントを絞って伝えるようにしましょう。
顧客が重要に感じている体験は何か、また不満によってNPSを下げてしまっている体験は何か、それらを踏まえて何に取り組むべきなのか、こういった点において現場で共通認識が取れて統一した改善アクションが取られることで顧客体験が良くなり、NPS向上へと繋がっていくでしょう。
アンケートの設計段階からキーマンを巻き込む
もう一つはなるべく早期の段階から現場責任者やマネジャーなど、重要な関係者を巻き込むことです。
いきなりNPSアンケートの結果だけを伝えてしまうと、なかなか自分ごと化されず、自分たちの知らないところで評価をされたような気持ちをもたせてしまいます。
アンケートの設計段階から「どのように顧客の声を聞くべきか」「現場では顧客のことをどのように考えているのか」など一緒に考えることで、アンケート結果がその答え合わせのようになり、より自分ごと化されて顧客の声を受け入れてもらえるようになります。
関連記事:
NPS調査の作り方を解説!アンケートの作成や調査設計のコツがわかる
アンケートの作り方 | 顧客理解につながるコツを解説
NPS向上ポイント④経営層を巻き込む
NPS向上への取り組みが推進力をもち、継続的な活動として位置付けられるためにはやはり経営層にもきちんと意義を理解してもらい、一緒になって取り組んでもらうことが重要です。
収益に繋がることをデータで示す
経営層を巻き込むには、NPS向上と収益増加に因果関係があると理解してもらうことが最も説得力があります。特に会社にとっての重要戦略として位置付けられているものとの関係が示すことができると、NPS向上ひいては顧客に向き合うことが会社にとって重要であることを理解してもらうことができます。
ここで決め手となるのは、具体的な数字を提示することです。
「NPS向上は収益増加につながる」というだけでなく、重要戦略におけるどのKPIとの繋がりがあるのか、そしてNPSが1ポイント向上することでどのくらい収益・KPI向上が見込めるのかを示すようにしましょう。
NPS向上ポイント⑤成功事例は社内外に共有し好循環を作る
NPS改善による成功事例を生み出すことも、現場のモチベーションを高める方法のひとつです。客観的にNPSと収益性の相関関係がわかるデータが見られたら、積極的に周知しましょう。
自分の仕事が目に見える形で評価されて嫌な気分になるスタッフは恐らくいません。積極的な周知は社内にNPSの重要性が伝わるだけでなく、現場スタッフが自発的に仕事に対するクリエイティビティを発揮することにもつながります。これによって成功事例が生まれやすくなり、成功事例からNPS改善のノウハウも得ることができるというプラスの循環が作られます。
NPS向上事例
株式会社バーニーズジャパンの事例
株式会社バーニーズジャパンでは、5年以上継続的にNPS向上に取り組んでいます。
調査をはじめた当初は、誰もが半信半疑で調査結果を見られていたとのことですが、今では「お客様からの貴重なご意見をいただけるもの」と認識され、全社的に顧客に向き合う文化が作られてきています。
そういった文化が作られ、調査そのものに対する社内の見方が圧倒的に変化をもたらした工夫として、担当者の方は以下の2点をポイントとして挙げられています。
- 毎週の結果を共有し続けていたこと
- 実際の売上とNPSとの連動性を明らかにしたこと
また実際に調査結果をもとに改善に取り組んだA店ではNPS向上、そして売上向上という成果がもたらされています。
「自分達の接客に改善の余地がある」ということを、みんなが検証できる数値(売上)とNPSとの連動、そして他店舗との比較という部分で、納得感をもって受け止めることが出来たことが要因の一つとして挙げられています。
詳しい事例インタビューはこちら:
継続的な顧客の声の収集とポジティブなフィードバックで組織変革を推進し、顧客志向企業を目指す。CXMに取り組みはじめて5年目のバーニーズ ジャパンの取り組みとは。
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