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顧客満足度と従業員満足度の相関
顧客満足度を向上させるために、なぜ、従業員満足度を向上させる必要があるのでしょうか。従業員は、企業に強い愛着を持てば持つほど、企業のために尽くしたいという思いが深くなります。そういった意味で、顧客満足度の高さと従業員満足度の高さは基本的に比例します。
従業員満足度向上によるメリット
また、従業員満足度の向上は、企業に次のようなメリットをもたらします。
・モチベーションが上がった結果、生産性も向上する
企業に対する愛着が増すと仕事に向かうモチベーションもアップします。それにより、商品・サービスの質が上がり、生産性の向上も実現するのです。
・離職率の低下
強い愛着があれば当然、転職や退職したいと思う従業員の数は低下します。その結果、企業の人材採用、育成コストが軽減。また、顧客に対しても同じ従業員による継続的なサービス提供が可能になるため、顧客満足度が向上します。
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従業員満足度向上の方法やポイント
では、従業員満足度を向上させるためには何をすればよいのでしょう。ここではそのポイントをいくつか紹介します。
福利厚生を充実させる
・「住宅手当・家賃補助」「食堂・昼食補助」「レジャー、余暇施設、宿泊施設などの割引制度」といった金銭面のサポート
・「人間ドックなど法定外の健康診断」「育児休業・介護休業」「バースデー・リフレッシュ休暇」といった身体的なサポート
・「資格取得のための研修・教育補助」といったスキルアップのサポート
などさまざまあり、これらの充実は、従業員満足度の向上に大きく貢献します。
企業風土、ビジョンを共有する
・風通しがよい、心理的安全性が確保されているなど、企業の風土はどうか
・目標をどこに設定しているのか
・目標を達成するために、どういった方法を取ろうとしているのか
など、企業風土やビジョンを明確にし、共有することも従業員満足度向上の重要なポイントです。同じゴールを目指せないと気持ちがバラバラになり、企業としての団結心、忠誠心を保つことは難しくなるでしょう。
コミュニケーションを強化する
離職の理由に、人間関係が挙げられます。
・何か相談したいことがあっても誰にも言えない
・上司や部下でさえも話し合いができていない
などは、人間関係の悪化はもちろん、生産性の低下にもつながるのです。1on1ミーティングを取り入れる、上司から積極的に声掛けをする、コミュニケーションを取りやすいオフィスレイアウトにするといった施策を行うと効果的でしょう。
評価・報酬基準を明確化する
思ったような成果を生み出したにもかかわらず評価されなければ、モチベーションは上がりません。何をすれば評価が得られ、どのぐらいの報酬がもらえるのか、基準を明確にすることも重要です。
業務環境を改善する
長時間の会議や必要性の低い資料の作成、進まないテレワーク化、残業の多さ、モチベーションを下げてしまうような環境も、満足度が上がらない要因のひとつになります。環境を一つひとつ見直し、改善を進めると、従業員満足度も向上するでしょう。
従業員満足度向上のための取り組み事例
次は、実際に従業員満足度向上を実現した企業の事例を紹介します。Great Place to Work Institute Japan(GPTWジャパン)が発表する「働きがいのある会社ランキング」から、企業規模別に見ていきましょう。
大規模部門(従業員1,000人以上)
・上司から企業文化を直接学べる機会を提供
金融サービスを手掛けるA社では、新卒や中途採用の従業員を対象に、パネルディスカッションを開催。この場では、同社が抱える4つの価値観について、どんな風に心掛けて進めてきたかを社員が述べます。これにより新しく採用された従業員は、基本の理念や企業文化、どのように行動したらよいかなどを学べているのです。
・モバイルワークを取り入れつつ、コミュニケーションの強化を実現
総合的な不動産業を行うB社の目標は、さまざまな人材が活躍できる会社になること。そのためにモバイルワークを取り入れ、VDI(仮想デスクトップ)を導入し、環境の構築を進めました。
また、一部の事業所に従業員の誰もが利用できるモバイルワークスペースを設置。これにより、スムーズに働きながらコミュニケーションも叶う環境が整ったそうです。
中規模部門(従業員100~999人)
・現代に柔軟に対応する制度を多数導入
グループウェアを扱う事業を行うC社では、さまざまな人事制度を策定し、多様な働き方の実現に取り組んでいます。なかでも特筆すべきは最長6年間となる育児・介護休暇制度。これにより従業員は、ライフステージに対応して働けるようになりました。
それだけではありません。副(複)業許可、一人ひとりで自分自身の勤務時間や場所を決められる「働き方宣言制度」など、現代に対して柔軟に対応する制度も存在しています。
・行動規範を体現する従業員を表彰
人材教育コンサルティング事業を手掛けるD社では、従業員にふさわしい7つの行動規範が設けられています。そして、それを最も体現する従業員を、推薦や投票で決定し、表彰するという制度を導入したのです。これにより、行動規範が浸透しやすくなり、さらに表彰によって従業員のモチベーションもアップしました。
小規模部門(従業員25~99人)
・従業員自身で決めることでモチベーションアップ
コンサルティングサービスを手掛けるE社では、「楽しく生産性を高めるには」「時代に合って自分たちにしかできない働き方は」などのテーマで、全従業員が2か月に1回のミーティングを実施。その内容から、プロジェクトを企画したり、社のビジョンや給与を従業員自身で決めたりしています。
これらの取り組みによって従業員自身が働きがいを見つける意識を持つように努め、モチベーションアップを目指しているのです。
・社員ファーストを理念に掲げ、従業員が幸せに働けるよう努める
不動産テック事業を行っているF社では、「社員ファースト」を理念に掲げています。その元となるのは、創業の機となった「何をやるかより誰とやるか」です。
また、全従業員が共通の価値観を持てるように努め、みなが幸せに働き続けられるような環境を整えています。
顧客満足度向上を実現させるにはまず従業員満足度の向上が重要
顧客満足度の向上を意識しすぎるばかりに、従業員をないがしろにしてしまう、無理強いをさせてしまうといった企業が存在します。
「顧客を第一に」という考えそのものは間違いではありません。しかしそれ以上に、最も身近にいる従業員満足度の向上なくして顧客満足度は向上しないといっても過言ではないのです。
従業員満足度が向上すれば、従業員のモチベーションは上がり、それは顧客満足度の向上に結びついていきます。顧客満足度がなかなか向上しない、どうしたらよいかわからない、そのように解決策を模索している企業はまず、従業員が本当に満足して仕事をしているかどうかを見つめ直してみてはいかがでしょうか。
参考:
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