最低限押さえておきたい従業員満足度アンケートの基本 | 株式会社エモーションテック

最低限押さえておきたい従業員満足度アンケートの基本

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エモーションテック 編集部

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従業員満足度アンケートで必要な質問設計

従業員満足度アンケートを実施する際、最初に行うのが質問設計です。しかし現状把握や従業員満足度の確認、満足度向上施策の検証などアンケートを行う目的はいくつかあり、それによって質問内容も変わるでしょう。一体どういう内容を押さえておけばよいのか、最低限聞くべき基本の質問について説明します。

基本情報

基本情報では、性別や年齢、役職や部署といった内容を尋ねます。匿名のほうが従業員の意見を自由に聞き取れるように思うかもしれません。しかし、回答者の立場が分からないと、従業員満足度の結果がぼやけてしまう可能性もあるため、必ず基本情報を尋ねます。

業務

現在行っている業務に対し、どういった思いで取り組んでいるか、自身が成長できているかどうかなどを尋ねます。

上司

上司とのコミュニケーションに問題は生じていないか、関係性はどうかなどを尋ねます。

部署やチーム

部署やチームでのコミュニケーションに問題はないか、適切に情報が共有できているか、業務で成果を上げていける関係性が築けているかなどについて尋ねます。

職場環境

業務を遂行する際に必要な設備はそろっているか、福利厚生や教育研修といった制度は充実しているかなどについて尋ねます。

会社・人事評価

会社の方針に対する意識や人事評価に対する考えについて尋ねます。理念は理解しているか、将来性に期待しているか、現在の評価制度や給与、待遇などに満足しているかどうかなどです。

コンプライアンス

法令やルールはどのように守っているか、会社はモラルやコンプライアンスについてどう取り組んでいるかなどについて尋ねます。

関連記事:
従業員満足度アンケートの目的と項目作成時の注意点

従業員満足度アンケートを実施する頻度は?

従業員満足度アンケートは1回実施して終わりではありません。アンケートの結果から課題を見出し、改善するのが重要なのです。そのために従業員満足度アンケートの実施後、「結果の分析と改善」「再びアンケートを実施して、改善した点が本当に改善されているかを確認」といった手順を踏んでいきます。

そして、確認の結果、改善が認められればまたほかの課題を抽出し、もし改善されていないようであれば別の改善策を検討していくのです。

ここでポイントとなるのが従業員満足度アンケートを実施する頻度。あまり間を空けてしまうとスピーディーに改善できなくなるため、最低でも年2回以上、可能であれば四半期ごとに1回ずつ行うとよいでしょう。

なぜなら、1年や半年に1回といった頻度では、会社に対し何らかの不満を抱え退職を考えている層が、転職活動を完了してしまうからです。そうなると、施策が打てないままになってしまいます。できるだけ間を空けすぎず短い周期で実施すると、貴重な人材の離脱を防ぎやすくなるでしょう。

たとえばメンタルヘルスの項目を設定し、その数値が悪かった部署・チームだけ質問数を減らして毎月調査を実施するといったやり方があります。そのうえで問題がありそうな従業員を把握して迅速にコミュニケーションを取り、改善を試みれば、それもまた離職対策として効果的です。

関連記事:
従業員満足度とは?向上のメリットや調査方法について解説
従業員エンゲージメントとは?人的資本経営の観点からも解説

従業員満足度アンケートの回収率を上げるには?

従業員満足度アンケートの効果を高めるには、できるだけ多くの従業員から回答を回収する必要があります。どんなに適切な質問設計・頻度で実施したとしても、回収率が悪ければ、可視化された組織の課題も限定的なものとなってしまうからです。そこで回収率を高めるための施策として効果的なものを紹介します。

◆  従業員満足度アンケートを行う目的、意義を経営者自らが説明し、理解を得るようにする

「なぜ、従業員満足度アンケートを実施するのか?」それが従業員に伝わらなければ回答しても意味がないと思われやすいものです。従業員満足度アンケートを行う目的や意義を経営者自らが説明し、しっかりと理解を得たうえで実施しましょう。

◆  従業員満足度アンケートで得た課題は必ず改善に着手し、その成果を従業員に公開する

従業員満足度アンケート内で指摘された課題がまったく改善されていないのに、アンケートばかりをひんぱんに行うのも回収率を下げてしまう要因となります。従業員満足度アンケートで得た課題は、必ず改善に着手しましょう。また解決した課題はもちろん、解決しなかった課題の今後についても、次のアンケート実施までに従業員に公開します。

◆  紙とWebどちらでも回答可能にする

紙に手書きのほうが回答しやすい従業員もいれば、Webのほうが回答しやすい従業員もいるでしょう。どの従業員でも回答しやすいよう、複数の選択肢を用意すれば、回収率も高まります。

◆  回答期限を設け、期日に近づいたらリマインドメールで催促をする

回答期限が決まっていないとどうしても後回しになってしまいます。回答用紙に回答期限を明記し、さらに1週間前、3日前、1日前などでリマインドメールを送信し、催促しましょう。

従業員満足度アンケートの分析方法は?

続いて従業員満足度アンケ―トで回収した結果の分析方法について説明します。分析のポイントは次のとおりです。

◆  全体の傾向を見る

まずは全体の傾向を見ます。そして各項目の満足度はどの程度なのか、高い場合の理由、低い場合の理由、それぞれを把握するのです。

◆  回答者をセグメントしてそれぞれの傾向を見る

性別や年齢、役職など回答者をセグメントしてそれぞれの傾向を見ます。たとえば一般社員と役職者、それぞれの結果を比較して見ると、現状把握に効果を発揮するでしょう。

◆  部署ごとにセグメントしてそれぞれの傾向を見る

回答者だけではなく、部署ごとにセグメントして傾向を見るのも欠かせません。それによりたとえば「部署によって必要な設備が整っていない」「必要な教育研修制度が用意されていない」といった課題が可視化されます。

◆  相関関係、因果関係の分析をします。

課題改善の優先度を知るためには、相関関係のチェックが必要です。そこで会社に対し高い満足度を持っている従業員がどの質問に対して高い点、低い点を付けているのかを見ていきます。

たとえば上司との関係性に高い点を付けていて職場環境に低い点を付けている場合、上司との関係性向上が従業員満足度向上の優先事項だと判断できるでしょう。

詳しい従業員満足度の分析方法は「従業員満足度 分析」を参照ください。

また従業員満足度で相関関係を明確にする方法としては、eNPSがおすすめです。自社で働くのをどの程度、友人、知人にすすめたいかを0~10の11段階で評価してもらい、そのうえで各項目の質問をしていけば、各項目と重要度の相関関係が明確になり、改善策も立てやすくなります。

従業員満足度アンケートの成果を上げるには従業員の声を反映していることのアピールが重要

従業員満足度アンケートは、課題を改善するためにも定期的な実施が必要です。しかし、回収率が下がってしまっては、実施の意味がなくなってしまうでしょう。

従業員満足度アンケートを意味あるものとし、継続的に成果を上げるためのポイントは、従業員の声を活用して、課題の改善を進めているとしっかりアピールすること。従業員が「自分たちの意見が反映されている」と分かれば、従業員満足度アンケートに対するモチベーションも上がり、回収率も高まるでしょう。

出典:
(注1)人事が考える、人材マネジメントのこれまでとこれから|リクルートマネジメントソリューションズ
(注2)従業員満足度調査をめぐる状況|日本の人事部

参考:
 従業員満足度アンケートの目的と項目作成時の注意点|EmotionTech
 4. 従業員満足度調査の集計結果の分析|Redesign
 従業員満足度(ES)調査とは?|EmotionTech
 従業員満足度の計測指標としてeNPS℠がおすすめな理由|EmotionTech

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